ザ・パークハウス戸越公園タワー【絶品のエントランスと2つの高層共用施設】8階57㎡8,550万円(坪単価498万円)
続けて、ザ・パークハウス戸越公園タワー。
設計・施工は大成建設で制振構造が採用されています。
制振構造のタワマンあるあるでオイルダンパーなどは中層以下の部分までしか入っていないのですが(揺れを抑えるためには低いところから振動を抑えるのが効率的なのは言うまでもないのですが、当物件は10階ぐらいまでしか入ってなくかなり少な目ですね…)、柱・梁部分を高強度・小断面化したしなやかな骨組みに、地震エネルギーの吸収効率の高い連層壁とオイルダンパーを組み合わせた大成建設独自の制振構法「TASS-Flex FRAME」を導入した物件になります。
※「世界初」と謳われていますが、”大成建設独自の構法”ですのでそこにとりわけ価値があるかというとなんとも言えないところでしょうか。
揺れを抑えるという点ではもちろん免震構造の方が効果が大きいわけですが、23階建総戸数241戸というタワマンの中では小さ目(階建・総戸数共に)の物件になりますので、こういったアピールできる構造になっているだけでもプラスではあるでしょうね。
当物件で最も感銘を受けたのはデザインです。
外観デザインをスーゼネ大成建設、共用空間デザインを乃村工藝社が手掛けただけのことはあって、いずれも素晴らしい出来ですね。
外観に関しては、中でも頂部の門形フレームとキャノピーが大きなアクセントになっています。トップの印象的なキャノピー(+夜間ライティング)に加え、19階以上とそれ以下とでコーナー部及びバルコニー周りの形状や素材を変えていることで上下方向の違いを生み出し、23階建以上の高さを感じさせるデザインになっていると思いますね。
全体としてシックなトーンを纏い、マリオンなども随所に設けられた繊細、かつ、重厚さが窺えるもので、角住戸などにダイレクトサッシを用いることなくここまで存在感のあるフォルムを実現した物件はそうはありません。駅側(北北西面)のバルコニーガラス手摺だけはバルコニー床の側面まで貼り下ろしたような設えになっているのも大きなポイントになるでしょう。
フルバルコニーに「曲面設計」を取り入れたあまりに特徴的なデザインのプラウドタワー目黒マークなどと比べてしまうと一般的な範疇ということにはなってしまうものの、価格帯はかなり違いますし、上手に纏めた印象になるでしょうね。
共用空間に関して言うとやはりエントランス周りが絶品です。
前回の記事で述べたようにエントランスの手前にはフロントガーデンという公開空地があり、当物件の顔となっているのですが、中心にシンボルツリー、周囲にひな壇上の植栽を施した見栄えのするものですし、そこに面したところに設けられた2層吹抜のエントランスホールのデザインがと~っても素敵ですね。
乃村工藝社と言えば、ブリリアタワー上野池之端で、あそこのエントランスホール周りの雰囲気も絶品でしたが、こちらのデザインはそれに匹敵するものと言えます。
割肌調の石材が壁面の要所要所に用いられているのが特に印象的で、高級感があるけれどもゴテゴテしていない美しく上品な仕上がりになっています。
共用施設としては、3階にコンフォートラウンジ、20階にオーナーズラウンジ、屋上にスカイテラスということで総戸数241戸の小ぶりなタワマンなりの最低限のものという印象にはなります。
戸越公園駅前はガッツリ繁華街(商業エリア)が広がったエリアではないため、近年のトレンド(コロナ禍)を鑑みればコンフォートラウンジなどには個室ブースなどもあると良かったようには思いますが、屋上テラスだけでなく高層階にラウンジが設けられているあたりからは頑張りが窺えますね。
このぐらいの規模のタワマンだと屋上テラスか高層階ラウンジのどちらか1つ(近年だと容積率を消費する必要のない(販売対象面積をけずる必要のない)屋上テラスのケースが多いでしょうか)になっていることが多いですからね。
一方、タワマンでありながら最上階プレミアムフロアを除き各階ゴミ置場がないのは残念でしょう。同パークハウスのタワーであるザ・パークハウス三軒茶屋タワー、ザ・パークハウス浦和タワー、他にもシティタワー品川パークフロント、クレヴィアタワー大井町ザ・レジデンス、グレーシアタワー三鷹など近年のそこそこの規模・価格帯のタワマンでもわりと各階ゴミ置場がないものはありますので23階建総戸数241戸という高さ・スケール感からすればおかしくはないものの、一般フロアもファミリータイプ中心の設計(つまりはほぼほぼ億ション)だったら設けられていたかもしれませんね。
そういう意味でも60~80㎡台のお部屋を検討する方にとってはかなり残念な点になるでしょうし、以下のように各階ゴミ置場がない中で管理費471円/㎡は強烈ですよねぇ…。
前回のザ・パークハウス戸越公園タワー。
公式ホームページ

