ディアナコート祐天寺レジデンス【曲面を描くロートアイアンバルコニー】4階43㎡8,090万円(坪単価618万円)

続けて、ディアナコート祐天寺レジデンス。

設計は現代綜合設計、施工は片山組、デザイン監修はアーキサイトメビウスです。
アーキサイトメビウスの担当は櫻井氏で、ピアース白金台三丁目ディアナコートたまプラーザ同様ですね。

同じディアナコートということもあってか全体的にディアナコートたまプラーザとの共通点を感じる物件なのですが、当物件の大きなポイントとなるのが駒沢通り沿いの南東面の設計(デザイン)でしょう。

南東面の住戸のバルコニー手摺にはロートアイアン(ブラックの縦格子手摺)が用いられているのですが、ハンマーで叩いた模様が残る手づくりならではの趣があり、かつ、それらが緩やかなカーブを描いているためとても存在感がありますね(イメージCGでのインパクトはそこまで感じないかもしれませんが、実物はかなり見栄えがするのではないかと思っています)。
最上部の庇もそれに合わせるように曲面設計が採用されていますし、このぐらいのスケールの物件のアイキャッチとしては十分なものと言えるでしょう。
外壁タイルにも近年のモリモト物件を中心に頻繁に採用されている織部製陶のクレイマイスターライトが使われているので風合いが良いですね。

エントランスホール自体は普通の1フロア(2層吹抜などではないという意味)にはなりますが、風除室はもちろんのこと(昨今のピアースはないものが多いので…)、ホール脇にはラウンジもあるなど、総戸数64戸なりのスケールを感じます。

小規模ながらも2層吹抜のエントランスを実現し、デザイン的なインパクトも高かったピアース祐天寺と比べると若干大人しい印象にもなるのですが、平均的な物件とは比べるべくもないモリモト物件ならではのパフォーマンスですね。

なお、当物件の主要部は最高高さ20m制限の近隣商業地域に位置しており、駒沢通り沿いの近隣商業地域内にも7階建のマンションが多くなっているのですが、こちらは6階建になります。

“同じ容積率の確保”を前提にすると、7階建とした方が空地を増やせるというメリットがあるのですが、20mの7階建だと基本的に直床が強いられてしまいますし、そもそも空地を大きく出来るような条件ではないため、この物件のように建物1階部分に駐輪場や駐車場を設け、建物自体を敷地一杯(といっても空地率は31%ほどあります)に配棟するのが無難とも言えそうですね。二面が接道しているので、敷地周囲に特段のゆとりを設けなくとも悪い条件にはならないですしね。

前回のディアナコート祐天寺レジデンス

公式ホームページ
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お部屋は43㎡の2LDK、北向き中住戸です。こちらのプランは北向き住戸の中でも駒沢通り寄り(東寄り)に位置しており、駒沢通り沿いは近隣商業地域(第2種高度地区×最高高さ20m)になるので内側の第一種住居地域(第2種高度地区×最高高さ17m)に比べると高い建物が立つリスクがあります。ただ、高度地区などの斜線制限の影響で敷地が大きくないと難しく、実際、道路の向かいは多くが3階建になっています。
方角的に日照は得られませんが、この階でも視界抜けが出てくるぐらいの良好なポジションですね。

間取りは43㎡という住宅ローン控除の適用を考慮したと思われる狭小2LDKになります。限界まで玄関・廊下をコンパクトにしたことでLDKで11.3畳を確保するなど2LDKとして違和感の少ないものに出来てはいるのですが、ベッドルームの1室は3畳と小さい上、行灯部屋になっているあたりは難点になるでしょう。

また、柱の食い込み自体は抑えられてはいるものの、梁のライン(基本的に柱と柱を結ぶライン)は室内側に食い込んでいるため、窓際の梁の存在感が大きくなっています。
それによりマスターベッドルームの引き戸の方立てがかなり大きくなっており、いずれのベッドルームもLDとの一体感が低くなってしまっているのも残念ですね。

坪単価は618万円。低層階には500万円台中盤~後半のものもありますが、こちらは視界抜けが出てくる良好なポジションということで600万円超になっています。
物件全体で言うと、500万円台後半~600万円台前半が多くなっており、前回取り上げたような突出した価格帯のお部屋の影響を考慮すると平均で600万円台前半といったところでしょうか。

近年の近隣供給事例は、ディアナコート目黒祐天寺(2018年分譲/駅徒歩10分/約420万円)、ピアース祐天寺(2019年分譲/駅徒歩8分/約445万円)があるぐらいで、早いものでピアース祐天寺から3年以上の月日が経過しているのであまり参考にならないですね。

お隣の学芸大学駅は急行停車駅なので、単純に比較することは出来ませんが、ディアナガーデン鷹番(2020年分譲/学芸大学駅徒歩5分/約600万円)、クリオ学芸大学ザ・クラシック(2022年分譲/学芸大学駅徒歩9分/平均は500万円台中盤~後半)があり、その観点で言うと大きな違和感はないのですが、祐天寺のモリモト2物件と比べると短期間で随分と上がったものだと思いますし、ここはディアナガーデン鷹番ほどの立地・パフォーマンスとは思いませんので平均での600万円超はやや強く感じはしますかね。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、クオーツストーンのキッチン天板に加え、モリモトらしい廊下・トイレ・洗面床の600角タイル貼(※)、さらにLDだけでなく主寝室にも床暖房が付いています。
※70㎡以上のプランはLDまでタイル貼になります。

管理費は290円/㎡。ディスポーザー付の内廊下ですのでリーズナブルな印象です。総戸数64戸とはいえ、30~50㎡台が多い物件ですし(60~70㎡台は少なく、80・100㎡台はそれぞれ1戸のみ)、意外にも安いですね。

駐車場は全17台で身障者用のみが平置、16台が機械式になります。

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