レ・ジェイドクロス千代田神保町【景観重要物件と連結する複合開発×意外すぎるプランニング】87㎡13,730万円(坪単価522万円)
レ・ジェイドクロス千代田神保町。
所在地:東京都千代田区西神田2-2-22(地番)
交通:神保町駅徒歩4分、九段下駅徒歩6分、水道橋駅徒歩7分
用途地域:商業地域
階建・総戸数:地上14階地下1階建、50戸(うち非分譲20戸含む。他オフィス2区画)
先行するサンウッドフラッツ神田神保町ほどは駅近ではありませんが、同様に神保町駅の北西側に位置しており、神保町駅から少し離れた分、水道橋駅が近いポジションになります。
こちらのアドレスは神田神保町や神田猿楽町ではなく西神田で、千代田ファーストビルが至近にありますね。
当物件の最大のポイントは、「千代田区景観まちづくり重要物件」に登録されている東方学会本館の隣接地(東方学会新館跡地)にあり、既存の建物を維持しつつ耐震補強を主とした改修が行われる東方学会本館と一体的な開発となるという点でしょう。
こちらの物件が完成後は本館とこちらの物件はエントランスを共有しますし、当物件の2~3階フロアにはオフィスが入り、本館とエキスパンションジョイントで結ばれるということで想定していた以上に本館との関係が深い物件(開発)になりますね。
土地が定期借地権であるからこそこのような開発が可能になっているのは確かですが、そうであるからこそ景観やデザインへの配慮が要求された物件になりますし、定期借地権もおよそ70年(解体に要する期間を除いた想定居住期間)と長めなのも悪くないでしょう。
なお、3駅5路線が徒歩7分圏内で利用できる交通便に加え、スーパー事情も良好ですね。まいばすが徒歩1分、マルエツプチが徒歩2分、成城石井が徒歩5分と良好、また、神田すずらん通り商店街も徒歩7分になります。
サンウッドフラッツ神田神保町の記事で書いたように神保町駅の反対側では複数の再開発が予定されており、そのあたりも魅力の1つになるでしょうか。
通学区のお茶の水小学校は、徒歩10分(現在は旧九段中学校の仮校舎。来年度中に完成予定の新校舎は徒歩9分)の距離感になります。
公式ホームページ

お部屋は87㎡の2LDK、北東向き中住戸です。北東側道路の向かいの前建は8階建で、その先も同じぐらいの高さの建物が中心となったエリアなので、この上層階住戸(3LDKを含むこちらのタイプは8~13階のみに設けられています)からは視界抜けも出てきます。
ただ、方角的に日照時間はかなり短く、いわゆる”ファミリータイプ”として考えるとやや難のあるポジションという印象にはなるでしょうか。
日照との兼ね合いという点でも大きなポイントになるのが間取りでしょう。
当物件の上層階(8~13階)は1フロア4戸で全戸北東向きの設定になるのですが、不思議なことに南側から65(角)、82、87、45(角)という並びになっており、こういった中住戸の方が面積が大分大きくなっています。南側(南東側)に面した65㎡は日照良好なポジションになりますので、かなり風変わりな設計と言えるでしょう。
※角住戸の方が価格が高くとも売りやすいため、面積を大きくするというのもあるが、そもそもの設計上、中住戸は角住戸に比べ多くの開口部を設けにくいため、居室数を増やしにくく、その結果が面積が小さ目になるものです。
"セオリー"とは真逆の設計で、その上でさらに驚かされるのが87㎡という面積がありながら2LDK(11~13階)を採用している点でしょう。以下のように同面積の3LDK(8~10階)も存在してはいるのですが、いずれにしろベッドルームがガッツリリビングインとなった淡泊な印象の中住戸で、一般的な物件ではこのようなフロアプラン及び間取りはまず採用されることのないものと言えます。

そのように角住戸に比べ開口部を設けにくい中住戸ゆえに外廊下設計にせざるを得なかったところもあるはずで、立派な価格帯とのミスマッチを感じずにはいられませんが、一方で、この風変わりな提案こそが当物件の売りのようで、”いえ時間”を追求した「まどろみスタイル」を体現したものになるとのことです。
ベッドルーム(主寝室)を重視した設計で、あえて"主寝室をリビングと並ぶ過ごしやすい空間と捉え広々とした空間でのやすらぎ"を意図しているようです。
調光機能付(ベッドルームのみ)のダウンライトを施すなど、リラックスできる空間づくりを心掛けていると思いますし、確かにリビング~主寝室までを贅沢に使いやすらげる時間を作れる方であればそりゃあ良いですけど、疑問を覚えてしまうのは気のせいでしょうか???
これって一人暮らし用のプランなの???
