ザ・タワー十条【全体的に違和感はないが、タワマンとして凄く特徴があるわけでもない】29階77㎡11,040万円(坪単価476万円)
続けて、ザ・タワー十条。
設計・施工は前田建設工業で、制振構造が採用されています。
エリア最高層で”最高峰”と言っても過言ではない物件ですので免震構造を採用して欲しかったぐらいなのですが、そこまでしなくとも"十分な存在"ということの裏返しでもあるのでしょう。
デザイン面では前回の記事で述べた再開発エリア全体のデザインコンセプト「Wood&Green」が良いですね。
建築業界における世界的なトレンドでもあるので意外性はゼロではあるのですが、J&MALL(ジェイトモール)の上部や周囲をふんだんに緑化、また、外部にはルーバーなどの木調素材も多く用いたことで駅前の雰囲気もかなり良いものになることでしょう。
タワー部(住宅部分)においては2種類のバルコニーガラス手摺を用い市松パターン、また、トップのクラウンをライティング(夜間)したことで存在感を高めており、突出した印象まではないもののそれなりのレベルにはありますね。
残念なのはエントランスでしょう。ホールを入るとすぐにエレベーターホールになっており総戸数578戸のタワマンとしてはあっさりとした印象のものになります。メールコーナーは5階(共用施設が多く存在するフロア)にありますし、J&MALL(ジェイトモール)などとの兼ね合いもあったのだとは思いますが、そもそもメールコーナーは1階において欲しかったですし、規模の小さな開発ではありませんので、1階にもう少し住宅のスペースを割いてほしかったですね。
まぁ、パークコート文京小石川ザ・タワー、ブランズタワー豊洲、ザ・ヨコハマフロントタワーのようにシャトルエレベーターを採用し、"必ず5階を経由する"という方法もあったとは思いますが、やはり乗り換えは面倒っちゃ面倒ですからね。
共用施設としては、その5階にウェルカムラウンジ、フォレストパーク(ハンモックや人工芝、植栽の演出のある特徴のある空間)、ワークラウンジ(オープンテーブルと会議向けのブース。個室デスクもあります)、2つのゲストルーム、そして、37階にスカイラウンジがあります。
スカイラウンジはキッチン付でパーティールームとしても利用できますし、そもそも近年は少しでも住戸を増やしたい(販売対象面積を増やしたい)というデベロッパーの思惑が影響し、高層階の屋内共用部が減っていることを考えると、エリア最高層物件に相応しいものと言えるでしょう。
屋上テラス(屋外)でお茶を濁すケースは往々にしてありますし、20階台でもタワマンらしい眺望が望めるエリアなので20~30階ほどの間に設けられていても何らおかしくない中での37階は好感が持てますね。
前回のザ・タワー十条。
公式ホームページ

お部屋は77㎡の3LDK、南向き中住戸です。こちらも高層階(第1期は26階以上の販売)で、申し分のない眺望が得られます。南東方向のスカイツリービューがポイントの1つになるでしょうか。
間取りは中住戸としては大きな77㎡で、そのように平均専有面積でも74㎡超を確保しただけのことはあるゆとりを感じます。
居室配置は内廊下タワマンの中住戸でわりとよく見かけるものになります。
3LDKである以上は1室が行灯部屋(リビングイン)なのは当然で、かつ、バルコニー面3室の設計になるのでワイドスパンでもLDの開口部自体はどうしても地味なものになります。
前回の記事で書いたように、サッシ高は約2mとタワマンしては低い方で、もう少し眺望を生かした設計であって欲しかったという思いが生じますし、キッチンが窓の方向を向いていないあたりも残念です。
柱の食い込みは少なく、廊下も短い方ではあるので効率性は良い方ですが、プランの中央付近を梁が横切っているので(柱と柱を結ぶライン上)、下り天井もやや目立ちますね。
坪単価は476万円。前回の記事で書いたように、角住戸との単価差がほとんど感じられない物件になります。こちらはスカイツリービュー・富士山ビューというポイントがあるにしろ中住戸の中では面積が大きいためグロス的に角住戸との差もほとんどないですし、ワイドスパンとはいえ華やかさがあるとは言えないプランですので約1.1億というのはどうですかね。
どんなエリアにも金に糸目を付けない方(地元の名士・富裕層など)はいるもので、プレミアムや高層階角住戸などにはそういったニーズが生まれやすいものですが、こちらのようなタイプだとなかなか難しい気が…。
なお、物件属性が違い過ぎるのであまり参考にはなりませんが、近年の近隣供給事例で言うと、オープンレジデンシア東十条(2020年分譲/東十条駅徒歩5分/約330万円※線路沿い)、エクセレントシティ十条(2021年分譲/十条駅徒歩5分/約360万円)、ザ・パークハウス十条(2022年分譲/十条駅徒歩4分/約355万円)があります。
