2022年3月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると2022年3月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,492戸(前年同月比19.7%減)
1戸あたり価格6,518万円(前年同月比3.0%アップ)
契約率75.2%(前年同月比1.6ポイントアップ)
とのことです。

前月時点での不動産経済研究所の予測は3,500戸だったのですが、まん防が3月20日まで延長されていたこともあるのか2月に続き戸数自体は低調な結果になりました。

一方で、契約率は前月(2月)の73%よりもさらに高い75%超まで上がっており、依然として需要の強さを感じます。
在庫も前月末比(2月末比)で265戸減っており、前年3月末と比べるとおよそ1,500戸も少ない5,881戸ということで、昨秋ぶりの5,000戸台という低水準になっていますね。
3月末の数字で言うと、2019~2021年は7,000~8,000戸台、さらに前の2016~2018年でも6,000戸台といった感じで5,000戸台は2015年3月以来のことになります。

3月の主な供給としては、パークコート神宮北参道ザ・タワー(2期1次96戸)、MJR深川住吉(1期1次90戸)、ザ・パークハウス川越タワー(1期1次86戸)、プラウド武蔵新城ステーションマークス(1期72戸)、ザ・パークハウス横浜川和町ガーデン(1期94戸)あたりが挙げられるでしょうか。
※千葉県の数字を見るとエクセレントザ・タワー(1期1次100戸)はカウントされていないようです。なぜ???

パークコート神宮北参道ザ・タワーは40㎡台が多かったので平均価格への影響は限定的で、とりわけ目立つ高価格帯の大量供給があったわけでもない中で6,500万円超というあたりからすると全体的な価格の底上げを感じたりもしますね。

ちなみに、契約率と言う点でもそこまで目立つ大量供給がなかった中での「75%超」という結果で、ハルミフラッグ631戸が供給された昨年11月の79.9%を除くと2021年2月以来の水準でもあります。

なお、今月の億ション比率は約7.7%ということで、先月の15.1%という異常とも言える数字からは大きく下落し、平常運転になりました。とはいえ、若干高めではあり前月の同記事で言及した"億ションへの抵抗感のなさ(底堅い需要)"が平均価格に影響を与えているところは少なくないように思います。

お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの3月の月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
3,405件(前年同月比-19.5%)
65.40万円/㎡(前年同月比+10.8%)
4,158万円(前年同月比+8.4%)
専有面積63.58㎡(前年同月比-2.2%)
築年数23.24年(前年同月22.13年)

価格上昇の勢いが止まりません…。
12・1月の64万円/㎡台から2月は62万円/㎡台まで調整し、コロナ禍で減少の一途だった在庫件数にようやくの増加傾向が出てきていたので、さすがに直近高値(64万円台)の更新は難しい…ぐらいの感覚だったのですがあっさりと超えてしまいました…。

前月の記事で言及したように、3月というのは新年度に向けて不動産市場(中古市場)が1年で最も活発化する時期ではあるのでそういった後押しがあっての結果なのは間違いないのですが、昨秋あたりからの上昇ペースが速すぎて本当に驚かされます。

まぁ、成約件数が前年同月比で2割近く減っていることを考えると、価格高騰を敬遠している方も多分にいらっしゃるはずで、全体的に物件価格(売出価格)が上がる中で比較的現実的な設定のものが売れているという構図(3月というタイミングも考慮し今買うメリットが大きいと考える方が高いとは思いつつも許容できる範囲内で買っている構図)なのだとは思います。
そのため、この状況はそう長くは続かない気はするのですが、在庫が増加傾向にあるとはいえストック自体はまだまだ大したことはないので売り方が弱気になるような状況でもないので2月のような多少の"調整"はあっても"下落"というレベルは想像しにくいですね。

なお、3月末の在庫数は37,660戸で前月に比べ約400戸増えています。2月末に37,000戸台になった際に言及したように2021年1月以来のわりと久々の水準ではあるのですが、コロナ禍前の2020年1~2月あたりは今よりも全然多い47,000戸台という状況でしたので、在庫増加が価格下落への圧力になる状況はまだまだ考えにくいのです。

なお、単価に関して言うと、新規登録単価が71.1万円/㎡であるのに対し、在庫単価が72.77万円/㎡となっており、在庫単価は少なくとも過去1年間必ず前月を上回るという"一貫した上昇傾向"にあります。
新規登録単価こそ2月の71.56万円/㎡からやや下落してはいるものの、11~1月の68~69万円/㎡台に比べると明確に高い水準ですし、成約単価の上昇で登録単価との乖離が縮まりはしたものの(先月9.05万円⇒今月5.70万円)、縮まったことでさらに登録単価が上昇する余地も出てきたとも言えますからね…。

新年度に向けての需要が一段落する4月以降は市場環境が変わる余地があるのですが、そのように絶対的な在庫数増加が顕著なものとは言えないので、短期間で下落するイメージは湧かないでしょう…。

さて、話を新築に戻して4月の供給ですが、不動産経済研究所では3,000戸ということで、例年よりも多めの数が見込まれています。
2~3月の大半がまん防期だったことによる反動、そしてハルミフラッグの389戸(サンビレッジ1期2次、パークビレッジ2期)の供給を加味してのものでしょうか。

その他主な供給物件としては、シエリア幕張(1期78戸)、ブリリアシティ石神井公園アトラス(1期1次155戸)、ドレッセタワー武蔵小杉(1期75戸)あたりになるでしょうか。
ザ・ヨコハマフロントタワー(2期)やプラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ(1期)あたりも間に合うようだと例年よりは戸数が伸びるのは必至ですし、そういった物件も加わるようなことがあるとハルミフラッグの大量供給のあった昨年11月同様に契約率はかなり高くなりそうです。

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