大宮スカイ&スクエアザ・タワー【曲面を多用したエントランス、田の字の多い中住戸】5階62㎡6,250万円(坪単価331万円)

続けて、大宮スカイ&スクエアザ・タワー。

設計は松田平田設計、施工は前田建設工業で免震構造が採用されています。
大宮駅のタワマンでの免震構造は、プラウド大宮(22階建総戸数168戸)のみのはずで、こちらよりも高さ・スケール感のあるグランドミッドタワーズ大宮(耐震)にすらない強みになるでしょう。

デザイン的には随所に設けられた曲面設計がポイントになるでしょうか。延床面積67,000㎡超のスケール感のある住商複合再開発で、その開発エリアの入口となる商業施設(3階建)部分は街区の顔となる弧を描く曲面設計、さらに、住宅棟(下部は商業施設も入居)のエントランスも緩やかにカーブするキャノピーを設けるなど全体としてかなりデザインに力を入れている様子がうかがえますね。

商業棟自体は小さ目ですし(歪な敷地形状が考慮されたもの)、その北側にあるタワー部のフロア形状自体は一般的なものです。
しかしながら、そのようにタワーの低層部にも商業スペース(大宮サクラスクエア)が多く存在しており、自宅の足元にこれだけの施設があるというのは明確な魅力、また、共用面(内部)のデザイン性という点でも非常に素晴らしいものがありますね。

タワー棟の1階・4階の共用スペースデザイン監修はZA DESIGN INC.の座間氏で、特に1階の淡い色味で曲面ありまくりなウェルカムラウンジの雰囲気は、とっても素敵です(分かりやすいので思い切って言ってしまうと"パークコート●●ザ・タワー風"です)。
柔らかなフォルムのアルミカーテンと大理石が描かれた空間は一見の価値ありでしょう。

グランドロビー及びグランドラウンジがあるのは4階(1階部分の多くと2~3階は商業)ですし、2層吹抜などの三次元的に豊かな空間にこそなってはいないものの、やはりグランドロビーにも曲面設計が採用されていますし、ホテルライク(座間氏はヒルトンなどのホテル空間のデザインに実績のある方です)なラグジュアリースペースが実現していますね。

日鉄興和不動産が主導する物件ではありますが、ここいらあたりの空間デザインからは高額タワマンで数々の実績がありJVで参画している”三井不動産の存在”を感じるところで、高額物件なりの魅力を演出出来ていると思います。

共用施設としては、4階にワーキングラウンジ/ブース、カンファレンスルーム、2室のゲストルーム、16階に2つのマルチスタジオ、そして屋上に大型スクリーンなどもあるスカイラウンジ(「ラウンジ」という表現はちょっと疑問で、スカイテラスかな…)があります。

高層階にラウンジがなく、屋上にそのスカイラウンジを設け溜飲を下げているあたりは今時(一昔前のタワマンは高層階にラウンジ(屋内)があるのが当たり前的な感じでしたが、昨今は採算が厳しく少しでも住戸を増やしたいデベロッパーの思惑もあり、屋上を利用するケースが増えています)で、総戸数522戸というタワマンでも大き目のスケールを考えればもうひと頑張り欲しかった印象もありますが…。

前回の大宮スカイ&スクエアザ・タワー

公式ホームページ
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お部屋は62㎡の2LDK、北向き中住戸です。敷地北東部に位置したお部屋で、北側は新設の道路(桜木2号線※)を挟み3階建の低層建物(その先には15階建のイニシアコート大宮ウエスト)、その手前となる敷地内にはゆったりとした車寄せもありますのでけして悪いポジションではありません。
※桜木2号線を挟んだ北西側には十数階建のA棟(地権者住戸が多めだが、一部は分譲される予定。こちらの28階建と商業棟を合わせたものがB棟)が予定されています。

お部屋は60㎡を優に超えており2LDKとしてはかなりゆったりとしたタイプになりますね。
最大の特長はLDのダイレクトサッシでしょうか。低層階は眺望という感じではありませんが、5~27階まで設けられたタイプで、中層階以上になると魅力的な眺望が享受できます。

