新築と中古の坪単価の推移及び減価率について①【2022年版】
こちらの分析は2019年に行って以来、およそ3年ぶりになります(かなり重要なデータ分析なのに大分サボってしまいすみません…)。
3年の間に新築・中古共に価格が上昇しましたが、とりわけ直近の中古価格の上昇が顕著、また、その間にも中古マンションの平均築年数が上昇(年々新築分譲マンションの供給が減り、かつ、築古マンションの解体・建て替えなどが行われるケースはまだまだ限られているので平均築年数が上昇するのは当たり前のことです)したことで、今回の分析結果が3年前から大きく変化しているのは当然のことではあるのですが、区単位で見ると驚きの数字になっているところもありますのでぜひご覧いただきマンション選びに役立てていただければと思っております。
ちなみに、そもそもこの分析を行う主題として、
・「中古は安い」とよく言われるけど新築に比べどのぐらい安いものなの???
・資産価値を考えた場合、新築に比べ中古での取引価格が高い水準を維持していることは大きな強みになると思うけど、エリアによってどのぐらい違うものなの???
というマンション購入(検討)にあたり多くの方が悩むであろう2点があり、この記事を通じてそれらを限りなく客観的に表すことが出来たらと思っております。
さて、まずは大まかなエリアごとの中古の平均坪単価(成約)と新築の平均坪単価をご覧ください。


※データの出所が異なるので細かな差はありますが、大きな違いとしては次の2点です。
1)新築の各期間は「年」、それに対して中古は「年度」。ズレは3か月という短い期間ですし、そもそも中古価格は新築価格の遅行指数となるのが一般的なのでむしろ"ほどよいズレ"とも言えます。
2)新築の数字には「いわゆるワンルーム投資マンション」は含まれていませんが、中古の数字には含まれてしまっています。
新築と中古の価格を単純に比較するという点では先日の中古坪単価の推移・分析の際に言及したように都区部と埼玉県の中古価格の上昇が顕著で、それ以外のエリアでは中古価格の若干の伸び悩み(?)がみられます。
ただ、「中古坪単価/新築坪単価」をパーセンテージで表した以下の結果をご覧いただくとお分かりのように、埼玉県の直近の中古価格の上昇は以前の中古価格が新築に比して他エリアよりも安すぎたことが影響していると思われ、ざっくり言ってしまえばやはり”都心部ほど中古価格の上昇が顕著”ということが言えると思います。

あくまで平均にはなりますが、近年で言うと都区部は70%超に達し、それ以外のエリアでは50~60%台といった感覚になりますね。
ただ、郊外寄りのエリアだからといって"中古の価格上昇が抑えられている"という印象は全くありません。当然のことながら中古価格を吟味する上では築年数が重要で、次の平均築年数を考慮した「年あたりの減価率」からは郊外エリアにおいても以前に比べ中古価格がかなり強くなっていることが窺えるのです。


年あたりの減価率は、2010~2012年頃は2%台が当たり前で最も低い都区部でも1%台後半だったのですが、ここ2~3年では最も高い埼玉・千葉あたりでも2%ほど、最も低い都区部においては1.5%を切る水準まで下がっているのです。
1年だけだと0.5%程度の話でしかないのですが、10年だと5%、20年だと10%もの差になりますし、ここ10年で新築と中古の価格差がもの凄い勢いで縮まっていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。特に郊外エリアは相対的に都心部に比べ新築物件の供給が減っており、中古物件の"平均築年数の上昇度合い"が大きいため、単純な平均価格から受ける印象以上に価格が上昇しているという現実があるのです。
別の言い方をすれば、”中古マンションがより高い評価をなされるようになった”ということであり、「施工技術の発達ないし管理・修繕の意識向上」なども寄与した結果でもあるとは思うのですが、築10年以上のマンションは当然のことながらそれ以前から存在しているわけですし、直近のあまりに顕著な減価率の低下はちょっと極端過ぎるように思ってしまいますね。
毎月の市況分析の際に、中古の在庫状況などについても言及しておりますが、コロナ禍以降の中古価格の上昇は需給要因に伴うところがかなり大きいと感じていて、"施工技術の発達ないし管理・修繕の意識向上による上昇"という印象はほとんどないので…。
次回は、23区のそれぞれの区で同様の分析を行いますが、都心区の中にはさらに極端な数字を記録している区が出てきています。
3年の間に新築・中古共に価格が上昇しましたが、とりわけ直近の中古価格の上昇が顕著、また、その間にも中古マンションの平均築年数が上昇(年々新築分譲マンションの供給が減り、かつ、築古マンションの解体・建て替えなどが行われるケースはまだまだ限られているので平均築年数が上昇するのは当たり前のことです)したことで、今回の分析結果が3年前から大きく変化しているのは当然のことではあるのですが、区単位で見ると驚きの数字になっているところもありますのでぜひご覧いただきマンション選びに役立てていただければと思っております。
ちなみに、そもそもこの分析を行う主題として、
・「中古は安い」とよく言われるけど新築に比べどのぐらい安いものなの???
・資産価値を考えた場合、新築に比べ中古での取引価格が高い水準を維持していることは大きな強みになると思うけど、エリアによってどのぐらい違うものなの???
というマンション購入(検討)にあたり多くの方が悩むであろう2点があり、この記事を通じてそれらを限りなく客観的に表すことが出来たらと思っております。
さて、まずは大まかなエリアごとの中古の平均坪単価(成約)と新築の平均坪単価をご覧ください。


