パークホームズ本郷三丁目【”この条件”で直床の衝撃】7階55㎡8,895万円(坪単価533万円)

続けて、パークホームズ本郷三丁目。

設計・施工は東急建設なのですが、直床には面食らいました。
三井の都心高額物件ではパークホームズ市ヶ谷ヒルトップレジデンスの直床という前例があるのですが、ここは6階建のあちらのように最高高さ制限や斜線制限が厳しいエリアではないので(商業地域側は60m、近隣商業地域側でも46m。他に隣地斜線制限など)、いくらでもやりようがあったはずですし(実際、当物件の高さは約42mでしかありません)、最大天井高2.6m(下り天井高は約2mと低め)を確保しつつの直床ってどういうコンセプト???

直床と二重床は重量・軽量など音のタイプにによって伝わり方が異なりますし、どちらが優位かは一概には言えないのですが、高額物件で直床が採用されないことから明らかなように一般的には二重床が無難ですし、直床だとクッション材が必要になるのでどうしても歩行感が気になります。ここは地権者住戸(中低層階中心)が約4割を占めた物件で、地権者の意向があった可能性もありますが、かなり不思議なケースではありますよね。

「20m制限エリアの7階建」や「31m制限エリアの11階建」のような”直床でやむなし”なケースではないここが直床になるのであれば”パークホームズは直床で問題ない”と三井が宣言したも同然だと思っていて、これに他社が追従するようなことになると”首都圏のマンションの設計(関西圏はそもそも直床がメイン)”が様変わりしてしまうでしょう。
大袈裟に感じるかもしれませんが、それぐらいこの物件の直床には驚かされたということです。

さて、気を取り直してデザインについて語っていきましょう。
見る人が見れば一目で分かるアーキサイトメビウスデザインになります。

担当は代表の今井氏ではなく菊地氏になるのですが、エントランス周りや基壇部の御影石を主としたデザインはアーキサイトメビウスの王道中の王道であり、エントランスアプローチを深く確保し、風除室の手前に2層吹抜のピロティ空間が設けられているあたりも素晴らしい設計(デザイン)と感じます。

敷地面積約600㎡、1フロア4戸(43~72㎡)の小規模物件でこのようなランドプランと出来ているのは稀ですし、交差点側に先ほど取り上げた角住戸があり、そのダイレクトサッシも外観的にも良い影響を与えてくれていますね。

前回のパークホームズ本郷三丁目

公式ホームページ
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お部屋は55㎡の2LDK、北東角住戸です。道路の向かい北西側は4~6階建程度の比較的低めの建物で構成されていますが、北東側には10階建のバウス本郷三丁目があり、ちょっとしたお見合いポジションになります。ただ、東側は当物件の駐車場ですし、その先も低めの建物で構成されているため中層階になると部分的に視界抜けも出てきます。

間取りは50㎡台中盤の平均的な2LDKで、プラン的にも整っていますね。

角住戸にしては廊下は長くはありませんし、柱のアウトフレームが行き届いた設計のため有効面積は大き目です。

ベッドルームや収納を比較的充実させたことからLD単体で10畳を確保出来ていないのはやや残念ですし、ベッドルーム1室はリビングイン設計とし、一体利用が可能になっている方が潰しが効いていたようにも思います。しかしながら、近年はこのぐらいの面積帯でこういったノンリビングイン設計の整った2LDKを見かけることが少なくなってはいるので、居室独立性に重きを置きたい方には特に魅力的なプランと言えそうです。

坪単価は533万円。上層階は600万円近い設定になっており(低層は地権者住戸のため分譲は7階~14階)、先ほどの南西角に比べると単価差が大きいですね。上層階はそのバウスを越えますし、北東方向にスカイツリー(の上の方)が望めることも影響しているのでしょうか。

前回の記事で書いたように、現実的な価格設定とすることの多い三井物件にしては強めの印象を受けます。

設備仕様面は、小ぶりな物件ながらディスポーザーが付いているのは流石ですし、カップボードも付いています。ただ、それ以外は食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンのキッチン天板、トイレ・洗面室床のタイル貼程度で600万円近いお部屋が多いわりには平凡な印象にはなります。

管理費は374円/㎡。小ぶりなスケールでディスポーザー付の内廊下を実現しているわりには悪くないでしょう。三井の物件は割高に感じることが少なくないのですが、ここは控えめな方と言えます。

駐車場は全7台でいずれも平置になります。

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