プラウドタワー目黒マーク【この価格でもグッとくるのは竹中設計・施工ゆえか】5階62㎡10,078万円(坪単価539万円)

続けて、プラウドタワー目黒マーク。

設計・施工は竹中工務店で、免震構造が採用されています。

それ以外にも前回の記事で言及したような豊かな階高、斜めスラブ、フルバルコニー(ラウンドバルコニー)による完全アウトフレームプラン、さらに梁の削減(井桁状に配置)やスケルトン・インフィルによる凹凸の少ない空間設計など、見た目も使い勝手も考慮した設計が採用されており、こういった竹中工務店による設計・デザイン面での多様なパフォーマンスが当物件の最大の長所であるのは言うまでもないでしょう。
※当物件はスケルトン・インフィル採用、さらに長期優良住宅、低炭素建築物の基準も満たしています。

ただ、ちょっといじわるな言い方になってしまうのですが、やはり前回の記事で述べたような”タワマンにしては駅距離があり、かつ、線路沿い”という立地条件がここまで野村不動産(及びJR)を頑張らせた(竹中工務店を起用し、特色豊かな物件に仕上げた)とも感じていて、シンプルに駅距離や立地条件からすると随分と立派なお値段設定だと感じてしまうのも確かなところではあります。

マンションの間取りやデザインを愛してやまない私のようなものにとっては確かにグッとくるところの多い物件ではあるのですが、多くの検討者はそうではないですし、前回の記事で書いたように天井高・サッシ高は高くとも立地的に二重サッシを採用し、かつ、角住戸でもダイレクトサッシを採用していないため、"タワマンらしい開放感"がそこまで高い方でないあたりも気になる材料になりますね。タワマンとしては並の32階建に過ぎませんし、眺望的にもオーシャンビューやグリーンビュー(代々木公園や新宿御苑みたいなこと)などといったようなとりわけ魅力的な眺望が広がるわけでもないのです。

なお、デザイン面では、そのラウンドバルコニー周りの曲面美だけでなく、エントランス周りも秀逸ですね。
敷地形状や線路沿いであることも考慮され、エントランスは西側道路からかなり奥まった位置にあり、緑豊かなアプローチの先にあるエントランス前には優雅な車寄せが設けられています。
また、エントランスホールは2層吹抜でこそありませんが、1階部分の階高は高いですし、ガラス面豊か、かつ、木目調の天井が緩やかにカーブするデザインも素敵ですね。

共用施設は、2階にラウンジ、スタディラウンジ、フィットネス、20階にスカイラウンジとゲストルームがあります。
特に、エントランスラウンジは全体がカーペット敷となった柔らかで高級感のある空間デザインで、スペース的にもかなりゆったりとしていて魅力的ですね。

なお、一般的に1階にあることの多いラウンジが2階にあるのは1階には店舗(ショップ・売店)の他に「スタジオ」や「ホール(シェア空間)」などといった一般の方も利用できる施設が入ることが影響しています。こういった施設を分譲棟ではなく賃貸棟やオフィス側に入れると利便性そのままに分譲棟はよりプライベート性などを高めることが出来たと思ってしまうのですが、一番大きいのがこの分譲棟ですし、前回の記事で書いたように3棟の事業主はそれぞれ違いますので複雑な事情もありそうですね…。

また、ランドプラン的には分譲棟の82%という空地率の高さが素晴らしいですね。やはり再開発エリアの中央に施されるメグロマークガーデン(多くのテーブルやベンチが置かれた空間。一般利用可)がわりと大きな面積を占めてはいるのですが、全体で約2haある開発だけのことはある豊かな空間だと思います。
敷地の南側はリニアグリーンという緑を敷き詰めた空間になっており、そこは人が入れるような空間にはなっていないので少々勿体なく感じる一方、小さいながらも分譲棟と賃貸棟の間には公園も予定されています。

前回のプラウドタワー目黒マーク

公式ホームページ
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お部屋は62㎡の2LDK、東向き中住戸です。東側は高さ約70mのオフィス棟がありますので、視界抜けは妨げられます。ただ、その手前には開発エリア中央のメグロマークガーデンが広がっているので、けして悪いポジションではないでしょう。

間取りはこちらもきれいな完全アウトフレームプランで、中住戸としてはスパンも十分に確保出来ているため全室がバルコニーに面しているのも魅力的ですね。

1つ1つの開口部はけして大きくはなく、やはり二重サッシによる二重の窓枠も開放感を妨げはしますが、共用廊下側の柱の食い込みも一切ない本当にきれいなプランで、廊下の配置などを見ても中住戸としては理想的な美しいものです。

坪単価は539万円。オフィス棟を越える上層階は一般フロア(スーペリア)でも坪単価700万円近い設定で、視界差の影響が大きいとはいえ結構しっかりとした単価差が設けられた物件内の下限水準になります。

設計・デザイン面でのハイパフォーマンス、スケールある再開発らしい豊かなランドプランと共用空間、さらに以下で言及する充実の設備仕様を考えれば坪単価500万円台前半は魅力を感じやすい水準だと思いますね。

ただ、2LDKとしては大きな62㎡でこの単価でもグロスで億に達してしまっているのは気になるところで、柱をきれいにアウトフレーム化した効率性の高いプランであれば50㎡台中盤の平均的な2LDKにしておいた方が資産価値も保ちやすかったようには思いますね。野村不動産はこの物件に限らず60㎡台に乗せた2LDKを多く供給する傾向にあるので予想されていたことではあるのですが…。

設備仕様面は、スーペリアでもディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンター、シーザーストーンの水回り天板に加え、LDビルトインエアコン、主寝室床暖房、タイル仕様の浴室(日ポリのもの)、さらに、玄関電気錠、全熱交換型24時間換気まで備わっており、単価帯を考慮した魅力的なものと言えるでしょう。

管理費は474円/㎡。ディスポーザー、内廊下はもちろん、各階ごみ置場、コンシェルジュサービス、さらに24時間有人管理ですので高くなるのはやむなしでしょうか。

駐車場は荷捌き用除く全120台で来客用・身障者用含む8台が平置、残りの112台がタワーパーキングになります。

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