2021年モモレジ部門②【スケールに関係なく工夫と想いを感じる物件ばかり】

2021年モモレジ部門の続きになります。
2021年モモレジ部門①

【銀賞】(順不同)
ディアナコート池田山公園
フォレセーヌ渋谷富ヶ谷
リーフィアレジデンス狛江スタイルアベニュー
リビオ下北沢
プラウド世田谷代田

【銀賞】の続きで、まずはリーフィアレジデンス狛江スタイルアベニューです。
この物件の最大の特長は、総戸数61戸という一般的なスケールながら2層吹抜のエントランス、内廊下設計、共用ラウンジ、そしてガラスウォールやトップの庇による洗練の外観デザインといった共用面なのですが、個人的にはそれ以上に「間取り」に衝撃を受けましたね。

当物件は70㎡前後中心ながら多くを「2LDK」にしており、60㎡台どころか50㎡台の3LDKですら珍しくないこのご時世において非常に珍しい提案をしていました。そういった点もあってか販売はスムーズとは言えないようですが、これだけクセがあると変な愛着が湧きますし、結果はどうあれデベロッパーにはこういった攻めの姿勢を失って欲しくないですね。

リビオ下北沢は、「池ノ上駅徒歩3分×下北沢駅徒歩6分」の第一種低層住居専用地域というだけでも存在感があったのですが、その上でデザインも出色でしたので小規模ながらも深く記憶に残りました。
敷地東側に設けられたエントランスは傾斜地を活かした1.5階相当の高さがあり、スキップフロアのような階段のある空間デザインと天井まで伸びるL字の間接照明はかなりインパクトがありましたね。

最後のプラウド世田谷代田は、エリア内では大きな敷地面積2,800㎡超とは言え、第一種低層住居専用地域の3階建で総戸数49戸というスケールでしかありませんので、ランドプランや共用施設的な特色を設けるのは簡単ではありませんでした。
しかしながら、この物件はロの字配棟で詰め込み感も小さくない中、敷地中央に"コートという中庭的なテラス空間"を施し、憩いの場、住人同士の交流の場としての利用を促す施策を行っていました。

分譲時の記事で言及したように、コートはタウンハウスにあるような屋外共用空間で物件価格帯からするとカジュアルさを感じるところがありますし、住戸に囲まれたポジションゆえに住戸のバルコニー部にも不透明のガラススクリーンを設けるなどといった苦肉の策も必要でしたので、少々モヤっとするところもあるのですが、何か気になってしまう物件ではありましたね。ちなみに、1階住戸は天井高とサッシ高にも見どころがありました。

【銅賞】(順不同)
ローレルコート練馬豊玉
メイツ一橋学園スイート
バウス湘南台
プレミスト横濱反町
アトラス北品川
クリオ川口幸町
エステムプラザ横濱関内

【銅賞】は7物件もありますが、全ておいて共通点があり、それは"エントランス周りの景観"です。
いずれもエントランス周りの雰囲気が素敵で、グッとくるものがありました。

ローレルコート練馬豊玉は、「道路からしっかりとセットバックした奥行のあるエントランスアプローチ⇒風除室⇒テラスラウンジ⇒ガーデンテラス(敷地中央の屋外空間)」がガラスを介して連続しており、道路沿いからガーデンテラスまで見渡せる内・外つながるダイナミックな設計に心を打たれました。

メイツ一橋学園スイートは、「敷地面積6,100㎡超×容積率200%(低め)」のランドプランを活かした敷地南面のプロムナード空間が素敵でした。エントランスにも面したこの空間はアクロスプラザにつながる動線でもあり、当物件の大きな魅力になっていましたね。

バウス湘南台は、配棟の工夫により実現した斜めに入っていく奥行あるエントランスアプローチが心地よく緑も豊か、プレミスト横濱反町はフラワー緑道沿いのエントランス(人目に留まりやすい立地であることを考えるともっとエントランスをインパクトのあるものにして欲しかったという思いはある)、そして、アトラス北品川は敷地面積500㎡ちょっとながら道路沿いの空間のほとんどを緑と石積みが埋めていたのがとても印象的でした。
また、クリオ川口幸町も小ぶりながらエントランス前にプライムガーデンという広々とした遊歩道空間が設けられていましたね。

最後のエステムプラザ横濱関内は、ラブホテル及び異国情緒ありまくりな周辺環境が気になるものの、”そのような立地だからこそこの物件により雰囲気を変えてやる”というような意気込みをエントランス周り(共用部)から感じました。
広々としたエントランスに加え、ロビーラウンジとオーナーズラウンジまで備えており、それらは道路沿いの緑地空間(当物件の敷地内)に隣接しているので、周囲の景観に良い影響を与えてくれることでしょう。

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