グランリビオ浜田山【グランリビオのフラッグシップになる類まれな存在感】1階71㎡8,890万円(坪単価415万円)
続けて、グランリビオ浜田山。
設計は自由建築設計事務所、施工は淺沼組、そしてデザイン監修は船田アーキテクツになります。
船田アーキテクツは、大京の「ライオンズ」で多くの実績があり、船田アーキテクツが起用されたライオンズマンションのデザインが優れているのは読者の方であればご存じかと思うのですが、正直こちらのデザインは前回の記事で述べたようにいい意味で予想を裏切るもので、デザインだけを見て船田アーキテクツによるものとは予想できなかったですね。
船田アーキテクツが携わる物件は、漏れなくデザイン性が高い印象ではあるのですが、近年のライオンズは都心一等地などの高額エリアでの分譲はほとんどありませんし、デベロッパー(大京)の方向性(コストのかけ方)がここのような物件とは違うため、そういった船田アーキテクツ物件との類似性を感じることはなかったですし、”船田アーキテクツが高額物件に携わるとこんなに素敵でインパクトのあるものが誕生するんだ”というのが率直な感想になります。
前回の記事で述べたような外壁部分の木調グリッドデザインが最大のポイントであり、木調素材の利用に関しては近年の建築業界のトレンド中のトレンドではあるのでけして斬新な提案という感じではありません。とはいえ、順梁ながらハイサッシ(掃き出し窓・ダイレクトサッシ共に)を実現したことでガラスの透明感と木調素材の風合いが絶妙にマッチしていますし、高さが出せない第一種低層住居専用地域でのこの存在感の高さはスペシャルですねぇ…。
低層物件でここまで開口部を充実させるとプライバシー面が気になるところでもあるのでしょうが、カーテンなどでいくらでも対応できるのはもちろんのこと、この物件の場合はその細やかな木調ルーバーの配置により斜め方向からの視界を限定しているのが上手いと思いますね。デザイン性だけでなく実用性も合わせもった気の利いたデザインだと思います。
かなり長くなってしまいましたが、お次はランドプランです。
敷地面積5,000㎡超な上、空地率も約56%と高い水準を実現出来ている物件で、コの字配棟の3棟の中央(敷地中央)付近の中庭の存在感も凄いものがあります。
生物多様性保全に配慮したABINC認証に加え、緑の取り組みを評価するSEGES認定制度の2つの認証を受けた初の分譲マンションということでその緑の充実具合は折り紙付きですし、「庭屋一如」をコンセプトにデザインされた中庭は趣もあり、とても居心地の良さそうな空間ですね。
また、敷地西側のエントランスの先にはかなりゆったりとした大きさのラウンジがあるのですが、ラウンジの東側がその中庭に面しており、中庭に向かってほぼ全面が窓になっています。そのため、屋内外が連動した広がりのある空間設計という点でも文句のつけようのないものです。
エントランスアプローチ周りには石積みとシンボルツリーも施されますし、価格帯も価格帯ですがそれを補って余りが出るぐらい拘った物件という印象ですね。
中庭周りの空間を重視したためか、駐車場はやや少なめな印象ですし、車寄せスペースがないのはちょっと残念ではありますが…。
また、この高いデザイン性や高級感からすれば内廊下設計になっている方が自然ではあるでしょう。ただ、中住戸の開口部確保の観点から外廊下が採用されているのだと思いますし(※共用廊下との間に吹抜を多用することで吹抜側に開口部(ベッドルーム)を設計出来ますし、不可能ではないのですが…)、多くの住戸の玄関前から中庭が望めるのは気持ちが良いでしょう。
前回のグランリビオ浜田山。
公式ホームページ

お部屋は71㎡の3LDK、南向き中住戸です。敷地南端に東西に広がった南向きの棟の中央やや西寄りに位置しており、前方は戸建になります(南西方向には3階建の寮があり、戸建に比べると高め)。建築基準法上の地下1階住戸で、半地下などではなくガッツリ地下にはなりますが、テラスには十分な奥行がありますので太陽高度の低い冬場の一時期を除けば日照が得られるぐらいになるでしょう。南側が接道していればより良かったのは間違いありませんが、この敷地形状であれば敷地南端に南向きが配棟されるのは当然のことですし、奥行のあるテラスで前建との離隔を確保したことで日照が得やすくなっています。
また、共用廊下の一部は上部中庭方向に向かって吹抜設計になっているため、地階ながらも多少の風抜け(共用廊下側の窓を開けた場合の話)が期待できますし、地下住戸の中では"良い方"と言えると思いますね。
間取り的には田の字ベースではあるものの、共用廊下側の柱の食い込みが抑えられていますし、LD~洋室3にかけて幅のある「連窓サッシ×ウォールドア設計」が実現しているため、地階でも採光面は期待できそうです。
最大天井高は2.45m(全フロア)と低めではあるものの、そのようにサッシ高を2.2m確保しているため一般的な物件と比べサッシ幅・高さ共に高いパフォーマンスにあります。
※最高高さ10m制限の地上3階建ですので階高は十分とれるはずで、最大天井高はもう少し高く出来そうなものですが、常々言っているように最大天井高よりも目線が近い下り天井高が高く出来ている方が室内の広がりを感じやすいもので、こちらの扁平梁により下り天井高・サッシ高を高くした構造は好感の持てるものです。
70㎡に乗せた上で効率性も高いため、近年のトレンドにおいてはそこそこのゆとりを確保した中住戸と言えますし、2WAYのマルチクロークも使い勝手がよさそうですね。
