2021年間取り部門②【間取りはマンション吟味の醍醐味】

2021年間取り部門の続きになります。
2021年間取り部門①

【銀賞】(順不同)
プレミスト王子神谷
アトラスタワー白金レジデンシャル
ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス
ブランズ文京白山一丁目
リビオレゾン練馬中村橋ステーションプレミア
クレアホームズ府中西府スカイビュー

プレミスト王子神谷は、12月に分譲開始された直近の物件ですので覚えている方も多いことでしょう。
エリアNo.1の存在感を誇る"ザ・ガーデンズ東京王子へのコンプレックス"を感じずにはいられないところはあったものの、コーナー柱のオフセットによるコーナーサッシ、共用廊下側の柱のアウトフレーム、順梁でも2.2mのサッシ高、さらに全戸玄関窓ということで、建築コスト高騰などに伴いザ・ガーデンズの頃と比べこういった設計を採用するマンションが減っていると感じる中でのこのパフォーマンスは凄く良かったと思います。

アトラスタワー白金レジデンシャルは、小ぶりなタワマンながら全方位に住戸を設け全戸ワイドスパンを実現、かつ、全体的にバルコニーをしっかりと確保したことで、柱のアウトフレームが行き届いた結果、プラン(二次元)が本当にきれいでしたね。

三次元においては、高額タワマンとして目立つものとは言えませんが、逆梁工法をメインとしたことで高めのサッシ高を実現出来ているところもありますし、間取りへの想いを強く感じるマンションでした。

ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークスは昨年差別化部門で金賞受賞したヴェレーナグラン赤羽北フロントの兄弟物件で、コンセプトは同様です。フロントに次ぐ2つ目の同コンセプト物件ということもあり今年は差別化部門ではなくこちら間取り部門の受賞としました。
デザイン的な差別化要素も少なくない物件ではありますが、やはり最大の特長はスキップフロアや超巨大な床下収納などの間取り面(三次元)であり、ザ・マークスはフロントになかった40㎡台も設けた上で、プラン的な魅力も高めているなど全体的な間取り面でのパフォーマンスが高い物件でしたね。

次のブランズ文京白山一丁目の受賞理由は、やはり豊かな三次元構造になります。
最高高さ46mエリアに位置した物件ですので、周囲には14階建が多く、中には15階建のものもあります。しかしながら、当物件は13階建にしたことで三次元的な余裕があり、最大天井高2.6~2.65m、サッシ高2.2~2.35mというかなり珍しい設計を採用していました。
13階建としたことで14~15階建で同容積率を確保した場合に比べ空地が少なくなり、ランドプラン的な魅力は小さくなってしまっているところはあるものの、間取り(三次元)に関して言えば大きなプラス材料になります。

残り2つ、リビオレゾンレゾン練馬中村橋ステーションプレミアクレアホームズ府中西府スカイビューは小規模ですし、エリア的にも目立つものではないかもしれません。
しかしながら、私の中では結構なインパクトがありましたので文句なしの受賞になります。

リビオレゾンはかなりの小規模物件物件ですし、コンパクトプランも少なくないのですが、異常に感じるぐらいの行き届いた柱のアウトフレームと無駄とすら感じる共用廊下の造りに驚かされました。

また、クレアホームズは完全アウトフレームな上にニューノーマルをコンセプトとした全戸標準装備の「玄関ボウル」が凄かったですね。こちらの物件もこのプランからお分かりのように共用廊下周りに不思議な余裕(?)を感じました。

やっぱりこういった物件に出会うと嬉しいし面白いしで、間取りはマンション吟味の醍醐味だなぁ…と。

【銅賞】(順不同)
シティハウス浦和岸町
グレーシアさがみ野マークス
プラウド大宮桜木町
ローレルコート練馬豊玉
リビオ練馬豊島園

【特別賞】
パークシティララ横浜

【銅賞】は、いずれも柱のアウトフレームが受賞の主要因ではありますが、完全アウトフレーム(全住戸)のものに限らず、ほぼアウトフレーム(プランによってはやや食い込んでいるケースもある)に加えて"特殊な試み"がなされている物件も併せてリストアップしたような形になります。

まず、完全アウトフレームはシティハウス浦和岸町グレーシアさがみ野マークスプラウド大宮桜木町でしょうか。
“完全”ではないものの、シティテラス新小岩シティハウス綾瀬などでもかなりアウトフレームを頑張っており、住友不動産はその点に関しては評価できる物件が多い印象です。
ただ、その一方で浦和岸町は総戸数60戸ありつつも「全戸70.65㎡」ですし、多くの物件で画一的でつまらないプランを設計する傾向にあるのはどうかと思いますが…。
グレーシアさがみ野マークスの相鉄不動産はグレーシア横浜十日市場でもかなりアウトフレームが行き届いていましたね。

プラウド大宮桜木町は完全アウトフレームな上、LDに隣接する位置にランドリーブースを設けたプランもあり、興味深いものとなりました。

残りの2物件のうちローレルコート練馬豊玉は、中住戸を中心に良好なアウトフレームを実現し、かつ、角住戸には玄関に大きな土間スペースを備えた個性的なプランニングが印象に残りました。

そして、リビオ練馬豊島園はやはりほぼアウトフレームを実現しつつ、角住戸プランの一部に玄関手洗いを設けるといった【銀賞】のクレアホームズ府中西府スカイビューに近い間取り面への拘りを感じる物件でした。

なお、管理費ランキング同様に、"純粋な新築"とは言えないため選外にしていたのですが、パークシティララ横浜はやはり”古き良き時代”を感じる玄関周りのゆとりありまくりな設計が出色であり、ひと昔前の物件をあまり知らない方にとっては有益になるという意味も込めて【特別賞】として名前を挙げさせていただきました。

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