エステムプラザ湘南藤沢【ランドプラン・デザインが特徴的な全戸30㎡】30㎡2,900万円台(予定)(坪単価約318万円)

エステムプラザ湘南藤沢。

所在地:神奈川県藤沢市鵠沼橋1-1902-8(地番)
交通:藤沢駅徒歩4分(江ノ電は徒歩2分)
用途地域:商業地域
階建・総戸数:10階建、34戸

2019年に分譲されたクリオ藤沢セントラルマークスの隣の隣で、こちら向き(南東向き)住戸の条件が最も良いと感じたクリオの視界がこんなに早く塞がれることになるとは思わなかったですね…。

クリオが「15年ぶりの南口徒歩3分」であったことからもお分かりのように、この物件(同じぐらいの距離に見えますが、惜しくもこちらは徒歩4分)も貴重な駅近で、藤沢駅前の新陳代謝が進んでいる感がありますね。

ここは、敷地面積330㎡ほどのかなりの小規模物件にはなるのですが、駅前のデッキから徒歩2分ほどの交通便・買物便の高いポジションなりの全戸コンパクト設計で、藤沢駅南口では初の「全戸コンパクトマンション」になるとのことです。

ちなみに、ここでのコンパクトマンションというのは「30~50㎡台」を意味しており、もちろん20㎡台中心のワンルームマンションなどは存在しています。つまるところ、ここのターゲットはちょっとゆとりあるお部屋に住みたいお一人様ということになるわけですが、そうは言えどもここは「全戸30.18㎡」という極端なプランニングになっており、ワンルームに毛が生えた程度の大きさしかないのは気になりますね…。

設計はウィッシュワーク設計事務所、施工は中央建設、そしてデザイン監修はウイ・アンド・エフヴィジョンになります。

モリモトやタカラレーベン、そして最近では三菱地所のザ・パークハウスなどでの実績もあり、エステムコート横浜新吉田レジデンスでも腕を振るっていたウイ・アンド・エフヴィジョンによるデザインが最大のポイントと言っても過言ではないでしょう。

当物件は昨年中に分譲が始まっていたので実のところ私の中では昨年末のデザイン部門差別化部門での有力候補になっていました。他にも良い物件がたくさんあって最終的には名前を挙げることはなかったのですが、小規模物件とは思えないインパクトのあるものに仕上がっていますね。

最大の特長は、建物を南東側の道路沿いからしっかりとセットバックした位置に配棟することで実現したエントランス周りの空間設計に他なりません。

エントランス前にはリゾート風の大き目の水盤と植栽、そしてエントランスキャノピーは軒裏を木目調とするなどデザイン的な見どころもあり、ガラス貼のヒーリングラウンジ(エントランスホール横)から眺める景色も気持ちが良いですね。

そうは言っても敷地面積は330㎡ほどの物件ですので、道路沿いからも内部が見えてしまうぐらいの感じにはなるのですが、この規模でこのパフォーマンスは立派ですし、外観デザインに関しても木調ルーバーを多用したことで単調となることを回避するという繊細さが窺えます。

公式ホームページ
SnapCrab_NoName_2022-1-19_14-2-7_No-00.png
お部屋は30㎡の1LDK、南東向き中住戸です。全戸南東向きで南東側の細い道路の向かいには5~6階建のビルなどが立ち並んでいますが、目の前はコインパーキングになっている上、上述のように道路との間には当物件の水盤などがありますので現状は低層階でも圧迫感はありません。

そのように全戸30.18㎡(最上階には同面積のルーバルプランもあるが、それ以外は角住戸でも妻面の開口部は小さ目で大きな差のないものばかり)となっているうちの1つで、居室配置はごくごく一般的なものになります。

ただ、上述のように30㎡は1LDKとしてはかなり小さな方ですし、柱のアウトフレームもきれいとは言えないことから使い勝手は微妙な印象ではありますね。
デベロッパーもそれを承知しているのか3畳のベッドルームにはウォールドアを採用し、開け放つことで大き目の1Kタイプとしての利用も想定しているようです。

小さ目のLDKでもオープンキッチンとしているあたりはホームページのコンセプト通り女性を意識してのものでしょうし、キッチンに立った時のことを考えれば間違いなく魅力的ではあるのですが、この大きさのLDKでオープンキッチンとしてしまうとキッチン横のデッドスペースが大きくなり純粋なLD部分がかなり小さくなってしまっているのは気になる点の1つですね。

投資ニーズも見込んでいるところもあるのでしょうが、少なからず実需(お一人様)をターゲットにするのであれば専有面積がもう3~4㎡ぐらい大きいと良かった印象でしょうね。

昨今は3畳のベッドルームにも見慣れてきましたが、やっぱりもう少しねぇ…。

坪単価は予定価格で約318万円。このぐらいの単価に出来るのであればそのようにもう少し面積を大きくすべきだったようにも思うのですが、上層階(ルーバルプランではない一般的なもの)は3,800万円台で坪単価400万円をも超えてしまっていることを考えるとやはりデベロッパーとしては面積をギリギリまで絞る必要があったのでしょうね。

面積帯が大きくなってもコストのかかる水回りは変わらないので、多少なりとも単価を抑えることは可能なはずですが、仮に35㎡で坪単価400万円と仮定した場合4,200万円超にもなってしまいますのでこのエリアのお一人様ニーズ(特に女性)を生み出すのは容易ではないはずです。

以下のようにランニングコスト(単価)がかなり嵩んだ物件でもありますので、面積が大きくなるとなおさら厳しいのは明らかですしね。

なお、上述のように藤沢駅界隈ではコンパクト(30~50㎡台)の供給が少ないのですが、同駅近のクリオ藤沢セントラルマークスは平均専有面積46㎡ほどとなるコンパクトプランの多い物件で、その平均坪単価は約315万円でした。30㎡台はグロスが嵩まない分単価がやや高めの設定になっており低層階で300万円ほどでしたのでその後の相場上昇を考えれば大きな違和感を覚えることはありませんが、特に400万円超の上層階は"魅力的な眺望"という感じではありませんので低層階との差はもっと小さくあって欲しかった印象ですね。

設備仕様面は、小規模ですのでディスポーザーはありませんが、フィオレストーンのキッチン天板(袖壁まで)、トイレ手洗いキャビネット、さらに廊下・洗面所・トイレ床のタイル貼などこの単価帯のコンパクト物件では珍しいほど高級感のあるものです。

また、このシリーズらしく水回りの設備も素晴らしいものがありますね。
浴室テレビ、エステムウォーター、マイクロバブル浴槽、ミラブルシャワーなどが備わっており、こういったところに価値を感じることが出来る方にとっては検討しやすい物件になるでしょう。

管理費は499円/㎡。ディスポーザーなしの外廊下ですが、水盤(水物)があることが影響したのか小ぶりなスケールを加味しても少々高いですね…。

なお、駐車場はありません。

0 Comments



Post a comment