ベルフール志木本町【プラン、デザイン、そして立地までもが特徴的】2階94㎡5,698万円(坪単価200万円)

ベルフール志木本町。

所在地:埼玉県志木市本町6-2311他(地番)
交通:志木駅徒歩10分
用途地域:第一種中高層住居専用地域
階建・総戸数:地上3階地下1階建、40戸

これまで4,000物件近くを取り上げてきましたが、志木駅を最寄りとする物件を取り上げるのは初めてのことになります。

あまり地縁のないエリアであることに加え、物件とのめぐり合わせもありつつこれまで取り上げる機会がなかったのですが、そんな中でも当物件は積極的に取り上げるに至るだけの特色を有していますね。

「志木駅徒歩10分の総戸数40戸」というだけではどこにでもある一般的なマンションという印象になるかもしれませんが、プラン面がとても異質なのです。

「ベルフール」を取り上げるのも今回が初めてになるのですが、デベロッパーのエムズイーストは杉本興業と共に「ソルフィエスタ」シリーズを数多く手掛けており、デザインや間取りなどで個性を追求することの多いソルフィエスタ同様かそれ以上にこちらも興味深い物件に仕上がっていますね。

当ブログでは再三「ソルフィエスタ」シリーズを取り上げているので、読者の方ならばその豊かな個性をご存じいただいているのではないかと思いますし、エリア的には直近のベルフール朝霞グレージュもデザインや共用面等を中心にかなり個性を感じる物件でしたが、ここはそれら以上のインパクトがあると言っても過言ではないでしょう。

詳細はおいおい語っていきますが、専有面積が82~95㎡で構成されているというだけでもビックリな物件で、その上で全戸に「サンスイートルーム」を備えたことで「プラン」だけでなく「外観」もなかなかお目にかかることが出来ないものになっているのです。

また、プランやデザインが注目されがちな物件ではありますが、実は立地もかなり珍しいですね。
立地としては、志木大通りから少し内に入った駅からほどよく離れたなりの落ち着きある「第一種中高層住居専用地域×本町6丁目地区計画区域内(最高高さ10m)」の低層住宅街に位置しており、3階建で総戸数40戸(82~95㎡)を実現していることからもお分かりのように敷地面積は2,000㎡超というそこそこのスケール感も有しています。

志木駅の分譲マンションは、現在分譲中のブリリア志木ガーデン(新座市)やブリリア志木プレイス(朝霞市)もそうであるように駅徒歩5分圏内の物件の比率が高いのですが、志木駅前は新座市側も含め商業地域が多くなっているので、こういった落ち着きある「ザ・住宅街」に誕生する物件は限られています。

中でもこの物件のポジションは地区計画が定められている本町6丁目にあり(志木市内では上宗岡3丁目とここだけ)、この第一種中高層住居専用地域は、住環境を保つために一般的な「第一種低層住居専用地域」並の厳しい制限が設けられています。

マンションだとこの高さ(3階建)しか建てられず、スケール感を生み出しづらいこともあってか(スケールメリットが得にくいため事業採算性が低い、かつ、周りもほぼ同じ高さなので視界抜けなども生み出しにくい)、分譲マンションが限られているので余計に貴重な印象でもありますね。
※本町6丁目の分譲マンションはパークハウス志木本町以来となる2物件目になるでしょうか。パークハウス志木本町は2008年分譲で本町6丁目に地区計画が定められたのが2011年なのでこちらよりも背の高い5階建が実現できています。周りが2~3階建ばかりなのでパークハウスの4~5階はかなり魅力的なものになります。

なお、買物関係で言うと、そういった住宅街エリアながらも志木大通りがほど近いことが功を奏し、駅前まで行かずとも徒歩4分のところにヴェルモ志木(ヤオコー・ダイソー・サンドラッグなど)があるのが大きいですね。

また、通学校は志木小学校で徒歩4分とこちらも良好です。

公式ホームページ
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お部屋は94㎡の3LDK+DEN、北角住戸です。両面共に戸建などの低層建物で構成されていますし、北西側は接道してもいるので視界抜けは得られずとも圧迫感などはありません(ちなみに、北西側は同地区計画内ではありますが、第2種住居地域であり最高高さは18mになっています)。

正方形に近い敷地形状とはいえ、こういった駅距離のある住宅街のファミリータイプですので、北角住戸という設定は率直に驚いたのですが、共用廊下側(南東側。当物件の駐車場を挟み南東向きの棟がある)にも大きな開口部を設けており、苦肉の策的なところではあるもののプランはとても個性的ですね。

北東側は戸建とお見合いになりますので、このようにLD(~玄関周り)に大きな開口部を設けるのであればLDの主要部を北コーナー部ではなく東コーナー部にしても良かったような印象もなくはないのですが(例:イニシア池上)、この玄関位置だとLDのプライバシー性がかなり低下しますし、難しいのは確かですね。

ベッドルーム3側に玄関を施し、プライバシー性を高めつつもLDを東コーナー部を中心に配置するのも面白かった気はしますが、そうするとベッドルーム3を移動させる必要があり、ベッドルーム1~3への動線も難しくなります…。

ただ、いずれにしろそのような中でこちらのプランに至ったのはやはり北西側に施されたサンスイートルームという「コンサバトリー」であり、ダイレクトサッシが施された"屋内空間"になります。

LDとの境にも普通にサッシが施されており、LDと一体利用するような空間になっていないのが少々勿体なく感じますし、そもそも西日というか北西向きのサンスイートルーム(もはや「サンセットルーム」でしょう…)という時点で強引な印象にはなってしまうものの、アイランドキッチンや玄関ホールの目の前にあるDENなどとにかく風変わりなプランですね。

ベッドルームは全室リビングインで、いわゆる廊下はほとんどありませんが、キッチン周りや玄関周りには事実上の廊下的な部分が大きくはあるので専有面積に含まれたサンスイートルームも含め果たして”94㎡の使い勝手”が本当にあるのか???というのは心配事の1つでしょう。

ただ、空間的(視界的)な広がりがあるのは確かですし、柱の食い込みの少なさ、そして玄関前の扉付のプライベートポーチ空間も魅力の1つではあるでしょう。

坪単価は200万円。サンスイートルームは洗濯物を干すのに使う方もいらっしゃるでしょうし、バルコニーを削ることでこのような94㎡という面積を実現しているところもありますので、この単価そのままで判断することは適切ではないでしょう。
しかしながら、5畳(約8㎡)のサンスイートルームを除き約86㎡で単価計算しても219万円になりますし、このご時世としては目に優しい水準ですね。

駅距離に加えブランドの差もあれど分譲中のブリリア志木ガーデン(新座市)とブリリア志木プレイス(朝霞市)は平均坪単価約285万円、その前の2020年分譲のプラウド志木本町も約270万円という水準でした。

このお部屋は94㎡もあり、グロスで見た場合、そういった単価帯の70㎡ほどの3LDKと大差ない水準にはなってしまうことからお分かりのようにグロスの嵩みが単価設定に大きな影響を与えているのは間違いありませんが、駅距離があるとはいえ住環境良好な地区計画内の物件ですし、環境重視の方にとっては魅力を感じやすいお値段設定でしょう。
まぁ、環境重視の立地ながらこちらのプランは日照に難があるあたりにチグハグさを感じてはしまいますが…。

ちなみに、こちらのタイプは物件内で最大の94㎡という面積を有することもあり、”プレミアム住戸”という位置づけでもあります。
エリア的にとっても貴重なLDビルトインエアコンを採用してのこの単価というあたりも驚きですね。

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