※データの出所が異なるので細かな差はありますが、大きな違いとしては次の2点です。
1)新築の各期間は「年」、それに対して中古は「年度」。ズレは3か月という短い期間ですし、そもそも中古価格は新築価格の遅行指数となるのが一般的なのでむしろ"ほどよいズレ"とも言えます。
2)新築の数字には「いわゆるワンルーム投資マンション」は含まれていませんが、中古の数字には含まれてしまっています。
新築と中古の価格を単純に比較するという点では先日の中古坪単価の推移・分析の際に言及したように都区部と埼玉県の中古価格の上昇が顕著で、それ以外のエリアでは中古価格の若干の伸び悩み(?)がみられます。
ただ、「中古坪単価/新築坪単価」をパーセンテージで表した以下の結果をご覧いただくとお分かりのように、埼玉県の直近の中古価格の上昇は以前の中古価格が新築に比して他エリアよりも安すぎたことが影響していると思われ、ざっくり言ってしまえばやはり”都心部ほど中古価格の上昇が顕著”ということが言えると思います。

あくまで平均にはなりますが、近年で言うと都区部は70%超に達し、それ以外のエリアでは50~60%台といった感覚になりますね。
ただ、郊外寄りのエリアだからといって"中古の価格上昇が抑えられている"という印象は全くありません。当然のことながら中古価格を吟味する上では築年数が重要で、次の平均築年数を考慮した「年あたりの減価率」からは郊外エリアにおいても以前に比べ中古価格がかなり強くなっていることが窺えるのです。


年あたりの減価率は、2010~2012年頃は2%台が当たり前で最も低い都区部でも1%台後半だったのですが、ここ2~3年では最も高い埼玉・千葉あたりでも2%ほど、最も低い都区部においては1.5%を切る水準まで下がっているのです。
1年だけだと0.5%程度の話でしかないのですが、10年だと5%、20年だと10%もの差になりますし、ここ10年で新築と中古の価格差がもの凄い勢いで縮まっていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。特に郊外エリアは相対的に都心部に比べ新築物件の供給が減っており、中古物件の"平均築年数の上昇度合い"が大きいため、単純な平均価格から受ける印象以上に価格が上昇しているという現実があるのです。
別の言い方をすれば、”中古マンションがより高い評価をなされるようになった”ということであり、「施工技術の発達ないし管理・修繕の意識向上」なども寄与した結果でもあるとは思うのですが、築10年以上のマンションは当然のことながらそれ以前から存在しているわけですし、直近のあまりに顕著な減価率の低下はちょっと極端過ぎるように思ってしまいますね。
毎月の市況分析の際に、中古の在庫状況などについても言及しておりますが、コロナ禍以降の中古価格の上昇は需給要因に伴うところがかなり大きいと感じていて、"施工技術の発達ないし管理・修繕の意識向上による上昇"という印象はほとんどないので…。
次回は、23区のそれぞれの区で同様の分析を行いますが、都心区の中にはさらに極端な数字を記録している区が出てきています。
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