ザ・パークハウス南麻布【駅徒歩2分、短い定借】10階93㎡20,980万円(坪単価746万円)

ザ・パークハウス南麻布。

所在地:東京都港区南麻布5-77-6(地番)
交通:広尾駅徒歩2分
用途地域:第一種住居地域
階建・総戸数:10階建、26戸

先日のザ・パークハウス広尾に次ぐ、広尾駅至近のザ・パークハウスで、こちらは南麻布5丁目に誕生する物件になります。聖心女子大学の御膝元ポジションで落ち着きも窺えた広尾5丁目のザ・パークハウス広尾とは大分趣が異なる外苑西通り沿いのポジションですね。
通り沿いの賑やかさはあるものの、より駅に近い徒歩2分、そして、東側に第一種中高層住居専用地域の低層住宅街が広がる住居系地域(外苑西通り沿いでもここいらへんは商業地域ではない)という点もポイントになります。

一方、敷地面積は400㎡ちょっとという小規模ながら定期借地権、しかも期間は約50年ということで近年の定借物件の中では期間がかなり短いのは残念でなりません。もともとは天理教の建物があったことからお分かりのように地主は天理教で、東側には教会が隣接する少々クセのある立地でもあります。

ただ、定借である分価格が安く出来ているところはありますし(下部で詳細を述べますが、価格に前払賃料がかなり大きく含まれているがゆえに月額地代はリーズナブルです。月額の解体準備金は結構高いですけど…)、小規模ながらもプランをかなり特色のあるものに仕上げることで個性を生み出しているあたりにも好感が持てますね。

買物便はスーパーで言うと、F&Fが徒歩4分、明治屋と広尾ガーデンヒルズのナショナル麻布が徒歩5分、そしてナショナル麻布の本店も徒歩6分ほどの距離感になります。

また、通学区も笄小学校の徒歩5分と良好ですね。

公式ホームページ
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お部屋は93㎡の3LDK、西・東・北の三方角住戸になります。当物件の配棟は全戸西向き(外苑西通り向き)なのですが、上述のように東方向近いところから第一種中高層住居専用地域が広がり中層階以上では視界抜けが得られることから、中層階以上のプランにおいては東側(共用廊下側)にLDを配置した一風変わった提案がなされています。

第一種中高層住居専用地域の最高高さ制限は24mとそこそこですが、同時に第3種高度地区の斜線制限や日影規制もあるためかなり南北に長い大きな土地でない限り高い建物は難しく、実際3~4階建程度のものがほとんどですね。
東側は接道しておらず、そのように天理教の教会なのは気になる点の1つではあるものの、将来に渡り視界抜けが保たれるであろう眺望良好な最上階住戸になります。東京タワーも上部ならば見えるみたいですね。

ちなみに、西側は外苑西通り沿いですが、向かいには広尾学園の建物が屏風のように広がっており最上階でも視界は妨げられます。

プランは物件内で最も大きなもので最上階のみに設けられています。最上階を除くと1フロア3戸ですが、最上階だけは1フロア2戸設計になっています。

最大のポイントは、その東側の視界を生かしたLDの配置でしょう。
“玄関寄り”ながらも玄関扉からのアプローチ上の距離はそれなりに図れていますし、玄関とLDが近いことで廊下も非常に短く出来ているので立地を生かした好設計と言って良いように思います。
LDのダイレクトは床上すぐのところから天井間際までのタワマン顔負けのハイサッシになっているのも素晴らしい点ですね。
下階プランの同じ位置の開口部上部には普通に太い梁があるのですが、こちらは最上階で上部に余裕があるためか室内からは梁が見えない設計になっています。

洋室2・3はいわゆるリビングスルー設計になるので好みの分かれるところですが、玄関側の廊下をこれだけコンパクトにしつつ洋室1と洗面浴室をノンリビングインに出来ているのは素晴らしいですね。
※玄関扉の正面にトイレ入口があるのは微妙ですが…。

坪単価は746万円。駅徒歩2分とはいえ、定期借地権約50年物件にしちゃなかなかのお値段…と思われるかもしれませんが、販売価格には約7,000万円の前払賃料(地代)が含まれており、その分、月額地代が81円/㎡とかなり抑えているのでこのご時世を鑑みれば大きな違和感はないように思います。

第1期は16戸の分譲ですし、2階の階高4.5mのスキップフロアプランは次期以降になっているので平均坪単価は未確定なのですが、620~630万円ほどになるでしょうか。こちらは眺望の良い最上階に1戸だけある目玉プランなのでプレミアムが乗っていますが、低層階は500万円台中盤~600万円といったものが多くなっていますね。

近年の近隣供給事例で言うと、サンウッド広尾(2019年分譲/駅徒歩1分/約695万円)、レフィール南麻布(2019年分譲/駅徒歩10分/平均専有面積180㎡超の物件で平均単価も1,000万円超)、オープンレジデンシア恵比寿コート(2022年分譲/駅徒歩9分/約565万円)、ロイヤルシーズン南麻布ヒルサイド(2022年分譲/駅徒歩11分/約675万円)、ザ・パークハウス広尾(2022年分譲/駅徒歩4分/約835万円※先日、全戸一括で販売され、既に完売しています。早い…)、といったものがあります。

物件属性がかなり異なるとはいえ残期間が40年ほど(新築時約50年)と短くなった広尾ガーデンフォレストが600万円台を中心に取引されているぐらいですし、上述のように地代の多くが販売価格に含まれていることを鑑みれば悪い水準ではない(定借なりの水準)と思いますが、期間約50年なので昨今の主流である約70年の物件と比べれば地代のトータルが安くなるのは当たり前のことですし、月額地代は安くともなんだかんだランニングコストが以下のようにかなり高いのは気になる点でしょう。

解体準備金が282円/㎡とかなり高くなっており、小規模物件ゆえに管理費も583円/㎡と嵩んでいます。管理費+地代+解体準備金、そしてそこに修繕積立金を加えると約1,150円/㎡にもなってしまうのです。

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