2022年6月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると2022年6月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数1,917戸(前年同月比1.1%減)
1戸あたり価格6,450万円(前年同月比3.8%アップ)
契約率67.7%(前年同月比4.8ポイントダウン)
とのことです。

前月の記事の末尾で言及したように、ハルミフラッグ(サンビレッジの第2期、シービレッジ第2期2次)の分譲が6月下旬に予定されていたのですが7月に延期されたこともあり(混雑が予想されるためおよそ2週間の期間が設けられており、今現在も登録受付中)、不動産経済研究所が見込んだ2,500戸に及ばないどころか2,000戸にすら達しませんでした。

“ハルミフラッグ待ち(マンション価格高騰の中、ハルミフラッグを最後の望みと考え抽選に挑戦する)”の方が相当程度いらっしゃるのが昨今の傾向であり、ハルミフラッグの販売が全て終了しない限り、本当の意味での市況が分かりづらくなっているように思うのですが、今月(6月)もそういった印象にはなってしまうでしょうね。

ただ、6月はリビオタワー羽沢横浜国大(第1期111戸)、大宮スカイ&スクエアザ・タワー(第1期159戸)という話題性のあるまとまった供給もあった中での契約率7割未満ということで最近の中では低調な結果なのは確かでしょう。

前月の記事でも言及したように、1月は58.4%と低くはあったものの、在庫数を大きく減らす中での数字でしたので、契約率から受ける印象ほど市況は悪くなく、1月以外は昨秋以降70%台のみでしたからね(今月も在庫は274戸減少していますが、大きな数字ではありません。なお、ストックとしては5,072戸で近年で最も少ない水準まで減ってきています)。

その大宮スカイ&スクエアザ・タワーは159戸を即日完売(平均1.7倍/最高15倍)させていますし、もう1つの即日完売物件ル・サンク小田原栄町(45戸/平均1.6倍/最高4倍)もしかりで価格的な魅力の高い物件(詳細は分譲開始時の個別記事ご参照)の人気は依然として高いのですが、毎日のように当ブログをご覧いただいている読者の方々はお分かりのように高め(強め)と感じる物件がほとんどなのが昨今の市況であり、ハルミフラッグを除いたとしてもほんの一部の物件に人気が集中しているような状況は少なからずあるでしょう。

なお、平均価格はやや高めの結果にはなったものの、都区部のシェアが36.6%とそこそこだったことに加え、平均価格8,575万円のその大宮スカイ&スクエアザ・タワーの159戸の影響も小さくないですね。

恒例の億ション比率は、6.9%ということで、前月に比べ少し高い程度でここ最近の平均に比して気持ち高いぐらいになります。

お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの6月の月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
3,003件(前年同月比-7.9%)
66.99万円/㎡(前年同月比+12.8%)
4,231万円(前年同月比+9.2%)
専有面積63.15㎡(前年同月比-3.1%)
築年数23.59年(前年同月22.79年)

以下は前月の記事からの抜粋で、

【ここ数ヶ月の流れとしては、「12・1月64万円/㎡台⇒2月62万円/㎡台(”調整”)⇒3月65万円/㎡台⇒4月68万円/㎡台⇒5月65万円/㎡台(”調整?”)」ということで、同様の流れが続くと来月6月は”4月水準”、7月は4月の68万円台を上回るという流れになっても何ら不思議ではありません。】

と述べていたのですが、ここ数ヶ月の上昇ペースが余りに急激だったためか流石に68万円台(4月水準)には達しませんでした。

しかしながら、前月(5月)の65.61万円はしっかりと上回ってきましたし、約67万円という数字であれば来月は“2ヶ月間の調整”を経て再度の高値更新という可能性も十分にありうるわけで、本当に中古市場の勢いが強く感じますね。

需給に関して言うと、在庫件数は前月から少しだけ増え前年同月比で10.5%増となってはいるものの、一昨年6月の45,000戸台と比べると遥かに少ない37,000戸ちょっとでしかありませんので、需給が悪化している様子は全くもってみられません。

また、6月の新規登録単価は70.84万円/㎡ということで2~4月(71~72万円/㎡台)よりも低くなっているのですが、5月よりは上がりましたし、6月現在の在庫単価は72.65万円/㎡と依然として落ちてきていないため、ちょっとでも需要が強くなると(価格が落ちないため、仕方なしに予算を上乗せする方が増えると)、あっさりと68万円超が見えてきてしまうわけです…。

さて、話を新築に戻して翌月7月の供給ですが、不動産経済研究所では5・6月に続き2,500戸との予想がなされています。

肌感覚として盛り上がりは感じていませんので、2,500戸までいくかは微妙な印象ですが、上述のように7月に流れたハルミフラッグが現在分譲中(登録受付中)ですので例年(2,000戸弱が多い)よりも増えそうではありますね。
他にドレッセタワー南町田グランベリーパーク(第1期121戸)、プラウド元住吉ガーデンズ(第1期100戸)、また、高額どころで言うとグランドメゾン山下公園なんかもあり、契約率は今月の数字からは大きく上昇するのではないでしょうか。

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