ザ・パークハウスグラン三番町26【室内窓上照明×ガーベッジスペース】4階68㎡14,100万円(坪単価686万円)

続けて、ザ・パークハウスグラン三番町26。

設計・施工は東急建設、デザインは三菱地所設計です。
ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵ザ・パークハウスグラン三番町はこちらよりも階建(高さ)が低くてもしっかりと免震構造が採用されていましたし、前回の記事で書いたように番町エリア内最高峰の60m物件ですので免震どころか制振でもないのは残念ですね。

60mでこそないものの、番町界隈で近年最も話題になった人気物件パークコート千代田四番町も普通の耐震設計でしたので時代の流れというかこのご時世ゆえにコスト面での影響が出ているのだと感じます。ただ、パークコートもここもそんじょそこらの物件とはお値段が全然違うわけで、「耐震⇒免震」にかかるコストは坪単価400~500万円レベルの物件と比べたら”遥かに吸収しやすい(物件の総販売価格に比して免震構造にかかるコストはそこまで大きくない)”はずなので、何かちょっと勿体ない(セコイ)印象にはなってしまうのかなと…。

なお、ザ・パークハウスグラン三番町、ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵同様に三菱地所設計を起用しており、「竹中×三菱地所設計」による息を飲む瀟洒なデザインを纏っていた千鳥ヶ淵レベルとまでは言いませんが、こちらもデザインが最大のポイントと言っても過言ではない物件ですね。

前回の記事で書いたように、千鳥ヶ淵ビューなどが望めるような”スペシャルなポジション”の物件ではないながらも100㎡超を中心とした「ザ・パークハウスグラン」らしい豊かな設計になっており、3億を下らないお部屋がかなり多いことに若干のミスマッチを感じるところもあるものの、デザインからはそういった事情を最大限考慮している様子が伝わってきますね。

四方が道路に面した全方位に住戸が設けられた対称性の高いフロアプランになった物件で、東西南北に16本の列柱が当物件を象徴しています。列柱は古のエンタシスフォルム(※以下のプランで追記します)で、3~4階の間を”核”とした水平・垂直ラインの交わりは芸術の域だと思います。

水平・垂直のライン状の部分は凹凸のある立体的なフォルムにもなっており、CGで見るよりも実物はより存在感が高いものになるのではないでしょうか。

60mを実現するために四方が道路に面した敷地の周囲には広場状空地・歩道上空地があり、ここまでのレベルの超高額物件ということを考えるとプライベート性が低く、あまりに外界に対して開かれ過ぎ(ザ・パークハウスグラン三番町のエントランスの造りも独特で分譲当時は割りと揶揄されてましたけど…)な印象は否定できません。

ただ、むろん駐車場は地下なのでそちらからのアプローチであれば出入りが人目に触れることはないですし、ランドスケープデザインにかたばみ興業を起用し、設けられた敷地北側の水盤や枝垂桜、そしてそちらを望む曲面設計のガーデンラウンジの雰囲気は「ザ・パークハウスグラン」の名に恥じないものと言って良いでしょう。

共用施設としては、パークコート千代田四番町のような"森""温泉"はなく、エントランスホール・ガーデンラウンジの傍らにある隠れ家的なセレニティヌックのみになります。
なお、西側のメインエントランスだけでなく東側にサブエントランスを設け、フロア中央に双方向エレベーターを設けたフロアプランは工夫があってとても面白いですね。

前回のザ・パークハウスグラン三番町26

公式ホームページ
SnapCrab_NoName_2022-9-19_12-31-57_No-00.png
お部屋は68㎡の1LDK、東向き中住戸です。道路の向かいには前回の記事でも述べた三井不動産による18階建が予定されています。しかしながら、三井物件にとってもこちらとのお見合いは懸念点であり、こちらの物件側にはガーデン(やはり60m緩和物件ですのでおそらく公開空地になるのでしょう)が予定されているようですので、100%とは言い切れませんが、低層階としては悪くないポジションでしょう。