直近のザ・パークハウス十条の上層階(この物件で言う低層階)が300万円台後半で、高層階をベースにするとこの物件の低層階(多くが事業協力者住戸ですし第1期は販売がない)は400万円程度(ファミリータイプの場合※コンパクトだともっと高くなるでしょう)と考えるのが妥当なため、大きな違和感はないでしょうね。
中古の直近1年の成約事例(50㎡台以上)を見ても城北エリアの埼京線沿線ではプラウドシティ赤羽(赤羽駅徒歩4分)が380~420万円台で複数成約、プラウドシティ池袋本町(板橋駅徒歩2分)が350~420万円台(1件だけ450万円台)で複数成約、さらに、京浜東北線沿線では、王子飛鳥山ザ・ファーストタワー&レジデンスが320~380万円台、ザ・ガーデンズ東京王子が300~340万円台といった感じですので駅徒歩1分のゆるぎないランドマークタワマンでのこの水準はむしろ控えめと言って良いのかもしれません(毎月の市況分析で述べているようにそれぐらい今の中古の価格が強烈ということ)。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、天然石の水回り天板が備わっているだけでなく、LDに加え主寝室にも床暖房が備わっているのは嬉しいですね(さらに第1期はキッチンカップボード、廊下・洗面・トイレ床などが無償セレクト可)。
38~39階のプレミアム住戸はビルトインエアコン、廊下・洗面・トイレ床のタイル貼、そして全熱交換器搭載などかなりグレードアップします。
管理費は359円/㎡。ディスポーザー、内廊下、各階ゴミ置場、コンシェルジュサービス、さらに商業下駄履きゆえの24時間有人管理の人件費負担もあるはずなのでかなりリーズナブルですね。
タワマンの中でもスケールの大きな方(スケールメリットがある方)ではあるものの、これだけそろっていると400円/㎡を超えるのが近年の大方のケースです。
駐車場は全177台で建物内部(入庫は地下1階から)のタワーパーキングになります。
設計・施工は前田建設工業で、制振構造が採用されています。
エリア最高層で”最高峰”と言っても過言ではない物件ですので免震構造を採用して欲しかったぐらいなのですが、そこまでしなくとも"十分な存在"ということの裏返しでもあるのでしょう。
デザイン面では前回の記事で述べた再開発エリア全体のデザインコンセプト「Wood&Green」が良いですね。
建築業界における世界的なトレンドでもあるので意外性はゼロではあるのですが、J&MALL(ジェイトモール)の上部や周囲をふんだんに緑化、また、外部にはルーバーなどの木調素材も多く用いたことで駅前の雰囲気もかなり良いものになることでしょう。
タワー部(住宅部分)においては2種類のバルコニーガラス手摺を用い市松パターン、また、トップのクラウンをライティング(夜間)したことで存在感を高めており、突出した印象まではないもののそれなりのレベルにはありますね。
残念なのはエントランスでしょう。ホールを入るとすぐにエレベーターホールになっており総戸数578戸のタワマンとしてはあっさりとした印象のものになります。メールコーナーは5階(共用施設が多く存在するフロア)にありますし、J&MALL(ジェイトモール)などとの兼ね合いもあったのだとは思いますが、そもそもメールコーナーは1階において欲しかったですし、規模の小さな開発ではありませんので、1階にもう少し住宅のスペースを割いてほしかったですね。
まぁ、パークコート文京小石川ザ・タワー、ブランズタワー豊洲、ザ・ヨコハマフロントタワーのようにシャトルエレベーターを採用し、"必ず5階を経由する"という方法もあったとは思いますが、やはり乗り換えは面倒っちゃ面倒ですからね。
共用施設としては、その5階にウェルカムラウンジ、フォレストパーク(ハンモックや人工芝、植栽の演出のある特徴のある空間)、ワークラウンジ(オープンテーブルと会議向けのブース。個室デスクもあります)、2つのゲストルーム、そして、37階にスカイラウンジがあります。
スカイラウンジはキッチン付でパーティールームとしても利用できますし、そもそも近年は少しでも住戸を増やしたい(販売対象面積を増やしたい)というデベロッパーの思惑が影響し、高層階の屋内共用部が減っていることを考えると、エリア最高層物件に相応しいものと言えるでしょう。
屋上テラス(屋外)でお茶を濁すケースは往々にしてありますし、20階台でもタワマンらしい眺望が望めるエリアなので20~30階ほどの間に設けられていても何らおかしくない中での37階は好感が持てますね。
前回のザ・タワー十条。
公式ホームページ