お部屋は57㎡の東向き中住戸です。前回の記事でも述べたように、東方向は道路の向かいから第一種住居地域(第三種高度地区)で5階建以下の低層建物がほとんどのためこの階でも申し分のない視界抜けが得られます(1~2階部分は階高が高いので一般的なマンションの8階よりも高いです)。
間取りは50㎡台中盤の一般的な大きさの2LDKですが、柱の食い込みが抑えられ、かつ、廊下も短めなので効率性は上々ですね。洋室2室共にリビングインにはなりますが、内廊下タワマンの中住戸では当たり前と言っても過言ではありません。
気になるのは柱位置との兼ね合いもあり全体的に開口部が少ない点でしょう。スパン自体はごくごく一般的なのですが、開口部はねぇ…。
坪単価は498万円。開口部的なところで言うともう少し頑張って欲しかった印象ではあるものの、視界的には将来的にも保たれる可能性が高く、「品川区×駅徒歩1分×眺望(視界抜け)」あってのこの水準はこのご時世にしてはこなれている印象ですね。上層階でも520~530万円に過ぎず単価差がやや小さく感じはしますが…。
投資目線での検討という意味で言うと、現状の賃料水準が比較的安いエリアですし(現状、近隣エリアに存在感のあるタワマンが存在していないことが影響)、”視界条件が芳しくなくてその分単価が安い”ケースの方が嬉しかったりもするものですが(賃料は分譲価格ほど視界面での影響を受けないため)、半住半投などのケースではバランス的にも良いのではないでしょうか。
なお、近年の近隣エリアの供給事例としては、ネベル戸越公園(2018年分譲/戸越公園駅徒歩3分/約355万円※30・50㎡台のみ)、バウス品川戸越(2019年分譲/戸越銀座駅徒歩6分/約365万円)、ピアース品川中延(2019年分譲/中延駅徒歩4分/約435万円※20~60㎡台)、オープンレジデンシア品川中延ステーションフロント(2021年分譲/中延駅徒歩1分/約425万円)、ピアース戸越公園(2021年分譲/戸越公園駅徒歩5分/約470万円※30~50㎡台)といった感じになります。
こういった再開発の影響もあるのか直近の価格高騰はなかなか強烈ですが、こういったタワマンの低層は一般的な物件の上層と同じかそれ以上の条件になりますのでそういったところからしてもこのご時世としてはまずまずの水準だと思いますね。
ちなみに第1期は65戸の供給になります。30~40㎡台が多い(間口を広げた)物件なので、もう少し多くなるのかと思っていましたが、案外大人しいスタートでした。
設備仕様や管理費などは明日の記事で言及します。
設計・施工は大成建設で制振構造が採用されています。
制振構造のタワマンあるあるでオイルダンパーなどは中層以下の部分までしか入っていないのですが(揺れを抑えるためには低いところから振動を抑えるのが効率的なのは言うまでもないのですが、当物件は10階ぐらいまでしか入ってなくかなり少な目ですね…)、柱・梁部分を高強度・小断面化したしなやかな骨組みに、地震エネルギーの吸収効率の高い連層壁とオイルダンパーを組み合わせた大成建設独自の制振構法「TASS-Flex FRAME」を導入した物件になります。
※「世界初」と謳われていますが、”大成建設独自の構法”ですのでそこにとりわけ価値があるかというとなんとも言えないところでしょうか。
揺れを抑えるという点ではもちろん免震構造の方が効果が大きいわけですが、23階建総戸数241戸というタワマンの中では小さ目(階建・総戸数共に)の物件になりますので、こういったアピールできる構造になっているだけでもプラスではあるでしょうね。
当物件で最も感銘を受けたのはデザインです。
外観デザインをスーゼネ大成建設、共用空間デザインを乃村工藝社が手掛けただけのことはあって、いずれも素晴らしい出来ですね。
外観に関しては、中でも頂部の門形フレームとキャノピーが大きなアクセントになっています。トップの印象的なキャノピー(+夜間ライティング)に加え、19階以上とそれ以下とでコーナー部及びバルコニー周りの形状や素材を変えていることで上下方向の違いを生み出し、23階建以上の高さを感じさせるデザインになっていると思いますね。
全体としてシックなトーンを纏い、マリオンなども随所に設けられた繊細、かつ、重厚さが窺えるもので、角住戸などにダイレクトサッシを用いることなくここまで存在感のあるフォルムを実現した物件はそうはありません。駅側(北北西面)のバルコニーガラス手摺だけはバルコニー床の側面まで貼り下ろしたような設えになっているのも大きなポイントになるでしょう。
フルバルコニーに「曲面設計」を取り入れたあまりに特徴的なデザインのプラウドタワー目黒マークなどと比べてしまうと一般的な範疇ということにはなってしまうものの、価格帯はかなり違いますし、上手に纏めた印象になるでしょうね。
共用空間に関して言うとやはりエントランス周りが絶品です。