間取りは物件内では最も小さな唯一の60㎡台ですが、1LDKである時点でこの物件の立ち位置が分かるというものですし、やはり前回の記事で述べたように102戸中63戸が100㎡超となった最高峰のラグジュアリー物件ですので、こういったグロス価格が控えめな水準のお部屋はそういった意味での”コスパの良さ”を感じることが出来るでしょう。

間取り面での最大のポイントは、上述の外観デザインを追求した”エンタシスの弊害”でしょう。
多くの方がご存じであろうギリシャ建築のエンタシスの柱(円柱下部もしくは中間部から、上部にかけて徐々に細くした形状の柱)のように、当物件は柱周りの意匠において3~4階部分を最も”膨らませており”、間取り図に示されているように3~4階住戸は特に窓面への”浸食”が大きくなっているのです。

3~4階が極端に大きくはあるものの、プランによっては上層階と低層階とでサッシ2枚分程度の差が出ているものもあり、これはなかなかに思い切った設計ですよね。

逆梁工法が採用されており、窓際にはカウンターがありますので、ダイレクトサッシ部分のサッシ高は掃き出し窓のような高さはないですし、この4階住戸の実質2枚分程度しかないLDのサッシはやっぱり残念ではありますね。ここまでスパンが生きていない設計というのはなかなか…。ある意味贅沢な設計ですけどね…。

なお、最大天井高(LD中央の折上部分)は2~9階が2.73m、10~13階が2.8m、14階が2.75mということで流石な水準です(※折り上げ部分の周囲、ビルトインエアコンなどのあるところはそこから18cm下がりますし、いわゆる梁の出た部分は2.3m程度のところがありますが、高額物件として違和感のないレベルです)。

また、その他の特長としては、共用廊下とシューズインクロークの間にあるガーベッジスペースがあります。どちら側からも開くようになっていて、ここにゴミを置くと清掃担当の方に伝わり採りに来てくれるという…。実際にはどのぐらいの頻度(タイムラグ)で回収されるのか定かではありませんが、私のような庶民からするとなんか申し訳にない気すらしますね。1日2回とかあらかじめ決まった時間帯に回収の方が気兼ねなく使えるような…。

坪単価は686万円。前回の記事で書いたように同じ中住戸でも100㎡超(西向き)の方が大分単価が高くなっています(低層階でも800万円台)。
こちらのお部屋の正面は三井の18階建(60m)マンションによる不確実性も伴うとはいえ、60mである以上は確実に公開空地が出来るはずですし、半数以上が3億超になるような超高額物件で、以下のように設備仕様も素晴らしいので坪単価・グロス共にカワイイとすら思ってしまうぐらいの水準です。

利回りなどが伸びるようなエリア・価格帯の物件ではありませんので賃貸運用という点ではあまり魅力的ではないものの、ガーベッジスペースなどもしかりで基本的には"100㎡超のお部屋に合わせたパフォーマンス"を心掛けた物件になりますのでこの単価・グロスだとコスパの良さを感じやすく、キャピタルゲインが望める可能性は小さくないでしょう。

まぁ、こういった3~4階住戸にとっては"違った形でデザインを追求して欲しかった"という思いも生じますけども…。

設備仕様面は、エグゼクティブ(15階以上)とオーセンティック(2~14階)に分れており、オーセンティックでもディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、カップボードに加え、廊下・水回りの床の天然石貼、突板フローリング、日ポリ化工の浴室、全室ビルトインエアコン、LD・キッチン・主寝室の床暖房、玄関電子錠というハイグレードになります。
また、折り上げ天井に設けられる間接照明は無段階調光機能が付いており、本当に照明(光)に拘ったマンションですね。

24時間換気はオーセンティックで全熱交換型、エグゼクティブはエアロテックを採用とのことでこちらもすんばらしいです。

管理費は633円/㎡。内廊下、ディスポーザー、コンシェルジュ、24時間有人管理、そしてガーベッジスペースのゴミ回収あっての水準ですので、インフレが強まるこのご時世においては悪くない水準だと思います。各階ゴミ置場の場合とそんなには変わらないのかね???

駐車場は全66台で、上述のように平置5台(専用使用権付)、機械式61台になります。

0 Comments



Post a comment