ブランズ上目黒諏訪山【全戸分の地下平置駐車場】2階132㎡28,500万円(坪単価716万円)

続けて、ブランズ上目黒諏訪山。

設計は坂倉建築研究所、施工は淺沼組です。

エリア的にはスケールのある方でも一般的にはそこまで大きな物件ではないですし、近年は低層物件でいわゆるスーパーゼネコンが起用されるケースはほとんどなくなってしまったので(工事採算が悪いため、デベロッパーにとってもゼネコンにとってもウエルカムではない)、そこそこの知名度のある浅沼組であれば悪くないでしょう。

デザイン面でブランズ永田町ブランズ六本木飯倉片町ブランズ六番町に次いで坂倉建築研究所を起用しているあたりからも東急不動産なりにベストな選択(最高の選択)を心掛けているのは明白で、中でも外観デザインを特徴づける水平ラインの存在感は素晴らしいものがありますね。

水平ラインのメインとなる逆梁部分に大胆に泉州錆(石)を用いると共に、庇部分には重厚感のあるラブラドールブラック(花崗岩)を用いることでコントラストを高めるという繊細、かつ、高級感のある設えです。また、木目調となった庇裏も良いアクセントになっていますね。

また、エントランス前にはしっかりとした車寄せを設けるなど空間的な広がり(ゆとり)を演出しつつも要所要所に石積みを施すことで重厚さを両立させているあたりも絶妙でしょう。敷地北東部の敷地入口付近(駅方向)には従前からこの地を見守り続けてきた既存樹のカンヒザクラをシンボルツリーとして配置するなどといったあたりもとても気が利いていると感じます。

また、デザイン以上の特長といっても過言でないのが前回の記事でも言及した駐車場でしょう。当物件は地下に全戸分の自走式駐車場を備えています。
地下駐車場の傍らにはもちろんサブエントランスが設けられており、そこからエレベーターで直接住戸階に向かうことが出来るのは政治・芸能に携わるような著名人にとっては非常に重要な動線になるのは言うまでもないことなのですが、その上で当物件はサブエントランス(地下1階)とメインエントランス(1階)をつなぐ位置に2層吹抜のラウンジ(ラウンジ内には階段があり上下に行き来できる)を設けており、どこまでも上手な設計と感じます。

総戸数19戸ながらコンシェルジュサービスまで設けていますし、ブランズ永田町同様に小ぶりなスケールを言い訳にしない東急不動産の本気の物件と言えるでしょうね。

前回のブランズ上目黒諏訪山

公式ホームページ
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お部屋は130㎡超の2LDK、東向き中住戸です。東側には3階建のコート諏訪山があり、視界は遮られますが、手前には当物件の地下駐車場へのスロープがあり、最低限の離隔は図れているため悪いポジションではないでしょう。

間取りは最低でも120㎡台となる物件の中では小さな方なのですが、それでも130㎡超あり、なおかつ、3LDKではなく2LDKであるあたりに凄みを感じますよね…。

流石に先ほどのような角住戸と比べると開口部的なインパクトでは劣ってしまいますが、それでもLDの幅のある開口部は圧巻ですし、アイランドタイプのゆとりのLDK、玄関からホワイエにかけてのゆとりあるPP分離設計など、この面積帯ならではのこだわりや配慮が感じられホッコリしますね。

ちなみに、玄関脇(共用廊下側)の袖壁にはタイルがデザインを意識しパターン状に貼られるのですが、フロアごとにカラーを変えるという繊細も窺えます。

坪単価は716万円。方角的に日照時間がどうしても短くなりますし、視界も良いものとは言えないため先ほどのような角住戸との単価差は大きいですね。
そうは言えども700万円超で、グロスも3億弱になるので検討出来る方は限られますが、諏訪山に限らずこういった低層住居専用地域で平均専有面積150㎡超(しかも全戸分の地下平置駐車場)という超富裕層ニーズに限定した物件というのは本当に少ないのでそれに当てはまる方にとっては代えの効きづらい物件になるでしょうね。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンターはもちろん、キッチン天板にサイルストーン、キッチンバックカウンター、全室ビルトインエアコン、カウンターに天然石などを用いた高級感のある浴室、全熱交換型の24時間換気など単価帯なりの充実したものです。玄関前には専用の宅配ボックスも付いています。

管理費は624円/㎡。ディスポーザー付の内廊下であることに加え、コンシェルジュサービスと各階ゴミ置場まで備わった小ぶりな物件ですので、この水準ならば良い方ではないでしょうか。

駐車場はそのように全19台で平置になります。1都3県では初の全区画EV充電器対応というのも売りの1つのようです。

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