2022年4月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると2022年4月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,426戸(前年同月比16.1%増)
1戸あたり価格6,291万円(前年同月比19.0%ダウン)
契約率79.6%(前年同月比6.0ポイントアップ)
とのことです。

4月は、まん防は3月20日までだったことによる前月以前の反動やハルミフラッグの389戸(サンビレッジ1期2次、パークビレッジ2期)の供給を考慮してか3,000戸の予測(4月半ばの3月の数字が発表された時点)だったのですが、大きく下回る2,500戸に満たない結果となりました。

ハルミフラッグの他にもシエリア幕張(1期78戸)、ブリリアシティ石神井公園アトラス(1期1次155戸)、ドレッセタワー武蔵小杉(1期75戸)などといったそこそこまとまった供給がありましたし、反動が感じられない少々意外な数字という印象です。
※先月に続き今月もエクセレントザ・タワー(1期1次100戸)はカウントされていないですね。いつになったらカウントされるのだろうか。

ただ、契約率という点で言うと3ヶ月連続の70%台で、2月や3月よりも大分高い80%近い水準ですね。全戸即日完売した389戸のハルミフラッグを除いた2,037戸の契約率を計算してみましたが、それでも前月3月(2021年2月以来の高水準でした)と同じ75%台ですので、好調な結果に違いありません。

4月末の在庫は3月末時点からさらに406戸減少し、5,475戸まで減少しているという点からも好調さが窺えますし、ハルミフラッグを除けばそこまで注目度の高い大規模物件が供給されたわけではない中で淡々と好調(契約率75%超)を保っているあたりからしても依然として市況は強いと言えるでしょう。

なお、今月の億ション比率は約8.5%ということで、3月同様に平均的な範疇になりました。若干高めではありますので、6,291万円の平均価格が大人しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、やはりハルミフラッグの影響になります。
389戸のハルミフラッグのうちパークビレッジの147戸の平均は7,933万円、サンビレッジの242戸の平均は6,398万円なので平均よりも上の水準ではあるものの、都区部の平均が昨年4月から約28%ダウンしていることからもお分かりのように都区部の水準としては低く、ハルミフラッグにより都区部の平均が伸び悩んだことが全体の平均価格の伸び悩みにつながっているということも言えると思います。


お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの4月の月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
3,094件(前年同月比-9.7%)
68.72万円/㎡(前年同月比+16.3%)
4,363万円(前年同月比+14.0%)
専有面積63.50㎡(前年同月比-1.9%)
築年数22.77年(前年同月22.47年)

ドン引きです…。

前月(3月)の平均単価は65.4万円/㎡で、
「12・1月の64万円/㎡台から2月は62万円/㎡台まで調整し、コロナ禍で減少の一途だった在庫件数にようやくの増加傾向が出てきていたので、さすがに直近高値(64万円台)の更新は難しい…ぐらいの感覚だったのですがあっさりと超えてしまいました…。」
という経緯があり、

「3月というのは新年度に向けて不動産市場(中古市場)が1年で最も活発化する時期ではあるのでそういった後押しがあっての結果なのは間違いないのですが、昨秋あたりからの上昇ペースが速すぎて本当に驚かされます。」

とコメントをしていたのですが、なんとなんと4月は68.72万円/㎡!
目を疑うとはまさにこのことで4月に入ってもこの勢いが続いているどころかガッツリ上がっていることに本当に驚かされました。

価格高騰の影響もあってか、先月(3月)に続き前年同月比での成約件数は減っておりますが、3月の2割近かった減少幅は今月半分程度に止まりましたし、前年同月比で16.3%(※)というとんでもない上昇をする最中でもしっかりとした成約を記録していることとなります。
※新築の場合は大規模な高額物件の第一期などが行われた月は平均価格への影響が大きく、ガッツリ上昇する(つまりは月によっての波が大きい)のでこういった10%以上(20%以上も普通にあります)の変動は驚くに値しませんが、まとまった供給などはなく様々なエリアの様々な属性の物件が集まった中での16.3%の上昇(特定の物件などの影響がほぼない)になります。さらに言えば、2021年4月は2020年4月(コロナ禍突入で単価安が著しかった。とはいえ2019年4月比4.5%下落ですけど…)に比して16.1%上昇していましたので、2022年4月は2020年4月比で約35%の上昇、コロナ前の2019年4月比でも約29%の上昇ということでもうね、本当にとんでもないことになっているのです。

幸い(?)にも新規登録単価は71.56万円/㎡(2月)、71.10万円/㎡(3月)に対し4月は72.21万円/㎡ということで目立った伸びは見せていないのですが、成約単価がこれだけ伸びていれば新規登録単価に上昇余地があるのは明らかですし、今月は在庫もわずかながら減りましたので(在庫の減少は2021年6月以来!)、買い手にとってはまだまだ厳しい市況が続きそうですね。
4月に入ってのこの数字は本当にビックリ…。

さて、話を新築に戻して翌月5月の供給ですが、不動産経済研究所では2,500戸ということで、例年5月並の予測がなされています。

ザ・ヨコハマフロントタワー(2期148戸※そもそもクローズドで販売した1期120戸が未だカウントされていません)が無事(?)にカウントされてくるか否かで数字には大きな影響が生じること必至なのですが、ブリリアアタワー池袋ウエスト(1期1次83戸)、プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ(1期112戸)などといったタワマンの第1期もありますし、そこそこの数字にはなってくるでしょう。

ただ、肌感覚としてはGW前後は例年よりも盛り上がりに欠けていた印象があり(緊急事態宣言下だった2020年は例外)、ザ・ヨコハマフロントタワーがカウントされなければ発売戸数・契約率共にそこまでの数字にはならないのではないかと思っているのですが、甘いかな???

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