2021年管理費ランキング(トップ10/ワースト10)
続いては、管理費部門のおまけコンテンツとして例年大変ご好評いただいております「管理費トップ10・ワースト10」を掲載します。
【※ご注意】
対象となるのはあくまでモモレジが把握している物件のみで2021年に首都圏で販売された全ての物件のトップ及びワーストではありません。しかしながら、物件数は370物件にもなりますし、「東京都及び神奈川県の物件(いわゆるワンルーム投資マンションは除く)の9割以上+埼玉県と千葉県の東京寄りの物件の多く」はカバー出来ているはずです。
(当ブログで取り上げている物件はもちろんですが、それ以外の物件でも把握できるものについてはなるべく含めるようにしています。)
今年の370物件の平均値を計算してみたところ約285円/㎡ということで昨年の約290円/㎡から少し下がり、ここ数年続いてきたインフレ傾向が小休止したのは正直なところ意外でした。
依然として続くコロナ禍の緩和(経済対策)により、株式市場などからもお分かりのようにインフレ基調が続いており、人件費及びモノの値段の高騰は管理費に大きな影響を与えますので、今年もさらに高くなっているのだと思っていました。
なお、ここ数年の推移は、242(2013年)⇒258⇒248⇒269⇒270⇒281⇒280⇒290⇒285(2021年)となっており、今年の結果だけで上昇に歯止めがかかったとは言えないのですが、近年は個々の物件を見ていても管理費が高いよなぁ…と思うことが少なくないので流石に少々の頭打ち感はあるのかなと…。
もちろん、上述のように全物件を集計出来ているわけではないですし、相対的に管理費単価が高くなる傾向のある都心物件、超高額物件の比率如何によっても変わってくるでしょう。
また、昨年の記事でも書いたように、ちょっと前(2~3前)の物件に比べ「ディスポーザー、内廊下、コンシェルジュサービスの採用が減っている(気がする)」という感覚もあります。
300円/㎡近くなると一般的な70㎡ファミリータイプで約2万円であり、もちろんこれ以外に修繕積立金(当初は100円/㎡ほどが多いが、5~10年で2倍・3倍になるような計画が多いため、あっという間に管理費・修繕積立金で月4万円ぐらいになることは少なくありません…)がかかってくるので、ランニングコストは本当に馬鹿にならないですし、家計へ非常に大きな影響を与えるコストなので、デベロッパーとしても”従前の設備・サービスを維持し管理費単価をさらに上げるよりも設備・サービスを削減することにより管理費を抑える”という選択をすることが多くなっているのかなと…。
※こういった時勢ではランニング面では中古物件のメリットが大きく、一昨年の同記事でそういった点について言及しているので、ご興味がある方はそちらもご覧下さい。
⇒2019年管理費ランキング
さて、まずはトップ10からです。
【トップ10】
①ミオカステーロ中野島Ⅳ(117円/㎡)
②プラネスーペリア北新横浜(121円/㎡)
③ブリシア一之江(130円/㎡)
③デュオヒルズ東川口テラス(130円/㎡)
⑤ミオカステーロセンター南Ⅲ(142円/㎡)
⑥センチュリー南浦和ブライトコート(144円/㎡)
⑦ブリシア横浜大口(145円/㎡)
⑧パレステージ江北Ⅲ東館(147円/㎡)
⑧ブランズシティ湘南台(147円/㎡)
⑩サンメゾン平塚代官町(149円/㎡)
⑩ブリシア綾瀬(149円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです。)
昨年トップだったファインスクェア大泉学園は104円/㎡でしたし、ちょっと前だと1位が二桁の時代もありましたので、ミオカステーロ中野島Ⅳの117円/㎡自体はトップとしては目立つものではありません。
しかしながら、昨年は10位の水準が155円/㎡でしたし、販売価格が上昇せざるを得ない中で(土地の仕入や建築などのコスト高騰によるもの)、ランニングコストを抑える傾向がこのランキングからも感じられますね。
上述のように、インフレ基調により以前と同じパフォーマンスでは管理費を抑えることは不可能に近いので、そこそこのスケールのある物件でもディスポーザーを付けない、また、管理形態を「通勤」ではなく「巡回」にするとかといったような施策を行うことで高騰する販売価格を多少なりともランニングコストでカバーしようとしている様子が窺えるのです。
※いくら管理費が安くても管理組合が赤字、また、管理が杜撰であっては意味がありません。ただ、「管理費が高い=管理がしっかりしている」というのもちょっと違うので、収支計算書の内容を吟味し、無駄なところ(重視すべきでないところ)と必要なところ(重視すべきところ)を組合員でしっかりと話し合って適材適所でコストをかけるべきなのは言うまでもありません。
