ザ・タワー十条【北区最高層、角住戸プレミアムは小さ目】31階78㎡11,640万円(坪単価493万円)

ザ・タワー十条。

所在地:東京都北区上十条2-1001(地番)
交通:十条駅徒歩1分、東十条駅徒歩9分
用途地域:商業地域
階建・総戸数:地上39階地下2階建、578戸(うち事業協力者住戸184戸)

「十条駅西口地区第一種市街地再開発事業」の核となるこちらの物件がいよいよ販売開始されました。

今更事細かな解説は必要ないように思うのですが、当再開発は十条駅前の交通広場&駅前広場を含む住宅・商業・公益施設の複合開発で、従前はかなり細かな建物がひしめき合っていたエリア(不燃化特区※木造住宅の密集エリアで重点的・集中的に改善を図る地区)になりますので、こちらの再開発により駅前の雰囲気はまさに一変することとなります。

39階建は北区最高層で、パークタワー滝野川(28階建248戸)や王子飛鳥山ザ・ファーストタワー&レジデンス(29階建285戸)を遥かに上回るスケールを有しているという点も特筆すべき点と言えるでしょう。

「駅直結」という肩書(?)も欲しかったと言えば欲しかったところですが、駅前広場隣接の特等席ですし、「JR駅徒歩1分」のインパクトは言わずもがなですね。

なお、1~4階に入る基壇部施設の名称は「J&MALL(ジェイトモール)」で十条の頭文字「J」と共にの意味の「&」で”ジェイト”だそうな。ちなみに、まちづくりのコンセプトは「Together~この街と、ともに~」で、ルー大柴さんを応援サポーターとして起用し「潤い・利便がトゥギャザー」というルー語が飛び交っていたエクセレントシティ宮前平Ⅱザ・アベニュー(マジで衝撃的だった。笑)が頭の片隅をよぎったり、GetAlongTogether(by山根康広)が流れてきたり(私の頭の中で)もしましたが、従前木造密集地区なり(?)のWood&Greenをデザインコンセプトにしたランドスケープも魅力の1つでしょうね。

買物便は、結局はなんだかんだ下部の商業施設(スーパーも入居予定)に最もお世話になると思われますが、それを除いても徒歩2分にまいばす、徒歩3分にスーパーみらべる、そしてアーケードの十条銀座商店街も徒歩2分となるなど、現状でもかなり魅力的ですね。

なお、通学区は王子第五小学校で徒歩5分の距離感になります。

公式ホームページ
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お部屋は78㎡の3LDK、北西角住戸です。近隣はタワー的なものどころか10階建程度のものですらほぼ存在していないため、全方位抜け感のある眺望が楽しめます。こちらは北西角住戸のため南東のスカイツリーは望めませんが、南西方向に首を傾ければ空気の澄む冬場などには富士山が望めるはずです。

間取りは100㎡超中心の38~39階(プレミアムフロア)、一般フロアの南東角93㎡や南西角83㎡のような大きさこそないものの、80㎡近い面積が確保されており、プレミアムフロアを除いてもかなりしっかりとした面積が確保された物件になります。

中層以下には40~50㎡台もありはするものの、30㎡台は事業協力者住戸のみですし(そもそも低層階は事業協力者住戸が多い)、平均専有面積74㎡超は意外なほど大きかったですね。

"北区最高層でのJR駅徒歩1分"は「北区最高峰」と言っても過言ではないですし、北区民に限らずある程度広域でのニーズがあるとは思うものの、70㎡台ですら億超えが多くなった物件で、検討者のご予算と価格帯に少々のミスマッチを感じたりもしますね。

ただ、93㎡は4LDKですし、"最高峰タワマン"だからこそ小さく纏まらなかったのは悪くはないでしょう。全方位に住戸を設けるタワマンの角住戸は玄関位置との関係である程度廊下が長くなってしまうもので、80㎡に満たない3LDKだとLDに広がりを生み出すのが難しくなりますしね。
※こちらのプランは玄関をご覧いただくとお分かりのように共用廊下をわりと北側まで引っ張ったことで廊下を短めに出来ているので78㎡でもしっかり目(15.5畳)のLDを実現出来てはいますが、LD入口付近のスペースは扱いが少々難しい気もします(ダイニングにするには狭い)。

また、タワマンとして気になるのはやはり窓際の下り天井でしょうね。約2m(サッシ高もそれに準じたもの)はタワマンとしては低く(平均的なクオリティで2.1mといったところでしょうか)、もうひと頑張り欲しかったという思いは小さくないです。

一般フロアでも坪単価400万円台中盤~500万円といったお部屋が多くなるそれなりの価格帯のタワマンとはいえ、一昔前ならば200~300万円台であったであろうエリアで、前出のパークタワー滝野川や王子飛鳥山ザ・ファーストタワーあたりのクオリティとの比較で大きな違和感を覚えることはありません。ただ、こちらのデベロッパーにも名を連ねる日鉄興和不動産のリビオタワー羽沢横浜国大は一般フロアでも2.2m前後を確保していたぐらいですし、広域からニーズを集めるのであれば(実際のところデベロッパーがどう考えているのか定かではないです)こういった点はもう少し頑張るべきだったとは思いますね。

一方で、柱の食い込みが少ないのは好感が持てますが、ベッドルーム3の引き戸はLD側に向かってきれいに開け放てるL字のウォールドアになっているとそのLDの入口付近のスペースを有効利用することにもつながり良かったのではないでしょうか。

坪単価は493万円。80~90㎡台の南東角や南西角との差はほとんどなく、全方位魅力的な眺望を考慮したお値段設定になります。

38~39階のプレミアムは坪単価600~700万円台になっており、眺望的な差がほぼないことを考えると差は小さくありません。
プレミアムは次の記事で言及するような設備面の差に加え、天井高の差(最大天井高2.8~2.95mで、下り天井高も約2.3m)がありますので、こういったお値段設定になることに驚きはないのですが、北区のタワマンがこの水準というのは改めて凄い時代になったものだと思ってしまいます(北区に失礼なコメントであることは承知しております…)。

ただ、2018年の第1期時点で既に一般住戸が坪単価500万円を超えていたのがシティタワー所沢クラッシィですし(当時は絶句しましたね…)、あれから4年もの月日が経過する中で北区とはいえ(?)都心アクセス良好なJR駅徒歩1分タワーの高層階角住戸が500万円を切っているのであれば安いんじゃないか、という感覚もあってちょっと不思議ですね。

まぁ、住不物件と比べるのは危険でしかないのですが、当物件において絶対的に言えることは「角住戸と中住戸の単価差が小さい」という点であり、1フロア面積がそれなりで角住戸率もけして高い物件でないことを鑑みると中住戸に比べ角住戸の資産価値が保ちやすいのは確かでしょう。

なお、第1期は105戸の供給ということで話題性のわりには少ないです。平均専有面積74㎡超ということからお分かりのように大半が3LDKになっており、1億に行くか行かないかぐらいのお部屋がほとんどになる中での105戸は十分凄いことですけど、高層階も含め全体的に30~50㎡台を増やしたらもっと簡単に売れたでしょうね…。

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