ザ・パークハウス十条【間取りはアレでも貴重な立地×絶好の南面】8階67㎡7,778万円(坪単価382万円)

ザ・パークハウス十条。

所在地:東京都北区上十条1-8-34(地番)
交通:十条駅徒歩4分、東十条駅徒歩8分
用途地域:近隣商業地域、第一種中高層住居専用地域
階建・総戸数:11階建、64戸(募集対象外住戸23戸含む。他店舗2戸)

一昨日のレジデンシャル池袋本町と同じ防災街区整備事業(上十条一丁目4番地区防災街区整備事業)で、こちらはそういったケースをお手の物としている首都圏不燃建築公社が中心となり進めてきたプロジェクトになります。

物件名(ブランド)は三菱地所の「ザ・パークハウス」ではあるものの、売主筆頭が首都圏不燃建築公社であり、規模的にも同三菱が途中から加わったザ・パークハウス品川荏原町に近い印象ですね。

首都圏不燃建築公社によるアトラスタワー曳舟ステーションツインタワーズ糀谷などのようなスケール感はなく、十条駅前では待ち望んでいた方も多いであろうザ・タワー十条が年初に正式リリースされたというタイミングではあるので、余計に小ぶりな印象を受けてしまうかもしれません。

ただ、オープンレジデンシア東十条エクセレントシティ十条の際にも申し上げているように十条・東十条間の物件は非常に限られており、それは当物件の本郷赤羽線沿いであっても同様です(本郷赤羽線にも環七にも面していない内側立地だったエクセレントシティの立地は本当にレアでしたけども…)。

敷地は、都市計画道路による拡幅が進む本郷赤羽線沿いは、近隣商業地域(第3種高度地区※北側が拡幅も行われる本郷赤羽線で、道路の向こうの隣地境界までの距離が十分にある)なので、このぐらいの高さが可能になりますが、内側(南側)の第一種中高層住居専用地域(容積率150%×第2種高度地区)には高い建物は難しいため、半永久的に南面が保たれるポジションでもありますね。

一方、買物便で言うと、本郷赤羽線の南側なので十条駅や東十条駅前の商店街は近いとまでは言えません。
最も近い十条銀座商店街でも徒歩6分ですし、スーパーで言うとスーパーみらべるが徒歩8分、まいばすが徒歩9分、サミットが徒歩13分という感じなので2駅の距離感が良好なわりにはイマイチな印象になるでしょう。

とはいえ、ザ・タワー十条の再開発により誕生するタワー基壇部のジェイトモール(商業施設)にはスーパーが入りそうなので、そこも改善される可能性が高いのではないでしょうか。

なお、通学校は十条台小学校で徒歩7分の距離感になります。

公式ホームページ
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お部屋は67㎡の3LDK、南東角住戸です。敷地形状的なものもあり東向きが主となる中で、南に面した貴重な角住戸になります。東方向は同様に近隣商業地域になるので将来的な安心感はないものの、南方向は上述のように半永久的に視界が保たれる可能性が高いでしょう。

間取りは全戸東向きで1フロア1戸となる角住戸だけが南に面していたザ・パークハウス所沢プレイスの南東角住戸に近いものを感じますね。LDの開口部はもうひと頑張り欲しかった印象ですが、南側のバルコニーがかなりしっかりとしており、魅力的な眺望を考慮した設計と言えるでしょう。南東方向にはスカイツリーも見えるでしょうね。

一方、残念に感じるのは柱の食い込みと長めの廊下です。
眺望等を考慮し、”ダイレクトな開口部”を設けたというところもあるのかもしれませんが、LDの東側開口部はいわゆる腰高窓ですし開口部はけして大きなものではありません。敷地形状などとの兼ね合いもあるとはいえ、四角の柱が全て食い込んだプランでそれが67㎡でのものというのですから世知辛く思わずにはいられません。

その上で廊下が結構長くなってしまっているプランですし、このような面積帯の3LDKとしてはかなり非効率性なのが気になりますね。

坪単価は382万円。貴重な南に面した上層階ということで物件内で上限に近い水準になっており(むろん20㎡台はもっと単価が高くなります)、低層階(視界抜けはなくとも日照は得られる)の坪単価340万円ほどに比べるとしっかりとした単価にはなっています。

ただ、平均坪単価自体350~360万円ほどに収まるようで、エクセレントシティ十条(2021年分譲/平均坪単価約360万円)、オープンレジデンシア東十条(2020年分譲/平均坪単価約330万円※線路沿い)あたりと比べても遜色ないというか、直近の相場上昇を鑑みると目に優しい水準と言えるでしょうね。

上述のようにこの面積帯にしては間取りがかなり非効率的なので単価は多少割増しして考えるべきではあるのでしょうが、一般財団法人である首都圏不燃建築公社が進めてきたプロジェクトですので、欲張った値付けにはしていないということでしょう(極端な話、通常のデベロッパーが行うプロジェクトであれば"販売のタイミングで相場が高騰すればある程度それに見合った値付けにする"のが営利企業として当然のことなのですが(多くのケースがそうなだけで例外もあります)、こういった公益性が高い法人のケースでは既にほぼ確定している費用をベースとしたコストアプローチが主となるため売値が大きく動くことがなく、今のような”価格上昇期”には余計に魅力を感じやすいところがあると思いますね。

まぁ、間取りはアレですし、ディスポーザーの導入に前向きな三菱物件であるにもかかわらずディスポーザーがないなど、そもそものコストを削減している感があるのはちょっと残念ですけども…。同首都圏不燃建築公社によるザ・パークハウス品川荏原町は小ぶりながら免震構造やディスポーザーを採用するなどといった特長もあったぐらいですし…。

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