2022年10月の首都圏マンション発売戸数
不動産経済研究所の発表によると2022年10月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,768戸(前年同月比34.7%増)
1戸あたり価格6,787万円(前年同月比0.5%アップ)
契約率71.9%(前年同月比0.5ポイントアップ)
とのことです。
10月は3,000 戸の供給が見込まれていたので、戸数としてはやや低調と言えるのかもしれません。
ただ、ザ・タワー十条(第1期1次105戸)、アトラスタワー五反田(第1期1次61戸)、ジオ品川天王洲(第1期1次50戸)、ブランズ牛込柳町(第1期47戸)、プラウド御茶ノ水(第1期64戸)、グランドメゾン目白坂テラス(第1期26戸)、ザ・パークハウス広尾(全戸一括19戸)、シティテラス中野(第1期22戸)など、続々と話題性のある高額物件の新規供給が行われたことで、平均価格は強め、また、契約率は5月以来の70%台になりました。
前月の記事で、
「新築に関しては在庫自体がちっとも増えないので、契約率が少々悪かろうが市況への影響はあまりないはずですが、秋商戦が本格化する10月も65%未満にとどまるようだと高値警戒感がかなり強い(物件を見る目がより厳しくなっている)と言えるでしょうね」
と述べましたが、70%超になったことから市況高騰下においてもやはり需要は弱くはないのでしょう。
とはいえ、これだけ話題性のある供給がありつつようやくギリギリ70%を回復したに過ぎませんし、それら新規の高額物件が多くを占めた23区の契約率自体は64.5%と思っていた以上に低調な結果になっていることを鑑みるとそうとはいいきれないところ(物件を見る目がより厳しくなっているところ)もあるかもしれません。
それら高額物件があり、恒例の億ション比率も約14.5%とかなり高いわりには平均価格が伸びていない印象ですしね。
※平均価格の伸び悩みには相対的に価格の高い23区内物件のシェアが例月よりも低かったことによる影響もあります。そういった話題性のある物件が多くありはしましたが、1物件あたりの供給戸数はそこまでではなく、相対的に供給が伸びたそれ以外のエリアのシェアが高まっています。
契約率の上昇要因として都下と神奈川県の80%超の契約率があり、とりわけ目玉となるような物件がない中での数字なので凄いですね。埼玉県及び千葉県も23区の契約率を上回っていますし、23区内の物件の高騰で、都下や3県に流れているところも少なからずありそうですね。
ちなみに、10月末の在庫数は4,945戸で前月末比148戸の増加となっています。
さて、来月11月は不動産経済研究所によると4,500戸が見込まれており、昨年11月の約5,500戸には及ばないものの、2018~2020年の11月の2,000~3,000戸台に比べかなり大きな数字ですね。
来月11月にかけてはハルミフラッグのパークビレッジとサンビレッジの2期2次の計185戸(119戸+66戸)が行われ、その他ブリリア目黒大橋(第1期1次36戸)、ルジェンテ上野黒門町(全戸一括37戸)あたりもありはしますが、タワマンなど超大型物件の新規供給はないはずですので秋商戦が本格化する時期とはいえどもそんなに多くはならないのかなと。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの10月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,072件(前年同月比-10.7%)
69.40万円/㎡(前年同月比+14.7%)
4,395万円(前年同月比+13.1%)
専有面積63.33㎡(前年同月比-1.4%)
築年数23.73年(前年同月23.13年)
前月(9月)の最高値(69.10万円/㎡)を若干ながらも最更新した形で、ジリジリと押し上げられた印象になります。
前月の記事で、
「最高値更新と言ってもわずかですし、若干の頭打ち感(ここ1年ほどの間の上昇度合いがあまりに大きいため)があるようにも思うのですが、新規登録単価と成約単価の差は3.5万円/㎡と2021年1月以来の水準まで狭まってきており、”新規登録単価の上昇余地”が出てきてしまっているのも気になりますね。」
と述べましたが、今月の新規登録単価も72.95万円/㎡と前月から微上昇にとどまりました。
とはいえ、そもそもそのように新規登録単価の上昇(売手市場)に歯止めがかかっていないあたりが買い手にとって厳しいところと言えますし、そうであるがゆえに成約単価も高値維持(わずかでも最高値更新)なのだと思います。
ただ、その一方で、10月も成約件数は前年同月比で10.7%減と大きく減りましたし(2022年において前年同月比で成約件数が増加しているのは「7月」の1月だけで、ほぼほぼ減少傾向にあります)、そういった影響もあり在庫件数がかなり増加してきているのは買い手にとっての救いでしょうか。
在庫の増加はここ数ヶ月毎月のようにコメントしてきているのですが、10月は9月に比べ1,000戸超も増加した4万戸超というのは2020年9月以来のことです。
コロナ禍突入前の在庫件数(2019年末~2020年初め頃は47,000戸前後)と比べるとまだちょっと差がありますが、9月も8月に比べ1,000戸弱増加していましたし、ここにきて若干の加速傾向が出てきているので、高値警戒感などが影響しこの傾向がもう数ヶ月続くようであれば、価格の下落可能性が高まるでしょう。
在庫の増加には、価格の影響が小さくありませんが、シンプルに新規登録件数が増加していることの影響も大きいですね。コロナ禍以降、新規登録件数が長らく低調だったのですが、ここ最近は新規登録件数が堅調なのです。
そのように9~10月は成約単価と新規登録単価の差が3.5万円/㎡ほどまで縮まってきているため、新規登録単価が上昇してもおかしくないのですが、”微上昇”にとどまっているのは在庫増加の影響が大きいとみています。