前回の記事で述べたようにエントランスの手前にはフロントガーデンという公開空地があり、当物件の顔となっているのですが、中心にシンボルツリー、周囲にひな壇上の植栽を施した見栄えのするものですし、そこに面したところに設けられた2層吹抜のエントランスホールのデザインがと~っても素敵ですね。
乃村工藝社と言えば、ブリリアタワー上野池之端で、あそこのエントランスホール周りの雰囲気も絶品でしたが、こちらのデザインはそれに匹敵するものと言えます。
割肌調の石材が壁面の要所要所に用いられているのが特に印象的で、高級感があるけれどもゴテゴテしていない美しく上品な仕上がりになっています。
共用施設としては、3階にコンフォートラウンジ、20階にオーナーズラウンジ、屋上にスカイテラスということで総戸数241戸の小ぶりなタワマンなりの最低限のものという印象にはなります。
戸越公園駅前はガッツリ繁華街(商業エリア)が広がったエリアではないため、近年のトレンド(コロナ禍)を鑑みればコンフォートラウンジなどには個室ブースなどもあると良かったようには思いますが、屋上テラスだけでなく高層階にラウンジが設けられているあたりからは頑張りが窺えますね。
このぐらいの規模のタワマンだと屋上テラスか高層階ラウンジのどちらか1つ(近年だと容積率を消費する必要のない(販売対象面積をけずる必要のない)屋上テラスのケースが多いでしょうか)になっていることが多いですからね。
一方、タワマンでありながら最上階プレミアムフロアを除き各階ゴミ置場がないのは残念でしょう。同パークハウスのタワーであるザ・パークハウス三軒茶屋タワー、ザ・パークハウス浦和タワー、他にもシティタワー品川パークフロント、クレヴィアタワー大井町ザ・レジデンス、グレーシアタワー三鷹など近年のそこそこの規模・価格帯のタワマンでもわりと各階ゴミ置場がないものはありますので23階建総戸数241戸という高さ・スケール感からすればおかしくはないものの、一般フロアもファミリータイプ中心の設計(つまりはほぼほぼ億ション)だったら設けられていたかもしれませんね。
そういう意味でも60~80㎡台のお部屋を検討する方にとってはかなり残念な点になるでしょうし、以下のように各階ゴミ置場がない中で管理費471円/㎡は強烈ですよねぇ…。
前回のザ・パークハウス戸越公園タワー。
公式ホームページ

お部屋は57㎡の東向き中住戸です。前回の記事でも述べたように、東方向は道路の向かいから第一種住居地域(第三種高度地区)で5階建以下の低層建物がほとんどのためこの階でも申し分のない視界抜けが得られます(1~2階部分は階高が高いので一般的なマンションの8階よりも高いです)。
間取りは50㎡台中盤の一般的な大きさの2LDKですが、柱の食い込みが抑えられ、かつ、廊下も短めなので効率性は上々ですね。洋室2室共にリビングインにはなりますが、内廊下タワマンの中住戸では当たり前と言っても過言ではありません。
気になるのは柱位置との兼ね合いもあり全体的に開口部が少ない点でしょう。スパン自体はごくごく一般的なのですが、開口部はねぇ…。
坪単価は498万円。開口部的なところで言うともう少し頑張って欲しかった印象ではあるものの、視界的には将来的にも保たれる可能性が高く、「品川区×駅徒歩1分×眺望(視界抜け)」あってのこの水準はこのご時世にしてはこなれている印象ですね。上層階でも520~530万円に過ぎず単価差がやや小さく感じはしますが…。
投資目線での検討という意味で言うと、現状の賃料水準が比較的安いエリアですし(現状、近隣エリアに存在感のあるタワマンが存在していないことが影響)、”視界条件が芳しくなくてその分単価が安い”ケースの方が嬉しかったりもするものですが(賃料は分譲価格ほど視界面での影響を受けないため)、半住半投などのケースではバランス的にも良いのではないでしょうか。
なお、近年の近隣エリアの供給事例としては、ネベル戸越公園(2018年分譲/戸越公園駅徒歩3分/約355万円※30・50㎡台のみ)、バウス品川戸越(2019年分譲/戸越銀座駅徒歩6分/約365万円)、ピアース品川中延(2019年分譲/中延駅徒歩4分/約435万円※20~60㎡台)、オープンレジデンシア品川中延ステーションフロント(2021年分譲/中延駅徒歩1分/約425万円)、ピアース戸越公園(2021年分譲/戸越公園駅徒歩5分/約470万円※30~50㎡台)といった感じになります。
こういった再開発の影響もあるのか直近の価格高騰はなかなか強烈ですが、こういったタワマンの低層は一般的な物件の上層と同じかそれ以上の条件になりますのでそういったところからしてもこのご時世としてはまずまずの水準だと思いますね。
ちなみに第1期は65戸の供給になります。30~40㎡台が多い(間口を広げた)物件なので、もう少し多くなるのかと思っていましたが、案外大人しいスタートでした。
設備仕様や管理費などは明日の記事で言及します。
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