新築と中古の坪単価の推移及び減価率について②【2022年版】

先ほどの記事の続きで、こちらでは23区それぞれにおいて中古・新築の坪単価を比較していきたいと思います。

新築と中古の坪単価の推移及び減価率について①【2022年版】

まずそれぞれの中古の平均坪単価(成約)と新築の平均坪単価をご覧ください。
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※データの出所が異なるので細かな差はありますが、大きな違いとしては次の2点です。
1)新築の各期間は「年」、それに対して中古は「年度」。ズレは3か月という短い期間ですし、そもそも中古価格は新築価格の遅行指数となるのが一般的なのでむしろ「ほどよいズレ」とも言えます。
2)新築の数字には「いわゆるワンルーム投資マンション」は含まれていませんが、中古の数字には含まれてしまっています。

「F-E」が”マイナス%”になっているところは「中古の価格上昇率が新築の価格上昇率を上回っている」ことを意味しており、中古は直近の価格上昇率が顕著なため、多くの区で新築を上回る価格上昇を記録していることがお分かりいただけると思います。

また、新築価格に対する中古価格の割合は以下になります。
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新築の分析の際に必ず述べているように、区単位で見ると年間の新築の供給は限られており平均価格は特定の物件の影響が大きいことが少なくありません。そのため、新築の価格が控えめだった年は100%に近い数字も見られるのですが、それを抜きにしてもここ2~3年の間には80%前後の数字がかなり見られるようになってきており驚かされますね。

ただ、前回の記事で言及したように、やはり中古の価格上昇というのは「平均築年数」を考慮すべきで"実質的な価格上昇"はその単純な価格上昇以上のさらに大きなものとなります。

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こちらは過去5年間のみにはなるのですが、平均築年数と年あたりの減価率を表にしたもので、平均築年数がしっかりと上昇する中で、価格が上昇したため年あたりの減価率が大幅に低下していることが分かります。

特に2021年は凄いことになっていて、港区・中央区・世田谷区は1%を切るという空前絶後のサンシャインな水準(古い…笑)になっていますね。
1%ってことは"築20年の物件が新築の8掛け"ということであり、シンプルに高く感じてしまいます。

8掛けだと都心部のファミリータイプで言うと新築の1億が中古で8,000万円、郊外寄りの新築5,000万円でも中古では4,000万円になるのでご予算帯やニーズの厚みが大きく違ってくるのは間違いありません。
ただ、首都圏でも空き家が増加傾向にあるのは言わずもがなで、タワマンなどに代表される高層化の進行(容積率上昇)と共に確実に”家余り”が進行していっていることを鑑みるといつか大きな揺り戻しがこないかビクビクしてしまうのです。

日本はもともと新築信仰が強く中古が過小評価されていたところがあるので、この水準が当たり前になるようであれば良いのですが…。

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