普通にディンクスや子供が巣立った老夫婦、さらには小さなお子さんのいる若夫婦もターゲットにしているはずで、2~3人で住んでいたら"リビング隣接の主寝室でのまどろみ"とか全くもって意味が分からないですし、コンセプトがシックリこないのは私だけですか???
スパンもとりわけワイドではなく、もう1室のベッドルームはプライバシー面に難のある共用廊下側になりますので、そちら側を主寝室にするよりは良いような気もしますけど、80㎡台半ばのゆとりある面積帯なのでLD単体でも十分な大きさがありますし、バルコニー側の主寝室は奇をてらうことなく普通にノンリビングインが良かったと思ってしまいます。
リビングインとしたことで廊下は非常に短くなっており効率性が高いのは評価できる点ですし、すんごい数のダウンライトは素晴らしいと思いますけど…。
坪単価は522万円。中層階に比べ1割ほど高い水準で、6階以下は全て非分譲になっていることから、平均では500万円ほどになるでしょうか(最上階の2戸は120~130㎡台で坪単価700万円台が予定されているのですが、第1期では供給されないので未確定)。
その近隣で分譲中のサンウッドフラッツ神田神保町の平均坪単価は約560万円といったところで、仮にこちらの低層階も分譲されたと考えた場合の平均は480万円程度と考えられ、サンウッドの9掛け以下の水準になるので"定期借地権なり"の水準だと思いますね。
同じ神田エリアというところで言うと、パークリュクス神田(2021年分譲/神田駅徒歩3分/平均坪単価約540万円)、クラッシィハウス大手町(2021年分譲/大手町駅徒歩4分/平均坪単価約575万円)といった感じであり、直近の価格上昇を鑑みれば大きな違和感はありません。
ただ、平均的な定期借地権物件よりも単価が抑えられている(9掛け以下)と感じるのは高めの地代が影響しているのも確かでしょうね。定期借地権物件の販売価格には権利金や前払地代(※)が含まれているのが一般的で、「価格に含まれる権利金・前払地代の割合が低い=地代が高い」で、その逆もしかりなのです。
こちらの地代は380円/㎡(解体費用積立金195円/㎡含む※こちらの場合、地代が高いというよりも解体積立金が高いのですけど…)ということで、土地の固定資産税の負担がないことを加味しても少々ランニングが嵩んでいますね。
※詳細を知りたい方はブランズシティ世田谷中町のコメント欄をご参照ください。
所在地:東京都千代田区西神田2-2-22(地番)
交通:神保町駅徒歩4分、九段下駅徒歩6分、水道橋駅徒歩7分
用途地域:商業地域
階建・総戸数:地上14階地下1階建、50戸(うち非分譲20戸含む。他オフィス2区画)
先行するサンウッドフラッツ神田神保町ほどは駅近ではありませんが、同様に神保町駅の北西側に位置しており、神保町駅から少し離れた分、水道橋駅が近いポジションになります。
こちらのアドレスは神田神保町や神田猿楽町ではなく西神田で、千代田ファーストビルが至近にありますね。
当物件の最大のポイントは、「千代田区景観まちづくり重要物件」に登録されている東方学会本館の隣接地(東方学会新館跡地)にあり、既存の建物を維持しつつ耐震補強を主とした改修が行われる東方学会本館と一体的な開発となるという点でしょう。
こちらの物件が完成後は本館とこちらの物件はエントランスを共有しますし、当物件の2~3階フロアにはオフィスが入り、本館とエキスパンションジョイントで結ばれるということで想定していた以上に本館との関係が深い物件(開発)になりますね。
土地が定期借地権であるからこそこのような開発が可能になっているのは確かですが、そうであるからこそ景観やデザインへの配慮が要求された物件になりますし、定期借地権もおよそ70年(解体に要する期間を除いた想定居住期間)と長めなのも悪くないでしょう。
なお、3駅5路線が徒歩7分圏内で利用できる交通便に加え、スーパー事情も良好ですね。まいばすが徒歩1分、マルエツプチが徒歩2分、成城石井が徒歩5分と良好、また、神田すずらん通り商店街も徒歩7分になります。
サンウッドフラッツ神田神保町の記事で書いたように神保町駅の反対側では複数の再開発が予定されており、そのあたりも魅力の1つになるでしょうか。
通学区のお茶の水小学校は、徒歩10分(現在は旧九段中学校の仮校舎。来年度中に完成予定の新校舎は徒歩9分)の距離感になります。
公式ホームページ

お部屋は87㎡の2LDK、北東向き中住戸です。北東側道路の向かいの前建は8階建で、その先も同じぐらいの高さの建物が中心となったエリアなので、この上層階住戸(3LDKを含むこちらのタイプは8~13階のみに設けられています)からは視界抜けも出てきます。