【ワースト10】
①虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー(1,379円/㎡)
②プラウド銀座一丁目(663円/㎡)
③ザ・パークハウスグラン神山町(648円/㎡)
④パークリュクス清澄白河(633円/㎡)
⑤パークコート千代田四番町(625円/㎡)
⑥パークコート神宮北参道ザ・タワー(620円/㎡)
⑦フォレセーヌ渋谷富ヶ谷(575円/㎡)
⑧ヴァースクレイシアIDZ中野富士見町(570円/㎡)
⑨プラウド新虎通り(566円/㎡)
⑩シティハウス二子玉川ザ・グランド(548円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです)
昨年のワースト10は一昨年よりも全体的に大分安くなっていたのですが、今年は一転して上昇し、控え目だった感のあるトップ10の結果と合わせて見るとやや二極化傾向を感じます。
つまり、トップ10にランクインしたような一般的な価格帯の物件は、”多くの方々の所得が上がらない経済下において、物件価格の高騰をランニングコストで補わないことには販売がままならない”ので、設備・サービスを控えめにすることでランニングコストを抑えざるを得ないのに対し、ワースト10の多くを占めるような富裕層向けの物件は”ちょっとやそっとランニングが嵩んだところで購入可否への影響がほとんどないため、高額な販売価格に相応しい充実した設備・サービスを引き続き採用している”という側面が生じているように思います。
とは言え、むろん物件によって例外はありますし、常々言っているように管理費はスケール(スケールメリット)の影響が非常に大きいのも確かでしょうね。プラウド銀座一丁目、パークリュクス清澄白河、ヴァースクレシアIDZ中野富士見町などは目立ったパフォーマンスがない中で超高額な水準になっているので、少しでもランニングコストを抑えたい方はやはりある程度のスケールのある物件を検討した方が良いでしょうね。
ちなみに、ワースト1位の虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーは単価も凄いですけど、住戸は100~200㎡台が当たり前、大きなものだと300㎡超まであり、例えば379㎡のお部屋だと管理費だけで月約52万円になります…。
【※ご注意】
対象となるのはあくまでモモレジが把握している物件のみで2021年に首都圏で販売された全ての物件のトップ及びワーストではありません。しかしながら、物件数は370物件にもなりますし、「東京都及び神奈川県の物件(いわゆるワンルーム投資マンションは除く)の9割以上+埼玉県と千葉県の東京寄りの物件の多く」はカバー出来ているはずです。
(当ブログで取り上げている物件はもちろんですが、それ以外の物件でも把握できるものについてはなるべく含めるようにしています。)
今年の370物件の平均値を計算してみたところ約285円/㎡ということで昨年の約290円/㎡から少し下がり、ここ数年続いてきたインフレ傾向が小休止したのは正直なところ意外でした。
依然として続くコロナ禍の緩和(経済対策)により、株式市場などからもお分かりのようにインフレ基調が続いており、人件費及びモノの値段の高騰は管理費に大きな影響を与えますので、今年もさらに高くなっているのだと思っていました。
なお、ここ数年の推移は、242(2013年)⇒258⇒248⇒269⇒270⇒281⇒280⇒290⇒285(2021年)となっており、今年の結果だけで上昇に歯止めがかかったとは言えないのですが、近年は個々の物件を見ていても管理費が高いよなぁ…と思うことが少なくないので流石に少々の頭打ち感はあるのかなと…。
もちろん、上述のように全物件を集計出来ているわけではないですし、相対的に管理費単価が高くなる傾向のある都心物件、超高額物件の比率如何によっても変わってくるでしょう。
また、昨年の記事でも書いたように、ちょっと前(2~3前)の物件に比べ「ディスポーザー、内廊下、コンシェルジュサービスの採用が減っている(気がする)」という感覚もあります。
300円/㎡近くなると一般的な70㎡ファミリータイプで約2万円であり、もちろんこれ以外に修繕積立金(当初は100円/㎡ほどが多いが、5~10年で2倍・3倍になるような計画が多いため、あっという間に管理費・修繕積立金で月4万円ぐらいになることは少なくありません…)がかかってくるので、ランニングコストは本当に馬鹿にならないですし、家計へ非常に大きな影響を与えるコストなので、デベロッパーとしても”従前の設備・サービスを維持し管理費単価をさらに上げるよりも設備・サービスを削減することにより管理費を抑える”という選択をすることが多くなっているのかなと…。
