ピアース新宿三丁目【ダイレクトサッシと非効率性】2階54㎡8,290万円(坪単価511万円)

ピアース新宿三丁目。

所在地:東京都新宿区新宿5-31-24他(地番)
交通:新宿三丁目駅徒歩6分、新宿御苑前駅徒歩7分、新宿駅徒歩14分
用途地域:商業地域
階建・総戸数:15階建、61戸(募集対象外住戸11戸含む)

昨年のルジェンテ新宿御苑前同様に東京医大通り沿いに誕生する物件でこちらの方がさらに新宿駅寄りになります。
伊勢丹まで徒歩9分という距離感になることからお分かりのようにかなり新宿駅前を身近に感じることが出来るポジションであると共に、そのルジェンテの記事でも言及したように東京医大通りの向かい側が第一種住居地域、さらにその先には第一種中高層住居専用地域が広がっているのも魅力になります。

こちら商業地域側にはこういった高さの建物が少なくありませんが、医大通りの向かいの住居系地域は「最高高さ20mの第二種高度地区」になっており、高さを抑えた住宅が中心の環境、また、住戸によっては視界面での魅力もあるポジションですね。

ルジェンテほど近くはないものの、富久クロスのヨークフーズが徒歩3分にあるのもとても便利でしょう。

公式ホームページ
SnapCrab_NoName_2022-2-4_14-47-33_No-00.png
お部屋は54㎡の2LDK、北東角住戸です。北側はその東京医大通りで向かいは6階建のマンションになりますので、視界抜けはありません。しかしながら、通りを挟み、かつ、当物件の建物は医大通りからかなりセットバックした位置(アプローチに奥行を設けている)に配置されているため、低層階でも前建までの離隔はしっかりとあります。

間取りは中層階以上で抜けが出てくる北側の開口部を重視した設計で、床上近いところから天井付近までのしっかりとしたダイレクトサッシが最大のポイントになりますね。

上層階には60㎡の2LDK(東向き中住戸)もありますので、物件内で最も大きなプランではないものの、良好な北面を独り占めした当物件の目玉的なプランになりますね。

ただ、そのようにダイレクトサッシを大々的に用いたこともあってか気になる点は少なくありません。

最も気になるのはLDよりも3.5畳の小さなベッドルームの方がダイレクトサッシのインパクトがある点でしょうか。
ダイレクトサッシを強調した物件の例に漏れず東面の柱の食い込みが顕著ですし(さらに言えばキッチンの背後にも柱が丸ごと食い込んでいます)、居室配置はその辺との兼ね合いもあるのでしょうが、日照を考えても北東コーナー部分にLDKを持ってきた方が無難だった印象があります。北西コーナー部分にベッドルームを配置すれば廊下側からの動線も確保出来たでしょう。

また、廊下の長さもかなり気になりますね。
玄関下足スペースを深め(大き目)に確保しているあたりには好感が持てますが、54㎡ほどの2LDKにしては廊下周りの面積消費が大きく(マスターベッドルームの入口付近も実質的には廊下)、柱の食い込みも含め"効率性"という点でかなり難のあるプランになります。
ちなみに、廊下はタイル貼なのですが、ピアース碑文谷五丁目ピアース白金台三丁目で採用されていた600角ではなく、400角になります。廊下がタイル貼というだけでも良い材料ではあるものの、600角と比べるとグレード感が劣りますね。

また、キッチンや玄関にも採光・通風が確保できる窓が施されているのはとても魅力的な反面、バルコニーが非常に小さいあたりも気になります。

坪単価は511万円。そのように物件内でちょっとした目玉的なプランになりますし、低層階でも前建との離隔が図れていることが考慮され、他の低層階住戸よりもやや強めの設定です(この後取り上げる面積の小さい20㎡台などと比べると流石に安くはあります)。

都心部の2LDK、まして新宿駅徒歩14分での8,000万円台は、さらにマンション価格が高騰した直近の相場からすればむしろ見やすい方ですし、タワマンの角住戸ほどとは言えずとも”かなり派手なプラン”ですのでそういった点での魅力は少なくないでしょう。

ただ、特に上述のようなかなり非効率な設計であることを考えると実質坪単価はもっと上に考えるべきとも言えますし、純粋に2LDKとしての使い勝手が微妙なあたりは気になる点でしょうね。

0 Comments



Post a comment