2022年5月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると2022年5月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,466戸(前年同月比4.3%減)
1戸あたり価格6,088万円(前年同月比3.0%アップ)
契約率70.2%(前年同月比0.9ポイントアップ)
とのことです。

前月(4月)の記事の終わりに、
「肌感覚としてはGW前後は例年よりも盛り上がりに欠けていた印象があり(緊急事態宣言下だった2020年は例外)、ザ・ヨコハマフロントタワーがカウントされなければ発売戸数・契約率共にそこまでの数字にはならないのではないかと思っているのですが、甘いかな???」
と述べたのですが、概ね感覚通りの結果になったように思います。

やはり、ザ・ヨコハマフロントタワー(2期148戸)はカウントされておらず、発売戸数自体はほぼほぼ不動産経済研究所の予想通りの2,500戸なのですが、在庫の減少は前月末比で129戸減と最近では減少数が少ないですし、契約率の約70%も最近では低めの数字になります(1月は例年通り発売戸数が少ない約1,100戸での58.4%でしたし、在庫自体は400戸以上減っていたので、契約率ほど悪い印象はなかった)。

ブリリアアタワー池袋ウエスト(1期1次83戸)、プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ(1期112戸)などといったそこそこ話題性のあるタワマンの第1期もあったわりには大人しい数字という印象になりますかね。

まぁ、そうは言っても7割超の契約率ですので、不調ということはないですし、まだまだハルミフラッグの分譲も続きますので、この数字を持って”先行きが不安”といったようなことはないでしょうね…。

なお、平均価格は昨年12月以来の低水準で、6,000万円ほどというのは2020年頃に多く記録された水準なのでやや目に優しく映ってしまうのですが、今月がこの水準に落ち着いたのは都区部のシェアが低かったことと、2億超の超高額物件の供給が少なかったことが影響しているのでしょう。

本日はこの記事の後に、毎年恒例の「2021年の市場動向のフィードバック」を掲載予定で、その中で都心一等地の超高額住戸が平均単価を押し上げた点について述べているのですが、今月はそういった超高額住戸の供給が影を潜め、かつ、都区部のシェアも33.4%と低調だったことがこの平均価格につながったのでしょう。

むろんこの結果を持って価格が落ち着いたなどということは一切ないでしょう。
ちなみに、1億台のお部屋自体は結構供給されていて、億ション比率自体は約6.7%とけして低くはないですね…。

お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの4月の月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
2,877件(前年同月比-12.7%)
65.61万円/㎡(前年同月比+12.0%)
4,174万円(前年同月比+9.5%)
専有面積63.62㎡(前年同月比-2.3%)
築年数23.26年(前年同月22.69年)

前月の記事をご覧いただいている方はお分かりのように、前月の68.72万円は本当に驚きの数字でしたので、そこから一旦下がる(”調整する”)のは当然のことと言えるでしょう。

ここ数ヶ月の流れとしては、「12・1月64万円/㎡台⇒2月62万円/㎡台(”調整”)⇒3月65万円/㎡台⇒4月68万円/㎡台⇒5月65万円/㎡台(”調整?”)」ということで、同様の流れが続くと来月6月は”4月水準”、7月は4月の68万円台を上回るという流れになっても何ら不思議ではありません。

成約件数は5ヶ月連続で前年同月を下回っている状況で、前月以前も何度か申し上げているようにあまりに急激な価格上昇により敬遠されているところがあるのは確かなのですが、それでも新規登録件数及び在庫件数が伸びないため、明確な需給の悪化は見られないのです。

前年同月比で在庫件数は9.6%増となってはいるものの、一昨年5月の46,000戸台と比べると遥かに少ない37,000戸でしかなく、そもそも5月は4月よりも300戸以上減っていますしね…。

5月の新規登録単価は70.15万円/㎡ということで2~4月(71~72万円/㎡台)よりも低くなっているのは救い(?)ではあるのですが、ここ最近はそういった状況からも再上昇していた経緯があるので余程在庫が滞留しない限りこちらも再上昇する可能性は十分にあるでしょう。

さて、話を新築に戻して翌月6月の供給ですが、不動産経済研究所では5月に続き2,500戸との予想がなされています。

6月で2,500戸いくとなると2018年の2,659戸以来でわりと多い印象になるのですが、ハルミフラッグの分譲が6月下旬に予定されていることが考慮されてのものでしょうか。
それ以外にもリビオタワー羽沢横浜国大(第1期111戸)、大宮スカイ&スクエアザ・タワー(第1期159戸)があり、そこそこの戸数になることが予想されます(ドレッセタワー南町田グランベリーパークは6月下旬予定になっていましたが、最終的に7月2~4日になるようです)。
近年のタワマンにしては価格帯的に大人しいと感じる物件で、幅広い層のニーズを生み出せているので、契約率も高めになるのではないでしょうか。

0 Comments



Post a comment