アトラスタワー五反田【好奇の目にさらされるが故?の素晴らしきパフォーマンス】17階59㎡12,498万円(坪単価702万円)

続けて、アトラスタワー五反田。

設計はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES、施工は西松建設です。
制振構造が採用され、制振ダンパーは17階まで入っていますので大きな違和感はないでしょう。

「ネクストアーキテクト&アソシエイツ×旭化成」のデザインの素晴らしさは読者の方ならばご存じかと思いますし、直近のアトラスタワー白金レジデンシャルのデザインもひっじょ~に素晴らしかったのですが、前回の記事で書いたように当物件は地面師詐欺の舞台として好奇の目にさらされざるを得ない海喜館跡地の物件ということで歴代のアトラスの中でも一位二位を争うぐらいデザイン(ランドプラン)に力を入れていると感じますね。

敷地面積は2,100㎡に満たずタワマンとしては小ぶりな方、また、空地率も約47%とむしろ小さいぐらいの印象になるのですが、平面図(ランドプラン)を見ると全くもってそのように感じない豊かなアプローチ(前庭)が敷地東側に存在しています。

アプローチ(前庭)は海喜館時代を踏襲しつつも昇華したもので、植栽豊かな和の趣の深い空間になっているのですが、その手前に一目見たら忘れられないぐらい存在感・重厚感のある門があり、かつ、敷地周囲を築地塀で囲うことで、歴史ある地の趣を高めているあたりもとても上手ですね。当物件は上述のように完成後も道行く人から好奇の目にさらされること必至ですし、門と築地塀が内なる庭の"結界"となっていることの意味合いは非常に大きなものと言えるでしょうね。

また、前庭(アプローチ)だけでなく、エントランス内部(屋内)もゆとりある設計が採用されており、玄関ホールとエントランスホールという2つに分かれたそれぞれの空間が共に2層吹抜になっていることに驚かされます。
それぞれの空間は面積的にもしっかりとしているのですが、特にエントランスホールは三面ほぼ全てが窓(2層分のハイサッシ)になった大空間で、これは圧倒されますね。

共用施設としては、2階のそのエントランスホールを見下ろすことが出来る位置にラウンジがある他、フィットネスルームとゲストルーム(電気室も2階になっており洪水対策も万全)、さらに3階にライブラリーラウンジとワークブース(大×1、小×7)、そして屋上にスカイデッキという形で総戸数213戸のスケール以上充実具合がありますね。デザイン的にも"いちいち"拘りを感じるものになっています。

また、外観デザインは、コーナー部のダイレクトサッシ周りの庇による凹凸、そして三重のように見える最上部の庇のデザインが良いアクセントになっていますね。茶系などを用いたカラーリングも桜並木との相性の良さを感じます。

前回のアトラスタワー五反田

公式ホームページ
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お部屋は59㎡の2LDK、南向き中住戸です。将来的な保証まではありませんが、前回の記事で書いたように周囲はとりわけ高い建物はなく15階未満のものが多いためこのお部屋からは良好な眺望が楽しめます。
目黒川は北側ですし、こういった中住戸からは目黒川の流れを追うことが出来ないのは残念ですが、日照は抜群ですね。

間取りはこの面積帯ではこれ以上ないぐらいの超ワイドスパンになります。

柱のアウトフレームもきれいですし、LDのワイドな開口部に加え、洋室1~2にかけて連窓サッシを導入しているあたりも素晴らしい点ですね。洋室~洋室への連窓サッシはあまり見かけることのないもので、可能な限り開口部を充実させようとしている様子が窺えます。

収納は若干少な目ですし、浴室も1418ではなく1317なのはちょっと残念ではあるものの、その分、居室畳数が豊かですね。

坪単価は702万円。東京タワーなど特別魅力的なものが望めるわけではないのですが、眺望的な抜けが得られるワイドスパンタイプのためかなりしっかりとした単価設定になっています。
面積差があるのでグロスでは大きな差がありますが、より上の階の南東角住戸よりも高い設定ですので、少なくとも"正攻法のお値段設定"ではないですね。ワイドスパンだからといって角住戸よりも優れているというのは過大評価だと思いますし、階数(20階台に比べ将来的なリスクは高い)から言ってももう少しこなれた水準が相応だったように思います。

ちなみに、目黒川沿い(北側)の低層階はリバービューや桜ビューが影響し、600万円台中盤が多くしっかりとした単価設定になっているのですが、それ以外の向きの低層階には500万円台後半もあるお値段設定で、平均としては700万円ちょっとになるでしょうか。

近年分譲されたものの中では最も比較対象として適切と思われるプラウドタワー目黒マークの平均坪単価約680万円(分譲中のため暫定)を上回っているのですが、こちらの単価レンジが概ね500万円台後半~900万円ちょっとであるのに対し、プラウドタワーは500万円台前半~1,000万円超まで幅が広くなっており、前回の記事でも述べたように比較するお部屋によって印象は異なりますね(共に単価レンジが広いですし平均で論じるのはナンセンス)。

なお、直近の中古成約事例(レンジ)としては、以下の物件が参考にしやすいでしょうか。
プラウドタワー東五反田(2008年築)530~570万円、パークタワーグランスカイ(2010年築)510~640万円、クレヴィアタワー池田山(2016年築)540~590万円、シティタワー目黒(2017年築)560~640万円

築年差もありますし、もちろん駅距離や立地条件に差がありますので一概には言えないのですが、感覚的に言えば新築のこちらの物件の平均的な条件のお部屋が600万円台中盤ならば妥当といったところですかね。※毎月のように言及しているように直近は中古価格の上昇がとんでもないことになっているので新築との差は以前よりも控えめに見積もるぐらいで良いような気がしています。

ちなみに、第1期は61戸の供給で、最低額住戸でも億を超えていることを考えれば悪くないスタートと言えるでしょう。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、水回りのフィオレストーン天板はもちろんのこと、ミストサウナ、日ポリ化工の浴室(天然石やタイルを用いたもの)、LDビルトインエアコン、玄関電気錠など単価帯なりに充実しています。
プレミアム(28~30階)はシーザーストーン天板、挽板フローリング、廊下の600角タイル貼に加え全熱交換器が搭載されているのは嬉しいですね。

管理費は538円/㎡。ディスポーザー、内廊下に加えコンシェルジュサービス、各階ゴミ置場が備わっているので仕方のないことですが、小ぶりなタワマンということもあってかなり高いですね。
価格帯自体がかなり高額な物件ですので許容範囲内だとは思いますが、ゴミ置場が1フロア2カ所あるので手間(人件費)が余計にかかっていそうな印象ではありますね。ゴミ置場が二重扉(内廊下との間に前室などを挟んでいないということ)になっていないのも気になる点の1つです。

駐車場は全61台で身障者用の1台のみが平置、残りの60台(うち3台は事業協力者使用予定)がタワー内の機械式になります。

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