2021年12月の首都圏マンション発売戸数
不動産経済研究所の発表によると12月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数6,649戸(前年同月比9.7%減)
1戸あたり価格5,384万円(前年同月比4.2%ダウン)
契約率73.5%(前年同月比10.9ポイントアップ)
とのことです。
前月の記事より~
「さて次月12月の新築供給ですが、不動産経済研究所では5,500戸ほどが見込まれています。
過去4年の12月は6,000~7,000戸台なので、その11月の大量供給、従来の住宅ローン控除改正後の反動(本来ならば年末に供給する予定だったものを駆け込み希望者に合わせる形で前倒しして供給した)などが考慮されているはずで、実際に個々の物件をウォッチしている私の感覚からしても例年よりも少なくなりそうな印象ではありますね。」
平年の12月よりはやや少なめではあったものの、6,000戸台半ばという12月らしいしっかりとした数字になりました。
ただ、平均価格が5,384万円まで落ちていることからもお分かりのように、そういった”住宅ローン控除改正後の反動”や”11月のハルミフラッグ祭りの影響”などが少なからず供給物件の偏りなどとして表れているように思いますね。
23区の供給戸数は前年同月比30%超のマイナスであったのに対し、埼玉県は前年同月比30%超の増加になっており、都下及び3県(神奈川・埼玉・千葉)に比べ平均価格が突出している23区のシェアが大きく低下したことによる平均価格の下落が生じています。
平均価格は、神奈川こそ5,000万円台になることが多いものの、埼玉や千葉は4,000万円台であり、もともとの年収(所得)との兼ね合いで住宅ローン減税額をフルに利用できない方には駆け込み需要が関係なかったということでしょうか。
前月(11月)も埼玉は供給戸数・契約率、千葉も契約率が目立っていましたので少なからず”駆け込み需要”を感じていたのですが、そういったものの影響をものともしない底堅い需要があるようですね。
ちなみに、平均価格が5,000万円台になったのは今年3度目ではありますが、5,384万円ともなると2018年9月の5,137万円以来の低い数字ということで都区部シェアが大きく影響しているとはいえここまで低下するというのはちょっと驚きましたね。
23区以外の4,000~5,000万円中心に対し、今や23区は平均8,000万円という水準ですので23区のシェア次第で平均価格が大きく上下動してしまうのは当然のことではあるのですが…。
※同日に発表された2021年の平均価格は6,260万円とのことでバブル期1990年の6,123万円をついに上回っているぐらいですので余計に12月の5,384万円は目立ちますよね。
また、価格と同時に注目していた契約率ですが、73.5%ということで底型さが窺えます。2021年1年間の月契約率(初月契約率)の平均は73.3%とのことなので平均的な水準をしっかりと維持した形になりますね。
ただ、やはり23区の12月の平均は66.7%と最も低くそのあたりは”反動”が出ていると感じるのですが、この程度ではまだ確かなことは言えないでしょうね。そもそも今後もハルミフラッグの供給(3月と5月予定)がまだまだありますので、ハルミフラッグを第一候補に置いている方の動きはどうしても鈍くなり、月単位でちょっと悪い数字が出たぐらいで住宅市場に変調が生じているとはいい難いのです。
なお、恒例の億ション比率は約5%ということでやはり最近では低めの数字になりました。上述のように23区のシェアが非常に低く(約23%)、億ションの供給も少なかったことによるものです。
お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの12月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
2,881件(前年同月比+13.7%)
64.17万円/㎡(前年同月比+11.6%)
4,116万円(前年同月比+10.1%)
専有面積64.15㎡(前年同月比-1.3%)
築年数22.81年(前年同月22.59年)
価格が直近で最も高騰していた9月に比べ10~11月は落ち着きが出てきていたので、しばらく9月を上回ることはないかと思っていたのですが、12月の㎡単価64.17万円/㎡は9月の62.13万円/㎡を遥かに超え、さらに、グロスでも優に4,000万円を超えるという急上昇になりました。
