ザ・パークハウス大宮吉敷町翠邸【内外をつなぐ天然杉天井のエントランス】4階58㎡4,988万円(坪単価286万円)

続けて、ザ・パークハウス大宮吉敷町翠邸。

設計・施工は川口土木建築工業、デザイン監修はインタープランデザインセンターで、同インタープランデザインセンターが携わった隣接物件”ザ・パークハウス大宮吉敷町の流れを汲んだデザイン性の高さ”が最大のポイントと言っても過言ではないでしょう。

詳細は前物件の記事をご覧いただきたいのですが、氷川参道が至近となるポジションを考慮した前物件のランドプラン及びデザインは非常に優れたもので、こちらはそこにスケール(19階建総戸数106戸)も加わったことでさらにインパクトの高いものになっていると感じますね。

初めに言及すべきはやはりエントランスでしょう。階段を数段上るアプローチの先にある2層吹抜のエントランスは、そのアプローチ(屋外)から風除室・エントランスホール(屋内)に至るまでの全てを「2層吹抜の高い天井高(約5m)」としており、その天井部には地元産の天然杉が用いられています。

三菱地所レジデンスが行っている木材利用の推進を目指す「木の守プロジェクト」の一環で、近年の地球環境への影響などを考慮した積極的な木材利用という"トレンド通りのもの"と言えるのですが、この物件の凄いところは"屋内から屋外にかけて連続的に同一の天然杉を用いている点"でしょう。

デザイン的にはやはりそこの連続性が与える影響は絶大で、そのようになっていないと"締まらない"のですが、建築基準法等において、内装材を燃えにくいもの(準不燃材料)とする一方で、外装材に関しては耐候性の高いものにする必要があり、同一素材を内外装に連続させるのは簡単なことではないのです。
そのような中で当物件は三菱地所レジデンスとして初めてそれを試みた物件になるそうで(表面に塗料を施すなどの工夫をすることで耐候性の高い準不燃材料としての認定を受けた)、そういったあたりからもデザインへの拘りが半端なものでないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

外観に関しても、前物件のデザインを踏襲しつつも、こちらは眺望に重きを置いたガラス手摺中心、また、全戸南西向きとなるうちの3分の2ほどをホワイト系、残りの3分の1ほどをダーク系の色味で縁取っているあたりも絶妙だと思いますね。

インタープランデザインセンターの福田氏の手腕はかれこれ数年以上に渡り言及してきているところなので今更多く語る必要はないでしょう。ただ、あえて一言で言うならば、高級感はあるけどもギラギラすることのない上品なデザインであることが美しさの源となっているように思いますね。

なお、共用施設としては、エントランス脇にコミュニティラウンジがあります。テーブル席とソファ席で構成されており、そこそこの広さがあるのでリモートワークなどにも対応できそうです。

前回のザ・パークハウス大宮吉敷町翠邸

公式ホームページ
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お部屋は58㎡の2LDK、南西向き中住戸です。全戸南西向きの物件で基本的には1フロア6戸が横一列に並びます。当プランは南側から3つ目で、正面方向の視界は旧中山道の向かいに戸建と8階建マンション(の境付近)という感じになるでしょうか。

そのため、南西~西にかけてはこの低層階であっても視界抜けが出てきますし、日照も良好です。ただ、そのようなポジションゆえに線路の影響は小さくないでしょう。

間取りは物件内で唯一の2LDK(メニュープラン除く)、唯一の50㎡台(つまり、物件内で最も小さなもの)になります。

面積が小さいなりに70㎡前後のものに比べ気持ちスパンが短めではあるものの、玄関をくぼませることで”面積調整”しているため、無理のない好感の持てる設計と言えます。

LDから洋室1にかけての引き戸及び連窓サッシ設計、大きなアルコーブスペースを備えたクランクインアプローチの玄関が魅力的ですね。

玄関ドアには木目素材を用いることでデザイン性も高めていますし、各階共用廊下に各戸専用の宅配ボックスを施すなどといった共用面の設計という点でも気が利いていると感じる物件ですね。

坪単価は286万円。そういった南西側の前建との兼ね合いで多少の差はあるものの、70㎡前後の3LDK中住戸との単価差は小さく、物件全体として低層階は現実的な設定になっていると感じます。

シントシティ(2019年より分譲中/さいたま新都心駅徒歩5分/平均坪単価約250万円※後期分譲の3街区は駅距離が遠くなる中で横ばいの単価設定になっており、実質的には値上げ傾向)やザ・パークハウスさいたま新都心(2020年分譲/さいたま新都心駅徒歩5分/平均坪単価約295万円)といったさいたま新都心駅寄りの物件と比べてしまうとけして安くは感じないですし、ザ・パークハウス大宮吉敷町(2019年分譲/さいたま新都心駅徒歩9分平均坪単価約260万円)と比べても結構な値上がり感(当物件の平均坪単価は310~320万円ぐらい?)があるのは事実です。

ただ、直近大宮駅側のプラウド大宮桜木町(2021年分譲/大宮駅徒歩6分/平均坪単価約350万円)、ルピアコート大宮ザ・ゲート(2021年分譲/大宮駅徒歩8分/平均坪単価約330万円)あたりと比較した場合にはこんなものという感じがしますし、完全アウトフレームの効率性(プラウド大宮桜木町も全部ではないですが多くがきれいなアウトフレームプラン)や低層階でも日照・視界面が良好であること、そしてそのエントランス周りを中心とした高いデザイン性あってのこの水準ならば納得しやすいのではないでしょうか。

将来的に視界が妨げられる可能性という点では低層階も中層階も大差ないと思いますし、坪単価200万円台でこのレベルのデザイン(空間)が享受できるというのは近年の相場下ではとても貴重なことです。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンターなどが備わっており大きな違和感のないものです。なお、16階以上はキッチン天板をクオーツストーンにするなど高価格帯なりの微妙な配慮がなされています。

管理費は215円/㎡。外廊下ですがディスポーザー付での水準ですのでスケールメリットを感じるリーズナブルな水準でしょう。

駐車場は全48台で、内訳は平置9台・機械式39台になります。また、別途カーシェア用が1台あります。

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