ただ、方角的に日照時間はかなり短く、いわゆる”ファミリータイプ”として考えるとやや難のあるポジションという印象にはなるでしょうか。
日照との兼ね合いという点でも大きなポイントになるのが間取りでしょう。
当物件の上層階(8~13階)は1フロア4戸で全戸北東向きの設定になるのですが、不思議なことに南側から65(角)、82、87、45(角)という並びになっており、こういった中住戸の方が面積が大分大きくなっています。南側(南東側)に面した65㎡は日照良好なポジションになりますので、かなり風変わりな設計と言えるでしょう。
※角住戸の方が価格が高くとも売りやすいため、面積を大きくするというのもあるが、そもそもの設計上、中住戸は角住戸に比べ多くの開口部を設けにくいため、居室数を増やしにくく、その結果が面積が小さ目になるものです。
"セオリー"とは真逆の設計で、その上でさらに驚かされるのが87㎡という面積がありながら2LDK(11~13階)を採用している点でしょう。以下のように同面積の3LDK(8~10階)も存在してはいるのですが、いずれにしろベッドルームがガッツリリビングインとなった淡泊な印象の中住戸で、一般的な物件ではこのようなフロアプラン及び間取りはまず採用されることのないものと言えます。

そのように角住戸に比べ開口部を設けにくい中住戸ゆえに外廊下設計にせざるを得なかったところもあるはずで、立派な価格帯とのミスマッチを感じずにはいられませんが、一方で、この風変わりな提案こそが当物件の売りのようで、”いえ時間”を追求した「まどろみスタイル」を体現したものになるとのことです。
ベッドルーム(主寝室)を重視した設計で、あえて"主寝室をリビングと並ぶ過ごしやすい空間と捉え広々とした空間でのやすらぎ"を意図しているようです。
調光機能付(ベッドルームのみ)のダウンライトを施すなど、リラックスできる空間づくりを心掛けていると思いますし、確かにリビング~主寝室までを贅沢に使いやすらげる時間を作れる方であればそりゃあ良いですけど、疑問を覚えてしまうのは気のせいでしょうか???
これって一人暮らし用のプランなの???
普通にディンクスや子供が巣立った老夫婦、さらには小さなお子さんのいる若夫婦もターゲットにしているはずで、2~3人で住んでいたら"リビング隣接の主寝室でのまどろみ"とか全くもって意味が分からないですし、コンセプトがシックリこないのは私だけですか???
スパンもとりわけワイドではなく、もう1室のベッドルームはプライバシー面に難のある共用廊下側になりますので、そちら側を主寝室にするよりは良いような気もしますけど、80㎡台半ばのゆとりある面積帯なのでLD単体でも十分な大きさがありますし、バルコニー側の主寝室は奇をてらうことなく普通にノンリビングインが良かったと思ってしまいます。
リビングインとしたことで廊下は非常に短くなっており効率性が高いのは評価できる点ですし、すんごい数のダウンライトは素晴らしいと思いますけど…。
坪単価は522万円。中層階に比べ1割ほど高い水準で、6階以下は全て非分譲になっていることから、平均では500万円ほどになるでしょうか(最上階の2戸は120~130㎡台で坪単価700万円台が予定されているのですが、第1期では供給されないので未確定)。
その近隣で分譲中のサンウッドフラッツ神田神保町の平均坪単価は約560万円といったところで、仮にこちらの低層階も分譲されたと考えた場合の平均は480万円程度と考えられ、サンウッドの9掛け以下の水準になるので"定期借地権なり"の水準だと思いますね。
同じ神田エリアというところで言うと、パークリュクス神田(2021年分譲/神田駅徒歩3分/平均坪単価約540万円)、クラッシィハウス大手町(2021年分譲/大手町駅徒歩4分/平均坪単価約575万円)といった感じであり、直近の価格上昇を鑑みれば大きな違和感はありません。
ただ、平均的な定期借地権物件よりも単価が抑えられている(9掛け以下)と感じるのは高めの地代が影響しているのも確かでしょうね。定期借地権物件の販売価格には権利金や前払地代(※)が含まれているのが一般的で、「価格に含まれる権利金・前払地代の割合が低い=地代が高い」で、その逆もしかりなのです。
こちらの地代は380円/㎡(解体費用積立金195円/㎡含む※こちらの場合、地代が高いというよりも解体積立金が高いのですけど…)ということで、土地の固定資産税の負担がないことを加味しても少々ランニングが嵩んでいますね。
※詳細を知りたい方はブランズシティ世田谷中町のコメント欄をご参照ください。
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