新築とは異なり中古は12月(年末)の慌ただしい時期の成約件数は平月よりも少なくはあるのですが、そうは言えども件数自体も前年同月比で13.7%増加しそれなりの数になっていますし、この価格帯でもニーズがしっかりとあることに驚かされますね。
以下は前月の記事からの抜粋なのですが、
「11月の新規登録件数は19年8月以来27ヶ月ぶりに前年同月を上回り、コロナの落ち着き(?)と共にようやく底を打った感が出てきましたし、売れたらラッキーぐらいのチャレンジ価格で売り出しているとかではなく、ある程度の短い期間で買い手を見つけたいと考えている方であれは類似物件の直近の売出価格に合わせるのではなく”気持ち現実的な水準”を心掛けた方が良いかもしれませんね。
この差は成約時に値引きなどを考慮しても異常な数字なので、遅かれ早かれ是正(縮小)されるはずですが、"成約単価が上がるのか、新規登録価格が下がるのか"は非常に興味深いところで、今後の中古市場を占う上で非常に重要な数字になってくると思います。」
結果として"成約単価が上昇"しましたね…。
12月はコロナの落ち着きもあり新規登録件数も前月に続き前年同月比で増加していますし(今月は8.1%とかなり大きく増加しました)、このまま順調に増加していけば価格の押し下げ要因になっているのだと思いますが、1月に入りオミクロンが猛威を振るいはじめましたので、また新規物件が減ってしまいそうなのも気になる要素です。
今月の新規登録単価は前月の68.1万円/㎡と大差ない68.45万円/㎡で、成約単価との乖離は4.28万円/㎡になりました。前月の7.18万円/㎡から大分縮まり違和感は小さくなったのですが、こういった数字になるということはますます新規単価が上昇する余地があるわけで…。
さて、年明け1月の新築供給ですが、不動産経済研究所では1,500戸ほどが見込まれています。
例年1月は1,000戸台と低調で、私が見た感じでも平年並の水準という印象になるでしょうか。
主な供給物件としては、ザ・ヨコハマフロントタワー(第1期120戸)、幕張ベイパークミッドスクエアタワー(第1期154戸)があり、特にヨコハマフロントタワーは高層階(33~41階)を全供給し、ほぼほぼ億ションという水準ですので、(一般公開前の販売でも)普通にカウントされてくるようであれば平均価格を押し上げること必至でしょうね。
発売戸数6,649戸(前年同月比9.7%減)
1戸あたり価格5,384万円(前年同月比4.2%ダウン)
契約率73.5%(前年同月比10.9ポイントアップ)
とのことです。
前月の記事より~
「さて次月12月の新築供給ですが、不動産経済研究所では5,500戸ほどが見込まれています。
過去4年の12月は6,000~7,000戸台なので、その11月の大量供給、従来の住宅ローン控除改正後の反動(本来ならば年末に供給する予定だったものを駆け込み希望者に合わせる形で前倒しして供給した)などが考慮されているはずで、実際に個々の物件をウォッチしている私の感覚からしても例年よりも少なくなりそうな印象ではありますね。」
平年の12月よりはやや少なめではあったものの、6,000戸台半ばという12月らしいしっかりとした数字になりました。
ただ、平均価格が5,384万円まで落ちていることからもお分かりのように、そういった”住宅ローン控除改正後の反動”や”11月のハルミフラッグ祭りの影響”などが少なからず供給物件の偏りなどとして表れているように思いますね。
23区の供給戸数は前年同月比30%超のマイナスであったのに対し、埼玉県は前年同月比30%超の増加になっており、都下及び3県(神奈川・埼玉・千葉)に比べ平均価格が突出している23区のシェアが大きく低下したことによる平均価格の下落が生じています。
平均価格は、神奈川こそ5,000万円台になることが多いものの、埼玉や千葉は4,000万円台であり、もともとの年収(所得)との兼ね合いで住宅ローン減税額をフルに利用できない方には駆け込み需要が関係なかったということでしょうか。
前月(11月)も埼玉は供給戸数・契約率、千葉も契約率が目立っていましたので少なからず”駆け込み需要”を感じていたのですが、そういったものの影響をものともしない底堅い需要があるようですね。
ちなみに、平均価格が5,000万円台になったのは今年3度目ではありますが、5,384万円ともなると2018年9月の5,137万円以来の低い数字ということで都区部シェアが大きく影響しているとはいえここまで低下するというのはちょっと驚きましたね。
