2021年販売部門①【予想外の好況の中で…】

本日からは2021年の各賞を順に発表して参ります。

ブログは2011年から始め、早いもので今年は10年選手になってしまいました。その年の各部門の受賞物件を決めるこの企画は2013年から始めたもので、まだ、8年目になるのですが当初はまさかこんなに続くものとは思っていませんでした。

近年はとても多くの方にご覧いただくようになっているのでその分プレッシャーを感じたりもしますが、初心を忘れずこれまで同様に私の独断と偏見ながら「客観的視点」を心掛け公正な評価を行っておりますので今年も楽しんでいただければと思う次第です。
※当ブログの「カテゴリ」には「各賞発表」というものを設けており、そちらにはこれまでの記事が集まっています。特色豊かなマンションを多数掲載していますのでマンション好き・間取り好きの方はそこから過去を振り返っていただくと面白い発見に出会えるかもしれません。

なお、各賞は昨年同様に、
・販売部門
・管理費部門
・デザイン部門
・間取り部門
・差別化部門
・モモレジ部門(特別賞)
・立地部門
・デベロッパー部門
の8つになります。

毎年同じことを言っており恐縮ですが、”客観的視点”とは言いつつもいずれも私モモレジの独断と偏見によるものとなります。対象は首都圏のマンションで、モモレジが深く知らないマンションはそもそも土俵にも上がれませんが、それでもお付き合いいただけたら幸いです。

さて、一発目の本日は販売部門なのですが、良い機会なので2021年の首都圏マンションの状況を軽く振り返ってみましょう。
不動産経済研究所によると、2021年の首都圏のマンションの供給戸数は前年比19.4%増の3.25万戸の見込みで、コロナ禍になれず振り回された"2020年の反動"の影響が出たと感じています。
また、平均価格に関しても1~11月の平均価格は6,476万円とのことでバブル期1990年の過去最高(6,123万円)を更新するのが確実な状況になりますね。

株式市場などを見ている方はご存知かと思いますが、市場は"予想外"のことが起きた時に大きく"反応(上下動)"します。そういうと当たり前のことに感じるかもしれませんが、"予想外"というのは"大方の方が思う方向の偏り"が生じている中でしか起こらず、今回の不動産市況のケースで言うと、「昨年3~4月頃のコロナ禍突入時点において、大方の予想(かくいう私もしかり)が不動産市況の悪化・下落」だったがために、その後(今)の好況・反騰が生じる大きな要因になったと思っています。

もう少し具体的に言うならば、コロナ禍に入り下落を予想した人たちが"様子見"に入り、デベロッパーも市況悪化を予測しマンション用地の仕入れに後ろ向き、また、分譲予定だった物件を一棟売りしてしまうようなケースもありました。そのように目先の需要に合わせるかのように供給が減ったのですが、コロナ禍のジャブジャブな資金供給で富裕層を中心に金余りが生じ、あれよあれよという間に需要増加、そして一旦は下落を待っていた方々がコロナ禍が長引くことで結婚・出産・子供の進学などを契機に市場に戻らざるを得なくなったことから需要が一段と増加し一度減った供給が追いつかないという状況が生じてしまったように思いますね。

ちなみに、不動産経済研究所によると、2022年の供給は2021年よりも多い3.4万戸ほどが見込まれていますし、このままコロナが落ち着くようであれば中古物件の新規供給も増えてくると思うので(11月の首都圏マンション発売戸数の記事ご参照)、徐々に価格が落ち着いてくるのではないかと思っていますが、一方で11月末時点での在庫5,697戸は2015年以来の低水準まで減っていますので、下落まではなかなか期待出来なそうですね…。住宅ローン控除額の減少(改正)などもあり、年末~年初にかけては駆け込み需要による一時的な反動もありそうですけど…。

そんなこんなで好況が続いた2021年の販売部門受賞物件は、以下になります。

【金賞】
パークタワー勝どきサウス

【銀賞】(順不同)
パークコート千代田四番町
パークコート神宮北参道ザ・タワー
ブリリアタワー浜離宮
パークホームズ初台ザ・レジデンス
プラウド目黒洗足ガーデンコート

【銅賞】(順不同)
プラウド世田谷代田
プラウド大宮桜木町
グランドメゾンセンター北フロント
ブリリア旗の台
プラウド練馬中村橋マークス
アトラスシティ世田谷船橋
プレミスト王子神谷
サンリヤン相模原ステーションヴィラ
ガーラレジデンス相模大塚駅前

【金賞】はパークタワー勝どきサウスです。
第1期1次233戸、2次175戸を即日完売させ、1期1次は「平均2.6倍/最高34倍」、2次は「平均2.5倍/最高12倍」ですので化け物ですね。
※先月行われたハルミフラッグの販売再開後の631戸は「平均倍率8.7倍/最高倍率111倍」でパークタワー勝どきサウス以上なのですが、2019年のマンションオブザイヤーであるハルミフラッグ(サンビレッジは今回が第1期)は全てを1つの物件として今年の番付や各賞から除外しています。パークタワー勝どきサウスも前年にお隣のミッドがありましたのでこちらも除外しようかとも思ったのですが、駅直結か否か、また、設計・プラン・デザインなどにおいてもミッドとの違いを感じる物件なので今年も対象としました。

パークタワー勝どきは「2021年9月の首都圏マンション発売戸数」の記事で言及しているように、コロナ禍の入場者数制限の影響もあり、未だに新規の方がモデルルームの来場予約がなかなか出来ないという異常な事態になっており、”ミッド当初の人気がさらなる人気を呼んでいる(本来も人気物件であることに違いはないが、あるべき人気以上に人気を呼んでいる感があるのも確か)”ところもあるとは思いますが、1期1~2次合わせ408戸という出色の数字ですし、そもそももっと多くの数を捌けていれば(来場できていない方への配慮、契約事務のキャパオーバーなどを考慮)さらに供給戸数が伸びていたはずなので金賞に相応しい物件だと思います。

次の【銀賞】5物件は、いずれも高価格帯の物件になります。
特に上から3物件は億ションだらけの超高額物件ながら引き合いが強かったもので、戸数以上のインパクトを感じましたね。

パークコート千代田四番町(平均坪単価約895万円)は168分の130戸を1期1次で供給、パークコート神宮北参道ザ・タワー(平均坪単価約895万円(まだ分譲中なので暫定の数字))は1期1次で160戸、ブリリアタワー浜離宮(平均坪単価約645万円(こちらも分譲中なので暫定))はエグゼクティブ住戸99戸のうち71戸を一度に供給するという人気ぶりでした。

パークホームズ初台ザ・レジデンスプラウド目黒洗足ガーデンコートも高額物件ながら、パークホームズが1期で65分の57戸、プラウドが41戸全戸一括ということでやはり強い人気が窺えましたね。プラウドは販売当時の記事でも書きましたが定借でのその人気ぶりという点でも驚かされました。

【銅賞】の詳細は次の記事でどうぞ。

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