お部屋は77㎡の3LDK、南向き中住戸です。こちらも高層階(第1期は26階以上の販売)で、申し分のない眺望が得られます。南東方向のスカイツリービューがポイントの1つになるでしょうか。
間取りは中住戸としては大きな77㎡で、そのように平均専有面積でも74㎡超を確保しただけのことはあるゆとりを感じます。
居室配置は内廊下タワマンの中住戸でわりとよく見かけるものになります。
3LDKである以上は1室が行灯部屋(リビングイン)なのは当然で、かつ、バルコニー面3室の設計になるのでワイドスパンでもLDの開口部自体はどうしても地味なものになります。
前回の記事で書いたように、サッシ高は約2mとタワマンしては低い方で、もう少し眺望を生かした設計であって欲しかったという思いが生じますし、キッチンが窓の方向を向いていないあたりも残念です。
柱の食い込みは少なく、廊下も短い方ではあるので効率性は良い方ですが、プランの中央付近を梁が横切っているので(柱と柱を結ぶライン上)、下り天井もやや目立ちますね。
坪単価は476万円。前回の記事で書いたように、角住戸との単価差がほとんど感じられない物件になります。こちらはスカイツリービュー・富士山ビューというポイントがあるにしろ中住戸の中では面積が大きいためグロス的に角住戸との差もほとんどないですし、ワイドスパンとはいえ華やかさがあるとは言えないプランですので約1.1億というのはどうですかね。
どんなエリアにも金に糸目を付けない方(地元の名士・富裕層など)はいるもので、プレミアムや高層階角住戸などにはそういったニーズが生まれやすいものですが、こちらのようなタイプだとなかなか難しい気が…。
なお、物件属性が違い過ぎるのであまり参考にはなりませんが、近年の近隣供給事例で言うと、オープンレジデンシア東十条(2020年分譲/東十条駅徒歩5分/約330万円※線路沿い)、エクセレントシティ十条(2021年分譲/十条駅徒歩5分/約360万円)、ザ・パークハウス十条(2022年分譲/十条駅徒歩4分/約355万円)があります。
直近のザ・パークハウス十条の上層階(この物件で言う低層階)が300万円台後半で、高層階をベースにするとこの物件の低層階(多くが事業協力者住戸ですし第1期は販売がない)は400万円程度(ファミリータイプの場合※コンパクトだともっと高くなるでしょう)と考えるのが妥当なため、大きな違和感はないでしょうね。
中古の直近1年の成約事例(50㎡台以上)を見ても城北エリアの埼京線沿線ではプラウドシティ赤羽(赤羽駅徒歩4分)が380~420万円台で複数成約、プラウドシティ池袋本町(板橋駅徒歩2分)が350~420万円台(1件だけ450万円台)で複数成約、さらに、京浜東北線沿線では、王子飛鳥山ザ・ファーストタワー&レジデンスが320~380万円台、ザ・ガーデンズ東京王子が300~340万円台といった感じですので駅徒歩1分のゆるぎないランドマークタワマンでのこの水準はむしろ控えめと言って良いのかもしれません(毎月の市況分析で述べているようにそれぐらい今の中古の価格が強烈ということ)。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、天然石の水回り天板が備わっているだけでなく、LDに加え主寝室にも床暖房が備わっているのは嬉しいですね(さらに第1期はキッチンカップボード、廊下・洗面・トイレ床などが無償セレクト可)。
38~39階のプレミアム住戸はビルトインエアコン、廊下・洗面・トイレ床のタイル貼、そして全熱交換器搭載などかなりグレードアップします。
管理費は359円/㎡。ディスポーザー、内廊下、各階ゴミ置場、コンシェルジュサービス、さらに商業下駄履きゆえの24時間有人管理の人件費負担もあるはずなのでかなりリーズナブルですね。
タワマンの中でもスケールの大きな方(スケールメリットがある方)ではあるものの、これだけそろっていると400円/㎡を超えるのが近年の大方のケースです。
駐車場は全177台で建物内部(入庫は地下1階から)のタワーパーキングになります。
関連記事
- シティテラス赤羽ザ・イースト【7,000㎡超を生かした優雅なエントランス、共用施設は相互利用可】5階67㎡7,600万円(坪単価373万円)
- シティテラス赤羽ザ・イースト【エリア最大、環境面での魅力も高い駅徒歩8分】8階73㎡9,300万円(坪単価421万円)
- ザ・タワー十条【全体的に違和感はないが、タワマンとして凄く特徴があるわけでもない】29階77㎡11,040万円(坪単価476万円)
- ザ・タワー十条【北区最高層、角住戸プレミアムは小さ目】31階78㎡11,640万円(坪単価493万円)
- プラウド町屋【なかなかの間取り…①】4階40㎡3,998万円(坪単価332万円)