ヒルサイドフォレスト横浜戸塚【嫌が上にも期待が高まってしまう鹿島物件】2階83㎡6,450万円(坪単価258万円)

ヒルサイドフォレスト横浜戸塚。

所在地:神奈川県横浜市戸塚区吉田町上打越1623-1他(地番)
交通:ブルーライン戸塚駅徒歩12分(フォレスト棟)、徒歩13分(ヒルサイド棟)、JR戸塚駅は共に+1分
用途地域:第一種中高層住居専用地域、準住居地域
階建・総戸数:10階建、204戸

年初の2022年ちょっと気になるマンションで「GFS計画」として挙げた日立戸塚芙蓉寮跡地に誕生するスケール感のあるプロジェクトになります。

日立は戸塚に事業所含む広大な土地を所有しており、戸塚駅界隈にはネクサスシーズン戸塚ザ・レジデンス戸塚ザ・パークハウス戸塚ガーデンなど売主にも日立が名を連ねた物件がいくつかありますが、こちらも日立リアルエステートパートナーズ(旧日立アーバンインベストメント)と鹿島建設のJVという形ですね。
※戸塚ではそのように多くの物件に携わっており特に目立ちますが、日立は各地に大きな土地を所有しており、他エリアでもわりと頻繁にお目にかかりますね。近年で言うとパークホームズ海老名フォレストプレミア・ブライトプレミア・ブルームプレミアパークホームズ西船橋ザ・レジデンスなどで三井不動産とのJVを行っています。

そのように日立の存在感は確かなものですが、当物件の最大のポイントはやはり鹿島建設がデベロッパー(主幹事)という点でしょう。
パークタワー勝どきサウスグレーシアタワーズ海老名のように設計・施工の”オマケ的”に売主に名を連ねているケースとは異なり鹿島建設が主体となって物件のコンセプトから創りあげるケースは多くありません。

勝どきザ・タワー(及び勝どきザ・リバーフロント)のようなタワマン案件を除き鹿島建設が主幹事として分譲マンションを供給するのは2014年分譲の五番町マンション(分譲戸数の少ない建替案件だったのでこちらも少々例外的)ないし2013年分譲のテラス武蔵野中町以来になるでしょう。
※採算が影響してか、ここ数年は"ゼネコン"としても中小規模マンションの受注がほぼありません。

そのちょっと気になるマンションの際に述べたように、鹿島建設と言えば、加賀レジデンス(HIスマートウォール構法(壁式免震構造にコアウォールを組み合わせたことで凹凸のない空間が実現出来、足元~天井までのフルハイサッシを実現)、桜プレイス(HIスマートウォール構法)、木場レジデンス(スマートウォールラーメン構法によるフルハイサッシ)といった他デベロッパー案件ではまず実現することのない良質な三次元設計(専有部)なのですが、ここは残念ながらその期待に応えてくれることはありませんでした。ただ、ホワイトを基調とした端正なファサードは鹿島建設らしい点ですし、豊かなランドプランも魅力的ですね。

さて、レアな組み合わせの物件のため前置きがとっても長くなってしまったのですが、交通便には難があるでしょう。

西側のエリアに広がる日立の広大な事業所は戸塚駅前の標高10mほどと大差ないレベルでしかないのですが、当物件寄りのところには急坂があり、こちらの敷地は標高約42mほどの丘上にあります。

「ヒルサイドフォレスト」という名の通り周囲には緑がとても充実しており(吉田町大谷公園、吉田町大谷第二公園のパークサイド。さらに近所には広大な舞岡ふるさとの森や舞岡町公園(仮称。事業中)などもあります)、環境的な魅力は言わずもがななのですが、高低差約30mの徒歩12~14分ですので"徒歩圏"と言うにはギリギリの印象になるでしょう。

従前はそのように日立戸塚芙容寮があったところですし、近隣にもマンションが多く存在しているエリアなりに徒歩2分のバス停がありますので、不便と言うほどではありませんが実質的にはバス便マンションという印象にはなりますかね。
舞岡駅は戸塚駅よりも近いはずで徒歩10分程度になると思いますが、あちらも約20mほどの標高差があります。
※南東にあるココテラス横濱戸塚が舞岡駅まで徒歩9分です。

スーパー便で言うとアピタが徒歩9分にありますので数字上は及第点ですが、やはり戸塚駅前同様の起伏が強烈なアプローチになりますね。

通学区は東戸塚小学校で徒歩8~9分(棟による)になります。戸塚の駅前ですのでやはり起伏がねぇ…。

公式ホームページ
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お部屋はフォレスト棟(敷地南側)の83㎡の4LDK、南西角住戸です。南側は吉田町大谷公園のパークフロント、西側は道路を挟み8棟構成10階建総戸数290戸の大規模物件モデラピークスを望みます。モデラピークスの手前には存在感のある鉄塔と送電線があるのはちょっと気にはなりますが、道路沿いには植栽(桜)がある上、さらに手前のこちらの敷地内にもシーズンアベニューという歩道上空地(植栽あり)が施されますので低層階でも魅力は小さくないですね。

間取りは日照時間の長い良好な南西角住戸であることが考慮された80㎡超です。4LDKとしてはけして大きな方ではありませんし、柱を意に介していない洋室1の設計も少々気にはなるでしょう。

また、開口部的なところで言うと西面(妻面)の設計が良好な立地条件からすると勿体ない印象になりますし、パークフロントとなる南面の開口部も寂しい感じですね…。

上述のように加賀レジデンスなどの天井間際までのフルハイサッシは建築コストが嵩むこのご時世においては今思えば"過度の期待"だったのでしょうし、それが実現出来ていないからどうだこうだというつもりはないのですが、このサッシ幅は正直ガッカリしてしまいました。

玄関前に門扉付のポーチがあるあたりからはゆとりを感じますし、顔となる下足スペースも幅のあるものになっているあたりは良いのですが、浴室も1620ではなく1418ですし、豊かさは感じにくいですね。

坪単価は258万円。こういった南面良好な角住戸の上層階は280万円前後と物件内でもしっかりとした水準になっていますが、一方で西向き住戸の低層階などは220万円ほどのものもあり平均では240~250万円といったところでしょうか。

近年の戸塚駅界隈での供給事例としては、ヴェレーナ戸塚グランガーデン(2018年分譲/駅徒歩9分/約220万円)、ヴェレーナ戸塚グランシエル(2019年分譲/駅徒歩16分/約190万円)、ルネ横浜戸塚(2019年分譲/駅徒歩12分/約220万円)、ルフォン戸塚(2019年分譲/駅徒歩5分/約285万円)、デュオヒルズ戸塚(2021年分譲/駅徒歩11分/210~220万円ぐらい(分譲中)※旧法借地権)があります。

ここ1~2年は供給が少なく、駅距離(駅の反対側ではある)や起伏などに共通点があるデュオヒルズ戸塚も借地権(旧法)ですので純粋な比較は難しいでしょう。
イオン隣接という分かりやすい売りがあり駅からの道程もほぼフラットアプローチだったルネ横浜戸塚なんかと比べると強烈な起伏のある当物件はもう少しこなれた水準でもおかしくなかった印象ではあるのですが(2019年当時に分譲されていたら200~210万円といった印象で、240~250万円だとそこから2割程度も上昇している計算になってしまいます)、パークフロントや緑豊かな周辺環境という特色のある物件なので大きな違和感はないでしょう。

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