クリオ茅ヶ崎中海岸グランシック【100㎡超の2LDK、玄関にはゆとりのインナーガレージ】1階104㎡8,495万円(坪単価270万円)

続けて、クリオ茅ヶ崎中海岸グランシック。

設計はいしばし設計、施工はNB建設、そしてデザイン監修はウイ・アンド・エフヴィジョンです。

クリオ茅ヶ崎中海岸グランヴィラもウイ・アンド・エフヴィジョンによるもの、また、クリオ千代田御茶ノ水クリオ神田クリオ横濱綱島グレイステラス、そして先日取り上げたばかりの高額物件クリオ学芸大学ザ・クラシックにも携わっており、クリオの高額ライン御用達の印象になります。

ウイ・アンド・エフヴィジョンは、ディアナコート尾山台翠景(モリモト)やグランツオーベル中野(大成有楽不動産)などの他社物件でも素晴らしい手腕を発揮していますし、当物件はそのようにほとんどが100㎡超となった物件ならではの高いデザイン性も大きなポイントになるでしょう。

エントランス周りは凹凸のある質感がたまらない割肌石の壁面がとても印象的、また、前回の記事で言及したバルコニー戸境壁の"斜め仕上げ"も外観に大きな影響を与えており、水平に伸びるブラックキャノピーとの相性も抜群です。

また、西側道路沿いに設けられたエントランスホールは、ガラスを介し敷地中央部の中庭スペースの借景が望めるようになっており、道路沿いからも視線が抜けることによる空間的な広がりを考慮した設計が秀逸ですね。

一方で、ほぼほぼ100㎡超で茅ヶ崎エリアながら億超え住戸が多数あることを考えると物足りなさを感じる部分があるのも確かです。

外観のイメージCGは光(住戸内の明かりや道路沿いの照明)などによる脚色があるので一見では分かりづらいのですが、バルコニー軒裏に特別な仕上げ(木目調など)がなされているわけではなく、少々あっさりとしたものです。低層物件なので地上からもバルコニー周りが良く見えますし、戸境壁に拘るぐらいであれば軒裏も同様に拘って欲しかったという思いがあります(木目調に限らず特別な意匠であって欲しかったということ)。

また、駐車場が総戸数以上の23台分(身障者用1台含む)あるのは流石といったところですが、身障者用以外は機械式ですし、普通に屋外、さらに、車寄せがないあたりも残念です。

総戸数自体は22戸ながら敷地面積は2,300㎡弱というそこそこのスケール感を有した物件ですので、”ほぼほぼ100㎡超のエリア内最高価格帯”の物件ということを鑑みればそういった面への配慮もあった方が良かったのではないでしょうか。

ディスポーザーもない物件ですし、さらにパフォーマンスを上げたらもっと単価が高くなってしまうことを回避した結果このようになっているのは言うまでもありません。

ただ、それこそが前回の記事で述べた”茅ヶ崎(ローカル)の一等地なりの100㎡超という少々難しい立ち位置”を如実に表しており、デベロッパーにとっても検討者にとっても悩ましい点と言えるでしょうね。
要するに、港区などのほんまもんの一等地の低層物件であれば、予算青天井の超富裕層の需要があるので、ある意味価格を気にせずパフォーマンスを追求できるのですが、このエリア(茅ヶ崎)ではそうはいかないということです。

前回のクリオ茅ヶ崎中海岸グランシック

公式ホームページ
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お部屋は104㎡の2LDK+インナーガレージ、南向き中住戸です。南側は茅ヶ崎市文化資料館(2階建)がありますが、大き目のテラスの先には敷地内の植栽もありますので、日照への影響はないでしょう。欲を言えば専用庭的なスペースが欲しかったところですが、文化資料館の緑も望める良好なポジションです。

間取りはこちらも100㎡超ありながら、2LDKになっており、少々意外な提案になります。
居室配置は田の字ベースですし、もちろん屋上テラスなどもないのですが、やっぱり玄関周りが面白いですね。

玄関下足スペースと一体化した大きなインナーガレージ(土間スペース)があり、サーフィンなどビーチアクティビィティを楽しむ方にとっては特に魅力的なものになるでしょうか(当物件にはサーフボード置場もあります)。

インナーガレージは洗面所へ直通しているのも魅力で、小さなお子さんのいるご家庭なんかにも魅力的なプランでしょう。

南側の柱が食い込んでいるのは玉に瑕ですし、2LDKゆえにお住まいになる方(ご家族)を選んでしまうところはあるものの、100㎡超の2LDKだからこそ実現するゆとりですし、このエリアに限らず他ではなかなかお目にかかれないプランであるのは間違いありません。

坪単価は270万円。100㎡超では下限となる価格設定で、屋上テラスがないとはいえ、最上階でも海が見えるようなポジション(立地・高さ)ではないため、これだけの単価差があれば納得でしょう。

それでもクリオ茅ヶ崎中海岸グランヴィラヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸の低層階住戸(250万円前後)よりも高い水準ではあるのですが、こちらの方が駅に3分近いことを考えれば違和感はないですし、少なくとも”100㎡超プレミアム”と感じるようなものは乗っかっていないので、こういったゆとりのプランを待ち望んでいた方にとっては検討しやすい水準でしょう。

ちなみに、中古市場における茅ヶ崎エリアでの100㎡超の成約事例への知見があまりなかったので良い機会と思い調べてみたのですが、案の定、2000年以前のものばかり(ほぼほぼ80~90年代)で、築浅のもので近年の成約が確認できるのは2009年築のグランドメゾン東海岸南と2012年築のライオンズ茅ヶ崎ザ・アイランズだけですね。
中でもグランドメゾンはこちらと同じ第一種低層住居専用地域内(第二種低層住居専用地域含む。駅徒歩17分)の3階建で、確認できる3件共に190~200万円台となっていますので築年差や駅距離を考えたらこちらの300万円未満は違和感はないでしょう。

設備仕様面は、ディスポーザーがないのは残念です。こちらよりも遥かにスケール感のあるグランヴィラやヴェレーナグランにもなかったので仕方ない印象ではあるものの、そこまで小さな物件ではないですし、平均専有面積100㎡超の高額物件であれば付けて欲しかったという思いはありますね。
また、食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンの水回り天板などは備わってはいるものの、いわゆるプレミアム住戸のようなとりわけ高級感のあるものは見当たりません。

管理費は265円/㎡。ディスポーザーなしの外廊下ですので、総戸数22戸(一般的な平均専有面積の物件であれば40戸ぐらいのスケールではある)であることを加味してもやや高い印象にはなるでしょうか。

駐車場はそのように全23台で、身障者用を除いた22台が機械式になります。

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