クレヴィア大泉学園【スケールを上手に生かした共用部・専有部】2階55㎡5,340万円(坪単価319万円)

続けて、クレヴィア大泉学園。

設計は三輪設計、施工は谷津建設です。谷津建設はあまりお目にかからないゼネコンなのですが、同クレヴィアシリーズのクレヴィア碑文谷一丁目クレヴィア中野南台などの実績がありますね。

前回の記事で書いたように、当物件の特長の1つに”大泉学園駅徒歩10分圏内のノンタワマン”では最大級のスケールというのがあります。
総戸数68戸、敷地面積2,300㎡超は一般的にはけして大きなものではないのですが、そういったエリアであることや"コロナ禍時代のプロジェクト"ということもあり、共用面に特色を感じることが出来ますね。

いわゆる共用施設としては個室ブースも3つ備えたコミュニティラウンジがあるぐらいですが、総戸数68戸の物件としてはしっかりとした大きさがありますし、共用空間という点ではエントランス~中庭にかけての造りが秀逸でしょう。

西側のエントランスアプローチから、風除室~エントランスホール~中庭に至るまでの空間が一直線に配置され、それらがガラス面を介して視界が抜けるようになっているため、スケール以上の広がりが得られ見栄えのする空間になっています。

特にエントランスホールは奥行があり、そこまでスケールのある物件ではないながらも視線の抜けを考慮した設計・デザインというのはローレルコート練馬豊玉(昨年のモモレジ部門銅賞物件でもあります)に近いものがありますね。

また、近年のクレヴィアシリーズの例に漏れずデザインにも拘った物件です。
デザイン的に同低層のクレヴィア小杉御殿町ほどの個性を感じるところはないものの、近年、高額物件などで見かけることが多くなったバルコニー軒裏の木目調仕上げ(全体ではなく要所)に加え、西面戸境の木調ルーバーによるマリオンもアクセントとなった物件で、繊細、かつ、端正な仕上がりと感じます。

リモートワークを意識した共用施設や高いデザイン性は近年のクレヴィアシリーズの特色ではありますが、それに加え同時期にプラウド大泉学園サウスフロントという強力なライバルがいたことも当物件の特色あるパフォーマンスにつながっているのではないでしょうか。

前回のクレヴィア大泉学園

公式ホームページ
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お部屋は55㎡の2LDK、西向き中住戸です。北西方向は駐車場(青空)にはなるものの、西側正面方向は道路の向かいに4階建のマンションがあり、視界は妨げられます。

ただ、こういった高さを出すのが難しい第一種中高層住居専用地域(第2種高度地区×最高高さ20m)では視界抜けが得られることは稀ですのでけして悪いポジションではないでしょう。前建があることで高架(線路)の影響も抑えられるという側面もあります。

間取りは50㎡台中盤の一般的な大きさの2LDKで、先ほど取り上げたお部屋同様に柱のアウトフレームは良好なのですが、ナロー気味のスパンはちょっと残念ですね。
スパンが十分でないことも影響してか外廊下物件ながら洋室1室が行灯部屋、また、連窓サッシの幅が今一つなあたりが気になります。

なお、この面積帯の2LDKでLDが11.4畳というのは非常に珍しいことで(通常は10畳にギリギリ乗るぐらい)、居室畳数を重視した結果、収納は少な目です。先ほどのプランもそうだったように当物件は収納をあまり重視しないコンセプトのようですね。
最近は配送型トランクルームサービスが普及していますし、何を重視するか次第で評価の分かれる点でしょう。

坪単価は319万円。グロスが嵩まない50㎡台なりに3LDK(70㎡前後)に比べるとやや単価が高くはなっているようですが、大きな差はありません。

このプランのある西向きや東向きには50㎡台の2LDKが多くなっており、南向き住戸率が低い物件なりのプランニングという印象になるでしょうね。

設備仕様面は、エリア内では貴重なスケール感を生かしディスポーザーが付いています。目先の比較対象であるプラウド大泉学園サウスフロントにはないという点でも大きな意味があるでしょう。食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗い器、フィオレストーンの水回り天板に加え、廊下をタイル貼とするなど、近年のこの単価帯の物件としては充実しています。

管理費は248円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での水準ですのでリーズナブルでしょう。共用部・専有部共に"ほどほどのスケール"を上手に生かした物件と言えると思います。
※むろん修繕積立金シミュレーションを考慮し、将来的な管理計画に問題ないことが大前提での話になります。

駐車場は全13台で平置は身障者用のみ、残りの12台が機械式になります。

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