2022年9月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると2022年9月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,036戸(前年同月比11.9%減)
1戸あたり価格6,653万円(前年同月比1.0%アップ)
契約率61.6%(前年同月比6.1ポイントダウン)
とのことです。

9月は2つの三連休があった中旬以降に秋商戦が盛り上がり、ザ・パークハウス戸越公園タワー(第1期65戸)、ヒルサイドフォレスト横浜戸塚(第1期65戸)、プラウド文京千石スクエア(第1期32戸)、リストレジデンス武蔵野御殿山(第1期34戸)、そしてザ・パークハウスグラン三番町26(第1期40戸※最高価格115,800万円)など話題性のある物件が供給され、特に三番町26は最高115,800万円、最低でも14,100万円の40戸だったので、平均価格をかなり押し上げると思っていたのですが、そこまでではなかったですね。

パークタワー勝どきサウス(第1期3次157戸)、プラウドタワー目黒マーク(第1期88戸)が分譲された今年2月やパークコート神宮北参道ザ・タワー(第1期1次160戸)がカウントされた昨年8月のように平均価格は7,000万円台までいくのでは?と思っていたのですが、40戸で戸数的なインパクトが小さかったためかそこまででは伸びなかったようです。

三番町26が強く影響し、今月は2億超のお部屋が36戸も供給され、億ション比率は10.4%と高めではあるものの、それらの7,000万円台となった月の約15%という水準にまでは達しておらず、突出した40戸だけでは限界があるということです。
ざっくり計算した感じだと三番町26を除いた価格はここ数ヶ月の平均的な水準である6,200~6300万円程度になりますし、個々の物件を見ていると”新価格”と感じるものもあるのですが、現状、平均のデータからは目立った価格上昇を感じにくい状況にはなっています。

なお、契約率は今月も60%をギリギリ超えたに過ぎない低水準で、これで4ヶ月連続の60%台になります。また、販売戸数も低調ですし、在庫数も前月のように大きく減少してはいません(8月末比35戸の微増)。
上で挙げたような話題性のある物件がボチボチ出てきている状況での数字ですし、これまで言及しているようにやはりまだまだハルミフラッグに望みをかける方は少なくないと感じています(一部の割安感のある物件との二極化が進んでいる)。

続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの月の月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
2,990件(前年同月比-5.9%)
69.10万円/㎡(前年同月比+11.2%)
4,421万円(前年同月比+11.0%)
専有面積63.97㎡(前年同月比-0.2%)
築年数23.11年(前年同月22.83年)

前月の記事で、
「そういった中でも新規登録単価は7月の72.27万円/㎡を超えた72.78万円/㎡と最高値を記録していますし、在庫単価も同最高値の73.24万円/㎡にまで上昇しているので成約単価の高値最更新も時間の問題という印象にはなってしまいますね…。
在庫に関しては前月に比べ300戸弱増加し、依然として増加基調(前年同月比10.8%増)にあるので買い手が冷静に価格を判断している様子が窺えはするものの、中古に関しても9月以降は年末に向けて取引が活発化してきますので新規物件や在庫がよほど増えてこない限りは高値最更新の可能性が高いと感じています…。」

と述べたのですが、やはり杞憂ではなかったようです。
わずかではありますが、今年4月の68.72万円/㎡を超え、高値を最更新してしまいました…。

今月の新規登録単価も72.60万円/㎡と高値水準を維持していますし、依然として売り手優位(新規登録単価・在庫単価の水準に引っ張られ、高値で成約する)の市場環境ということになるでしょう。

最高値更新と言ってもわずかですし、若干の頭打ち感(ここ1年ほどの間の上昇度合いがあまりに大きいため)があるようにも思うのですが、新規登録単価と成約単価の差は3.5万円/㎡と2021年1月以来の水準まで狭まってきており、”新規登録単価の上昇余地”が出てきてしまっているのも気になりますね。

一方で、新規登録件数は2020年3月以来の15,512戸(※)と今月はかなり多く、在庫件数も前月に比べ930戸と大幅に増えています(前年同月比で13%増)。ここ1年ほどの在庫件数増加の流れは確かなものになっており、今後この流れがさらにスピードアップするようなことになると(供給が明確に勝つような状況になると)価格下落圧力が出てくるでしょう。

なお、新築に話を戻すと、10月は3,000 戸の供給が見込まれています。
ザ・タワー十条(第1期1次105戸)、アトラスタワー五反田(第1期61戸)、ジオ品川天王洲(第1期1次50戸)、ブランズ牛込柳町(第1期47戸)、プラウド御茶ノ水(第1期64戸)など続々と話題性のある高額物件が供給されていますので、平均価格は高くなるように思いますし、そういった中でも契約率はここ最近よりは高くなるのではないかと思っています。
新築に関しては在庫自体がちっとも増えないので、契約率が少々悪かろうが市況への影響はあまりないはずですが、秋商戦が本格化する10月も65%未満にとどまるようだと高値警戒感がかなり強い(物件を見る目がより厳しくなっている)と言えるでしょうね。

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