23区以外の4,000~5,000万円中心に対し、今や23区は平均8,000万円という水準ですので23区のシェア次第で平均価格が大きく上下動してしまうのは当然のことではあるのですが…。
※同日に発表された2021年の平均価格は6,260万円とのことでバブル期1990年の6,123万円をついに上回っているぐらいですので余計に12月の5,384万円は目立ちますよね。
また、価格と同時に注目していた契約率ですが、73.5%ということで底型さが窺えます。2021年1年間の月契約率(初月契約率)の平均は73.3%とのことなので平均的な水準をしっかりと維持した形になりますね。
ただ、やはり23区の12月の平均は66.7%と最も低くそのあたりは”反動”が出ていると感じるのですが、この程度ではまだ確かなことは言えないでしょうね。そもそも今後もハルミフラッグの供給(3月と5月予定)がまだまだありますので、ハルミフラッグを第一候補に置いている方の動きはどうしても鈍くなり、月単位でちょっと悪い数字が出たぐらいで住宅市場に変調が生じているとはいい難いのです。
なお、恒例の億ション比率は約5%ということでやはり最近では低めの数字になりました。上述のように23区のシェアが非常に低く(約23%)、億ションの供給も少なかったことによるものです。
お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの12月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
2,881件(前年同月比+13.7%)
64.17万円/㎡(前年同月比+11.6%)
4,116万円(前年同月比+10.1%)
専有面積64.15㎡(前年同月比-1.3%)
築年数22.81年(前年同月22.59年)
価格が直近で最も高騰していた9月に比べ10~11月は落ち着きが出てきていたので、しばらく9月を上回ることはないかと思っていたのですが、12月の㎡単価64.17万円/㎡は9月の62.13万円/㎡を遥かに超え、さらに、グロスでも優に4,000万円を超えるという急上昇になりました。
新築とは異なり中古は12月(年末)の慌ただしい時期の成約件数は平月よりも少なくはあるのですが、そうは言えども件数自体も前年同月比で13.7%増加しそれなりの数になっていますし、この価格帯でもニーズがしっかりとあることに驚かされますね。
以下は前月の記事からの抜粋なのですが、
「11月の新規登録件数は19年8月以来27ヶ月ぶりに前年同月を上回り、コロナの落ち着き(?)と共にようやく底を打った感が出てきましたし、売れたらラッキーぐらいのチャレンジ価格で売り出しているとかではなく、ある程度の短い期間で買い手を見つけたいと考えている方であれは類似物件の直近の売出価格に合わせるのではなく”気持ち現実的な水準”を心掛けた方が良いかもしれませんね。
この差は成約時に値引きなどを考慮しても異常な数字なので、遅かれ早かれ是正(縮小)されるはずですが、"成約単価が上がるのか、新規登録価格が下がるのか"は非常に興味深いところで、今後の中古市場を占う上で非常に重要な数字になってくると思います。」
結果として"成約単価が上昇"しましたね…。
12月はコロナの落ち着きもあり新規登録件数も前月に続き前年同月比で増加していますし(今月は8.1%とかなり大きく増加しました)、このまま順調に増加していけば価格の押し下げ要因になっているのだと思いますが、1月に入りオミクロンが猛威を振るいはじめましたので、また新規物件が減ってしまいそうなのも気になる要素です。
今月の新規登録単価は前月の68.1万円/㎡と大差ない68.45万円/㎡で、成約単価との乖離は4.28万円/㎡になりました。前月の7.18万円/㎡から大分縮まり違和感は小さくなったのですが、こういった数字になるということはますます新規単価が上昇する余地があるわけで…。
さて、年明け1月の新築供給ですが、不動産経済研究所では1,500戸ほどが見込まれています。
例年1月は1,000戸台と低調で、私が見た感じでも平年並の水準という印象になるでしょうか。
主な供給物件としては、ザ・ヨコハマフロントタワー(第1期120戸)、幕張ベイパークミッドスクエアタワー(第1期154戸)があり、特にヨコハマフロントタワーは高層階(33~41階)を全供給し、ほぼほぼ億ションという水準ですので、(一般公開前の販売でも)普通にカウントされてくるようであれば平均価格を押し上げること必至でしょうね。