2022年8月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると2022年8月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数1,162戸(前年同月比40.1%減)
1戸あたり価格6,102万円(前年同月比18.1%ダウン)
契約率62.0%(前年同月比11.0ポイントダウン)
とのことです。
※いつもはもっと早くに取り上げるのですが、タイミングを逃し今に至りました…。申し訳ありません(汗)

発売戸数に関しては、前月の記事で、
「昨年の8月はお盆のわりに盛り上がりを感じたのですが、今年は例年通りお盆休みを取っているところが多いように思いますし、お盆前後もかなり低調な販売と感じているので、8月も低調な数字になるのではないでしょうか」
と述べた以上の低調な結果になりました。不動産経済研究所の予測の1,500戸も大きく下回っています。

ただ、在庫に関しては前月末比で364戸も減少した4,762戸で、2015年11月以来の4,000戸台になっていることを鑑みればけして売れていないわけではなく、前月の記事でも述べたように秋商戦に向けてマグマが溜まっている(目玉物件の販売待ち)という感覚の方が強いですね。

契約率は三か月連続の60%台で、三か月連続で70%を切るのは2020年11月~2021年1月以来のことになりますので、一見するとかなり市況が悪化しているような感覚にもなるのですが、在庫がここまで少ない状況ではデベロッパーに深刻さは生まれないでしょうね。

在庫の中には”旧価格”のような物件も存在しているのも事実で、新規物件の価格上昇により在庫が減少している側面(新規物件の価格が受け入れられているとはいい難い側面)もあるにはあるのでしょうが…。

なお、価格に関しても低調で、とりわけ目玉になるような物件がなかったとはいえ、億ション比率が7.6%とまずまず高いわりには価格が低いと感じますね。これで5ヶ月連続で平均価格が6,500万円未満ということで、前月の記事でも述べたように依然として秋商戦に向けての谷間期間の様相です。

秋商戦が本格化するのは10月以降になりますが、9月は2つの三連休があった中旬以降に急速に盛り上がりが出てきており、ザ・パークハウス戸越公園タワー(第1期65戸)、ヒルサイドフォレスト横浜戸塚(第1期65戸)、プラウド文京千石スクエア(第1期32戸)、リストレジデンス武蔵野御殿山(第1期34戸)、そしてザ・パークハウスグラン三番町26(第1期40戸※最高価格115,800万円)など話題性のある物件が供給されましたので、特に平均価格に関してはここ数ヶ月とは異なる数字になりそうですね。

続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの8月の月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
2,346件(前年同月比-10.3%)
67.29万円/㎡(前年同月比+13.7%)
4,280万円(前年同月比+13.4%)
専有面積63.60㎡(前年同月比-0.2%)
築年数23.87年(前年同月23.54年)

前月(7月)は久しぶりに前年同月比で成約件数が伸びていたのですが、8月はまた減少しており昨年末あたりからのあまりに急激な価格上昇の影響が未だ存在している印象にはなります。

価格に関しても、4月の直近高値68.72万円/㎡以降、「65.61(5月)⇒66.99⇒68.51⇒67.29(8月)」とギリギリ高値更新手前で踏みとどまっている印象で、さらなる高値更新へのハードル(高値抵抗感)はそれなりに高そうではあります。

ただ、そういった中でも新規登録単価は7月の72.27万円/㎡を超えた72.78万円/㎡と最高値を記録していますし、在庫単価も同最高値の73.24万円/㎡にまで上昇しているので成約単価の高値最更新も時間の問題という印象にはなってしまいますね…。

在庫に関しては前月に比べ300戸弱増加し、依然として増加基調(前年同月比10.8%増)にあるので買い手が冷静に価格を判断している様子が窺えはするものの、中古に関しても9月以降は年末に向けて取引が活発化してきますので新規物件や在庫がよほど増えてこない限りは高値最更新の可能性が高いと感じています…。

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