ブリリアタワー池袋ウエスト【免震構造と簡素な共用部】2階59㎡8,250万円(坪単価460万円)

続けて、ブリリアタワー池袋ウエスト。

設計・施工は前田建設工業で免震構造が採用されています。

30階建230戸のスケールからもお分かりのように敷地面積3,700㎡弱、延床面積21,000㎡弱というのはタワマンとしては小ぶりな部類になるでしょう。

ただ、前回の記事で言及したように”ちょっと駅から離れた珍しい住居系地域(敷地の大半は商業地域だが、途中から住居系地域)のタワマン”という珍しい条件下に誕生していることを考えればむしろ意外なぐらいのしっかりとしたスケールと言えますし、免震構造もタワマンらしさを高める材料になっていると思います。

デザイン監修は、アーキサイトメビウスの菊地氏になります。タワマンとしては貴重なアーキサイトメビウスデザインだったブリリアザ・タワー東京八重洲アベニューにも携わっていたようですし(当時は菊地氏の名前は出ておらず、アーキサイトメビウスの社名だけ、もしくは代表の今井氏の名前が出ていたと思います)、ブリリアタワー高崎アルファレジデンシアもしかりで東京建物のタワーでの実績が豊富ですね。

こちらのデザイン面での最大の特徴は、やはり前回取り上げた南東角の”うねるバルコニーライン”で、トレンド及び駅方向からの見栄え(インパクト)を考慮した気の利いた設計・デザインだと思います。

ただ、逆に言えば特徴らしい特徴はそれぐらいで、コーナー部の開口部もタワマンとしてはインパクトのあるものではないので、なんというか”小さくまとまってしまった感”があるのは否定できないですね。

”スケールなり”と言ってしまえばそれまでではあるのですが、タワマンの中では「環境」や「眺望」といった点で優れている物件だと思うのでその魅力をさらに高めるような豊かな開口部や三次元性能、もしくは緑豊かなランドプランなどを追求出来ていると面白かった気はしますよね。

白を基調としたエントランスホールはガラス面豊かな空間で、豊島区の花であるつつじをイメージとしたシンボルアートを飾るなどといった工夫もありますが、この価格帯のタワマンにしては意外なぐらいあっさりとしたものに感じてしまいます。

なお、共用施設としては、ユーティリティラウンジ(貸切可)とプライベートブースがあるのみで、総戸数230戸というスケールのわりにはシンプル、また、タワマンでありながら高層階のラウンジや屋上テラスがないのはやはり残念な点でしょうね。

前回のブリリアタワー池袋ウエスト

公式ホームページ
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お部屋は59㎡の2LDK、東向き中住戸です。東側は細い道路の向かいの前建が4階建の低層建物になっているため(その先には普通に十数階建のものがある)、低層階でも圧迫感はありません。

間取りは60㎡にはわずかに満たないものの、平均以上の大きさのある2LDKになります。

やはりバルコニー側の柱ですら食い込んでいるのは気にはなりますが、全体として食い込みが多いわけではなく、全室がバルコニーに面したワイドスパン設計は評価できる点になります。

廊下は短めながらも洋室1室がノンリビングインに出来ていますし、LDの開口部幅がしっかりとしている点なども魅力と言えるでしょう。
とはいえ、LDは10.3畳と大きくはないので洋室2の引き戸は大きく開け放つことが出来る引き戸設計になっていると良かったでしょうね。

坪単価は460万円。前回の記事で書いたようにプラウドタワー東池袋ステーションアリーナ(2020年分譲/平均坪単価約520万円)と大差ない平均坪単価となった物件で、ノンタワマンのシティハウス西池袋(2021年より分譲中/池袋駅徒歩11分(東京メトロ。JRは徒歩15分)、要町駅徒歩4分)が平均坪単価約460万円、クレヴィア池袋ウエスト(2018年分譲/JR池袋駅徒歩5分)が平均坪単価約425万円というあたりからも昨年以降の価格高騰を加味すればまずまずの水準であることが分かると思います。

グロスの嵩まない40㎡台(西向き)でも低層階は同程度の単価設定になっており、予算に限りのある方にとっては検討しやすい水準になるでしょう。そのようにタワマンならではの高層階の共用施設がないのは痛いところで、そのあたりを加味したお値段設定でもあるのでしょうが…。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター(1LDK除く)、シーザーストーンの水回り天板、カップボードなどそれなりのものにはなっていますが、LDビルトインエアコンなどのワンランク上のものはなく、単価帯からするとやや寂しい印象にはなるでしょうか。
なお、29~30階のプレミアム住戸はLD及び主寝室のビルトインエアコン、日ポリ化工の浴室などそれなりです。

管理費は498円/㎡。ディスポーザー付の内廊下、さらに各階ゴミ置場に加え24時間有人管理にもなった小ぶりなタワマンですので高くなるのはやむなしでしょう。
スケールの問題もあるとはいえ、昨今は500円/㎡近い管理費単価のタワマンが増えてきている印象で、こういったあたりにも物価高(インフレ)が重くのしかかる印象ですね。そういう時代が来るのか定かではありませんが、今後一転してデフレ基調になった場合ってこういった物件の管理費は下がるのかねぇ…。分譲時期によって管理費は大きく変わってしまうもので、こちらと大差ないパフォーマンスでも未だに200~300円/㎡を維持できている物件があることを考えると複雑な気持ちになりますよね…。

駐車場は52台で内訳は平置6台(身障者用含む)、機械式46台になります。タワマンでは多くない屋外機械式になってしまうのですが(タワー内部の眺望が芳しくない側や低層階に設けられるのが一般的)、用途地域(敷地計画)を考えれば仕方ないでしょう。敷地北側の高さが出せない第一種住居系地域及び第一種中高層住居専用地域部分にこういった施設を設けるのが合理的ですからね。
そちらを緑豊かなガーデンにするぐらいの頑張りがあるとかなりイメージが変わったとは思いますけど…。

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