ザ・パークハウス曳舟【賑やかな立地を逆手にとった特徴的なデザイン】2階55㎡5,068万円(坪単価302万円)

続けて、ザ・パークハウス曳舟。

設計は長谷川建築企画、施工は南海辰村建設、デザイン監修は林国美&アトリエアールになります。

ザ・パークハウス経堂レジデンス以来、わりと久々の南海辰村建設起用のザ・パークハウスですね。自業自得とはいえ未だ風評被害的な影響を受け続けている南海辰村建設ですが、これまでも数多くの三菱地所物件(ブログ内検索「パークハウス 南海辰村」)を手掛けていますし、他デベロッパー物件での実績も豊富で、特にサンウッド青山サンウッド赤坂丹後町などサンウッドの都心高額物件での起用が目立ちます。

こちらはそのザ・パークハウス経堂レジデンスの他、ザ・パークハウス二子玉川ガーデンザ・パークハウス駒沢レジデンスなどでも起用されていた林国美&アトリエアールが起用されていることからもお分かりのようにエリア・価格帯以上にデザインに力を入れた物件で、敷地北側、東向島交差点方向からの佇まいに特徴がありますね。

前回の記事で述べたように東向島の交差点は水戸街道と明治通りが交わる大変交通量の多いところですし、北東にガソリンスタンド、南東にスカイツリーラインの高架があるなど、非常にクセの強い立地なのですが、そのような目立つポジション(一目にとまりやすいポジション)を逆手にとったデザイン・共用面での演出は的を射たものと言えるでしょう。

交差点に面した敷地北側コーナー部のエントランスの手前にはピロティ上のゆとりあるスペースが迎賓空間として設けられており、かつ、風除室を2層吹抜とし、ガラス面豊かにしているあたりも上手ですね。エントランスホール自体は2層吹抜ではありませんし、惜しいというかセコイといったような印象がないと言えば嘘になるのですが、敷地面積約1,300㎡ととりわけスケール感のある物件ではないですから仕方ないところではあるでしょうか。
外観デザイン的にもその北側コーナー部には垂直ラインを強調したボーダータイルの演出がなされており、そのピロティ上のエントランス周りと共に交差点を行きかう人や車からの視線を集めることでしょう。

共用施設としては、エントランスホールの奥にはソファセットに加え、リモートワークなどにも対応する大きなテーブルもあるラウンジ(集会室)が設けられています。
方角的(ランドプラン的)に住戸からは隅田川の花火大会やスカイツリービューとなるものは少ないのですが、屋上からであればどちらも特等席になるので、共用施設として屋上テラスなどがあると良かったようには思いますね。

前回のザ・パークハウス曳舟

公式ホームページ
SnapCrab_NoName_2022-10-24_10-43-10_No-00.png
お部屋は55㎡の2LDK、西角住戸です。南西側には隣接して10階建マンションがあるため、開口部は設けられていませんが、ポジション的には角住戸になります。北西側は水戸街道が走っているので前建までの離隔はそれなりにあるものの、やはり向かいはマンション(14階建)になりますので少々の圧迫感は伴いますね。
音の面ではやはり二重サッシになっているので影響は限定的です。

間取りは50㎡台中盤のオーソドックスな大きさの2LDKなのですが、玄関・廊下がクランクイン設計になっており、なおかつ、LDの入口付近の実質的な廊下部分も大き目ではあるので効率面は芳しいものとは言えないですね。

クランクインであることでプライバシー面に優れてはいるものの、LDKでの12.1畳は小さく感じてしまいます。

また、先ほどのプラン以上に開口部の少ない角住戸で、洋室2も行灯部屋になるなど採光面もちょっと心配ではありますね。
このポジションであれば二重サッシになるのは当然のことではあるのですが、二重サッシは一般的なサッシ(ペアガラス)と比べるとサッシ縁が二重になる分開放感が薄れてしまうところがありますし、こちらのプランはサッシ幅も短いです。

坪単価は302万円。水戸街道沿いで日照もほぼ得られないポジションということで物件内で下限の水準になっています。
3LDKなどのいわゆるファミリータイプに比べれば資産価値を考える上で騒音や日照の影響は緩和されるはずで、このご時世の約300万円であれば現実的な設定なのだと思います。上述のように上層階でも視界良好とはならないため坪単価は320~330万円ほどとレンジも狭いですね。

南東向きの中住戸は線路沿い(高架沿い)ですが、視界・日照は良好のため坪単価360~370万円台といったところで、物件平均としては330~340万円ほどになるでしょうか。

近年の供給事例としては、パレステージ曳舟Ⅱ(2018年分譲/曳舟駅徒歩5分/約280万円)、ライオンズ東向島ミレス(2018年分譲/東向島駅徒歩4分/約280万円)、デュオヴェール東京東向島(2019年分譲/八広駅徒歩4分/約280万円)、デュオステージ京成曳舟(2020年分譲/京成曳舟駅徒歩10分/約305万円)といったところでいずれも平均専有面積30~40㎡台のコンパクト主体の物件なのであまり参考にならないですね。
ファミリータイプ中心の物件で言うと直近は2017年分譲のイニシア墨田(東向島駅徒歩4分/約240万円)になるでしょうか。

稀に見るほどの賑やかな立地ではあるのでそれをどこまで織り込むか次第ではあるのですが、曳舟・京成曳舟駅が徒歩15~16分だったイニシアとは曳舟駅界隈へのアクセス性が大きく異なりますし、このレベルの利便性ありながらの300万円そこそこであれば現実的な設定だと思いますね。

設備仕様面は、スケールなりのディスポーザー、そして食洗機、トイレ手洗いカウンターも付いているので違和感はないでしょう。
なお、前回の記事で述べたように立地なりに窓に力を入れていて二重サッシの内窓には「エコ内窓Biew」、また、ペアガラスとなる部分にもソノグラスを採用した「防音合わせペアガラス」を採用したことで遮音性だけでなく防犯性や断熱性も高められています。

管理費は279円/㎡。ディスポーザー付の内廊下ですので300円未満はリーズナブルですね。
ちなみに、エレベータ―が総戸数99戸で1基と少なくなっていることも管理費安の要因となるはずで、一般的な感覚で言うと「90戸で1基がギリギリ」という印象になるのでちょっと心配ですね。
当物件は50㎡台が中心になるので60~70㎡台中心の物件に比べると世帯人数は少ないのだとは思いますが、1階に住戸のない物件なのでほぼほぼ純粋な99戸に1基なんですよね…。

駐車場は全20台で身障者用を含む4台が平置、残りの16台が機械式になります。

0 Comments



Post a comment