ただ、低層階でもダイレクトサッシによる開放感や採光が魅力的ですし、両サイドが開くようになっていため通風が採れるのも良いですね。また、当プランの西側は共用階段(屋内非常階段)があり、そちら側にまで凸となったバルコニーも魅力の1つになります。飛ばされたりすると危ないですしバルコニーは専有部ではないので基本的にはダメなんですけど、わりとモノが置けちゃうの…(汗)。

ダイレクトサッシの手前部分、柱と柱を結ぶラインには梁があり、下り天高2.05mのいわゆるギロチン天井があるのは残念ですけど、そこを越えた窓際部分は2.25mですのでまずまずですね。

また、しっかりとした面積帯の2LDKながら洋室2室がほぼリビングイン設計なのは少々気になるのですが、効率性という点では悪くないですし、窓が設けられた明るい玄関も魅力的で中住戸としてはかなり個性的なプランですね。
南向きの中住戸(70㎡台の3LDK)は多くが以下のような田の字ベースの地味なものになっているので尚更そのように感じます。

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ちなみに、当物件は外廊下設計になるのですが、外廊下になった最大の理由はフロア形状的(敷地形状的)に中住戸の奥行が長くならざるを得ず、共用廊下側に開口部を設けないことには3LDKがままならないからになります。

かの富久クロスのように奥行のある中住戸でもベッドルーム3室中2室を行灯部屋(行灯部屋でもリビングインとすることで居室扱いが可能になり、3LDK表示に出来ている)とすることで内廊下を実現したケースもありますが、当時はさんのざんに”ネタ扱い”されていましたし(まぁ、主に私のせいではありますけど…)、土地柄3LDKが中心にならざるを得ないことを考えると外廊下で田の字中住戸が多くなるのも仕方ないところではあるのでしょうか。

高さ制限をさらに緩和し、120~130mレベルのものに出来ていればもう少し1フロアの面積は小さく出来(同容積率が前提)、フロア形状の自由度が増したので間取りもより良いものになったのだとは思いますが…。

坪単価は331万円。眺望良好な高層階でも360~370万円といった水準で、同階水準で比較するとプラウド大宮桜木町よりも安いです。"タワマンあるある"ではあるのですが、せいぜい同じぐらいかと思っていたので、北向きとはいえ立地やランドマーク性を鑑みれば結構魅力的な水準でしょう。

ちなみに、タワマンで言うと、グランドミッドタワーズ大宮(大規模ゆえに出物が多く過去1年間だけでも成約事例がたくさんある)の成約単価は260~350万円ほどのレンジで、300万円そこそこが多いですね。築約11年での水準ですので、そういったあたりからも新築の当物件の300万円台中盤が多くを占める価格設定は魅力的だと思いますね。

なお、第1期は159戸ということでやはり引き合いは強いようです。
そのように田の字中心の地味なプランとなった南向き中住戸(眺望も良いとは言えない)率の高い物件なので、そういったものを捌くのはそれなりに時間がかかりそうですが、角住戸やこういった間取り面での魅力もあるものは早いでしょうね。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンのキッチン天板に加え、キッチンにまで床暖房が備わっているという特長もあります。
ただ、その一方で中住戸(最上階除く)にはトイレ手洗いカウンターが付いていないという不思議なパフォーマンスですね。”キッチンに床暖房があってトイレに手洗いカウンターがない”なんてそうそうないです…。なんじゃそりゃ…。

中住戸(最上階除く)は高層階でもほぼ坪単価300万円台ですし、トータルで考えれば大きな違和感はないのですが、少々もやっとはしますよね。

管理費は261円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザーに加え、各階ゴミ置場、24時間有人管理、さらにコンシェルジュサービスも付いてのものですので近年のサービス充実タワマンとしてはかなりリーズナブルな水準です。

近隣の一昔前に分譲されたタワマン(10年以上前はこのエリアに限らず200円/㎡前後のものが少なくなかった)はさらに安く、そういったあたりも考慮しつつ頑張った感があります。直近のかなりのインフレ傾向を考えるとこの水準は嬉しいでしょう。

駐車場は全204台で機械式になります。別途来客用が3台あります。

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