※こういった時勢ではランニング面では中古物件のメリットが大きく、一昨年の同記事でそういった点について言及しているので、ご興味がある方はそちらもご覧下さい。
⇒2019年管理費ランキング
さて、まずはトップ10からです。
【トップ10】
①ミオカステーロ中野島Ⅳ(117円/㎡)
②プラネスーペリア北新横浜(121円/㎡)
③ブリシア一之江(130円/㎡)
③デュオヒルズ東川口テラス(130円/㎡)
⑤ミオカステーロセンター南Ⅲ(142円/㎡)
⑥センチュリー南浦和ブライトコート(144円/㎡)
⑦ブリシア横浜大口(145円/㎡)
⑧パレステージ江北Ⅲ東館(147円/㎡)
⑧ブランズシティ湘南台(147円/㎡)
⑩サンメゾン平塚代官町(149円/㎡)
⑩ブリシア綾瀬(149円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです。)
昨年トップだったファインスクェア大泉学園は104円/㎡でしたし、ちょっと前だと1位が二桁の時代もありましたので、ミオカステーロ中野島Ⅳの117円/㎡自体はトップとしては目立つものではありません。
しかしながら、昨年は10位の水準が155円/㎡でしたし、販売価格が上昇せざるを得ない中で(土地の仕入や建築などのコスト高騰によるもの)、ランニングコストを抑える傾向がこのランキングからも感じられますね。
上述のように、インフレ基調により以前と同じパフォーマンスでは管理費を抑えることは不可能に近いので、そこそこのスケールのある物件でもディスポーザーを付けない、また、管理形態を「通勤」ではなく「巡回」にするとかといったような施策を行うことで高騰する販売価格を多少なりともランニングコストでカバーしようとしている様子が窺えるのです。
※いくら管理費が安くても管理組合が赤字、また、管理が杜撰であっては意味がありません。ただ、「管理費が高い=管理がしっかりしている」というのもちょっと違うので、収支計算書の内容を吟味し、無駄なところ(重視すべきでないところ)と必要なところ(重視すべきところ)を組合員でしっかりと話し合って適材適所でコストをかけるべきなのは言うまでもありません。
【ワースト10】
①虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー(1,379円/㎡)
②プラウド銀座一丁目(663円/㎡)
③ザ・パークハウスグラン神山町(648円/㎡)
④パークリュクス清澄白河(633円/㎡)
⑤パークコート千代田四番町(625円/㎡)
⑥パークコート神宮北参道ザ・タワー(620円/㎡)
⑦フォレセーヌ渋谷富ヶ谷(575円/㎡)
⑧ヴァースクレイシアIDZ中野富士見町(570円/㎡)
⑨プラウド新虎通り(566円/㎡)
⑩シティハウス二子玉川ザ・グランド(548円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです)
昨年のワースト10は一昨年よりも全体的に大分安くなっていたのですが、今年は一転して上昇し、控え目だった感のあるトップ10の結果と合わせて見るとやや二極化傾向を感じます。
つまり、トップ10にランクインしたような一般的な価格帯の物件は、”多くの方々の所得が上がらない経済下において、物件価格の高騰をランニングコストで補わないことには販売がままならない”ので、設備・サービスを控えめにすることでランニングコストを抑えざるを得ないのに対し、ワースト10の多くを占めるような富裕層向けの物件は”ちょっとやそっとランニングが嵩んだところで購入可否への影響がほとんどないため、高額な販売価格に相応しい充実した設備・サービスを引き続き採用している”という側面が生じているように思います。
とは言え、むろん物件によって例外はありますし、常々言っているように管理費はスケール(スケールメリット)の影響が非常に大きいのも確かでしょうね。プラウド銀座一丁目、パークリュクス清澄白河、ヴァースクレシアIDZ中野富士見町などは目立ったパフォーマンスがない中で超高額な水準になっているので、少しでもランニングコストを抑えたい方はやはりある程度のスケールのある物件を検討した方が良いでしょうね。
ちなみに、ワースト1位の虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーは単価も凄いですけど、住戸は100~200㎡台が当たり前、大きなものだと300㎡超まであり、例えば379㎡のお部屋だと管理費だけで月約52万円になります…。
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