発売戸数2,768戸(前年同月比34.7%増)
1戸あたり価格6,787万円(前年同月比0.5%アップ)
契約率71.9%(前年同月比0.5ポイントアップ)
とのことです。
10月は3,000 戸の供給が見込まれていたので、戸数としてはやや低調と言えるのかもしれません。
ただ、ザ・タワー十条(第1期1次105戸)、アトラスタワー五反田(第1期1次61戸)、ジオ品川天王洲(第1期1次50戸)、ブランズ牛込柳町(第1期47戸)、プラウド御茶ノ水(第1期64戸)、グランドメゾン目白坂テラス(第1期26戸)、ザ・パークハウス広尾(全戸一括19戸)、シティテラス中野(第1期22戸)など、続々と話題性のある高額物件の新規供給が行われたことで、平均価格は強め、また、契約率は5月以来の70%台になりました。
前月の記事で、
「新築に関しては在庫自体がちっとも増えないので、契約率が少々悪かろうが市況への影響はあまりないはずですが、秋商戦が本格化する10月も65%未満にとどまるようだと高値警戒感がかなり強い(物件を見る目がより厳しくなっている)と言えるでしょうね」
と述べましたが、70%超になったことから市況高騰下においてもやはり需要は弱くはないのでしょう。
とはいえ、これだけ話題性のある供給がありつつようやくギリギリ70%を回復したに過ぎませんし、それら新規の高額物件が多くを占めた23区の契約率自体は64.5%と思っていた以上に低調な結果になっていることを鑑みるとそうとはいいきれないところ(物件を見る目がより厳しくなっているところ)もあるかもしれません。
それら高額物件があり、恒例の億ション比率も約14.5%とかなり高いわりには平均価格が伸びていない印象ですしね。
※平均価格の伸び悩みには相対的に価格の高い23区内物件のシェアが例月よりも低かったことによる影響もあります。そういった話題性のある物件が多くありはしましたが、1物件あたりの供給戸数はそこまでではなく、相対的に供給が伸びたそれ以外のエリアのシェアが高まっています。
契約率の上昇要因として都下と神奈川県の80%超の契約率があり、とりわけ目玉となるような物件がない中での数字なので凄いですね。埼玉県及び千葉県も23区の契約率を上回っていますし、23区内の物件の高騰で、都下や3県に流れているところも少なからずありそうですね。
ちなみに、10月末の在庫数は4,945戸で前月末比148戸の増加となっています。
さて、来月11月は不動産経済研究所によると4,500戸が見込まれており、昨年11月の約5,500戸には及ばないものの、2018~2020年の11月の2,000~3,000戸台に比べかなり大きな数字ですね。
来月11月にかけてはハルミフラッグのパークビレッジとサンビレッジの2期2次の計185戸(119戸+66戸)が行われ、その他ブリリア目黒大橋(第1期1次36戸)、ルジェンテ上野黒門町(全戸一括37戸)あたりもありはしますが、タワマンなど超大型物件の新規供給はないはずですので秋商戦が本格化する時期とはいえどもそんなに多くはならないのかなと。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの10月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,072件(前年同月比-10.7%)
69.40万円/㎡(前年同月比+14.7%)
4,395万円(前年同月比+13.1%)
専有面積63.33㎡(前年同月比-1.4%)
築年数23.73年(前年同月23.13年)
前月(9月)の最高値(69.10万円/㎡)を若干ながらも最更新した形で、ジリジリと押し上げられた印象になります。
前月の記事で、
「最高値更新と言ってもわずかですし、若干の頭打ち感(ここ1年ほどの間の上昇度合いがあまりに大きいため)があるようにも思うのですが、新規登録単価と成約単価の差は3.5万円/㎡と2021年1月以来の水準まで狭まってきており、”新規登録単価の上昇余地”が出てきてしまっているのも気になりますね。」
と述べましたが、今月の新規登録単価も72.95万円/㎡と前月から微上昇にとどまりました。
とはいえ、そもそもそのように新規登録単価の上昇(売手市場)に歯止めがかかっていないあたりが買い手にとって厳しいところと言えますし、そうであるがゆえに成約単価も高値維持(わずかでも最高値更新)なのだと思います。
ただ、その一方で、10月も成約件数は前年同月比で10.7%減と大きく減りましたし(2022年において前年同月比で成約件数が増加しているのは「7月」の1月だけで、ほぼほぼ減少傾向にあります)、そういった影響もあり在庫件数がかなり増加してきているのは買い手にとっての救いでしょうか。
在庫の増加はここ数ヶ月毎月のようにコメントしてきているのですが、10月は9月に比べ1,000戸超も増加した4万戸超というのは2020年9月以来のことです。
コロナ禍突入前の在庫件数(2019年末~2020年初め頃は47,000戸前後)と比べるとまだちょっと差がありますが、9月も8月に比べ1,000戸弱増加していましたし、ここにきて若干の加速傾向が出てきているので、高値警戒感などが影響しこの傾向がもう数ヶ月続くようであれば、価格の下落可能性が高まるでしょう。
在庫の増加には、価格の影響が小さくありませんが、シンプルに新規登録件数が増加していることの影響も大きいですね。コロナ禍以降、新規登録件数が長らく低調だったのですが、ここ最近は新規登録件数が堅調なのです。
そのように9~10月は成約単価と新規登録単価の差が3.5万円/㎡ほどまで縮まってきているため、新規登録単価が上昇してもおかしくないのですが、”微上昇”にとどまっているのは在庫増加の影響が大きいとみています。
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