坪単価は415万円。前回取り上げた最上階角住戸は大きなプレミアムが乗っていて突出した単価設定になっていましたが、中層階南向き中住戸は400万円台中盤で、地階にはこういった400万円そこそこのお部屋が多く存在しているので平均は460~470万円ぐらいになるでしょうか。
近隣供給事例としては、ここ2~3年に供給がなくちょっと前のものになってしまうのですが、ヴェレーナグラン浜田山(2018年分譲/駅徒歩9分/約410万円)、ザ・パークハウス浜田山季の杜(2016年分譲/駅徒歩7分/約385万円)、ディアナコート浜田山(2016年分譲/駅徒歩10分/約360万円)といったところで、やはりここ2~3年の相場高騰の影響が色濃く出た水準にはなってしまいますね。
ただ、2018年のヴェレーナグランから15%ほどの上昇に過ぎないですし、上述のような共用部の存在感の高さを鑑みれば400万円台中盤程度までのお部屋のコスパは悪くないように思いますね。
外廊下設計の田の字プランですので地味っちゃ地味ではあるのですが、中住戸は効率性も高いですからね。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗い器、フィオレストーンの水回り天板とこのスケール・単価帯の物件として大きな違和感のないものはそろっていますが、LDビルトインエアコンなどとりわけ高級感のあるものなどはなく、特に坪単価600万円台以上の高額住戸ともなると残念な印象になってしまいますね(そういったお部屋はいわゆる「プレミアム住戸」としてワンランク上の仕様を目指して欲しかったですね)。
なお、ゼッチの基準を満たすべくベッドルーム1室に床暖房が付いているのは良い点ですし、ゼッチ×低炭素認定という断熱やエコ性能の高さは魅力でしょう。
管理費は308円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での水準ですので大きな違和感はありません。植栽も充実した物件ですのでそれ相応の維持管理コストがかかるでしょうしね。
駐車場は全23台で来客用2台・身障者用1台を含む8台が平置、残りの15台が機械式になります。
設計は自由建築設計事務所、施工は淺沼組、そしてデザイン監修は船田アーキテクツになります。
船田アーキテクツは、大京の「ライオンズ」で多くの実績があり、船田アーキテクツが起用されたライオンズマンションのデザインが優れているのは読者の方であればご存じかと思うのですが、正直こちらのデザインは前回の記事で述べたようにいい意味で予想を裏切るもので、デザインだけを見て船田アーキテクツによるものとは予想できなかったですね。
船田アーキテクツが携わる物件は、漏れなくデザイン性が高い印象ではあるのですが、近年のライオンズは都心一等地などの高額エリアでの分譲はほとんどありませんし、デベロッパー(大京)の方向性(コストのかけ方)がここのような物件とは違うため、そういった船田アーキテクツ物件との類似性を感じることはなかったですし、”船田アーキテクツが高額物件に携わるとこんなに素敵でインパクトのあるものが誕生するんだ”というのが率直な感想になります。
前回の記事で述べたような外壁部分の木調グリッドデザインが最大のポイントであり、木調素材の利用に関しては近年の建築業界のトレンド中のトレンドではあるのでけして斬新な提案という感じではありません。とはいえ、順梁ながらハイサッシ(掃き出し窓・ダイレクトサッシ共に)を実現したことでガラスの透明感と木調素材の風合いが絶妙にマッチしていますし、高さが出せない第一種低層住居専用地域でのこの存在感の高さはスペシャルですねぇ…。
低層物件でここまで開口部を充実させるとプライバシー面が気になるところでもあるのでしょうが、カーテンなどでいくらでも対応できるのはもちろんのこと、この物件の場合はその細やかな木調ルーバーの配置により斜め方向からの視界を限定しているのが上手いと思いますね。デザイン性だけでなく実用性も合わせもった気の利いたデザインだと思います。
かなり長くなってしまいましたが、お次はランドプランです。
敷地面積5,000㎡超な上、空地率も約56%と高い水準を実現出来ている物件で、コの字配棟の3棟の中央(敷地中央)付近の中庭の存在感も凄いものがあります。
生物多様性保全に配慮したABINC認証に加え、緑の取り組みを評価するSEGES認定制度の2つの認証を受けた初の分譲マンションということでその緑の充実具合は折り紙付きですし、「庭屋一如」をコンセプトにデザインされた中庭は趣もあり、とても居心地の良さそうな空間ですね。
また、敷地西側のエントランスの先にはかなりゆったりとした大きさのラウンジがあるのですが、ラウンジの東側がその中庭に面しており、中庭に向かってほぼ全面が窓になっています。そのため、屋内外が連動した広がりのある空間設計という点でも文句のつけようのないものです。
エントランスアプローチ周りには石積みとシンボルツリーも施されますし、価格帯も価格帯ですがそれを補って余りが出るぐらい拘った物件という印象ですね。
中庭周りの空間を重視したためか、駐車場はやや少なめな印象ですし、車寄せスペースがないのはちょっと残念ではありますが…。
また、この高いデザイン性や高級感からすれば内廊下設計になっている方が自然ではあるでしょう。ただ、中住戸の開口部確保の観点から外廊下が採用されているのだと思いますし(※共用廊下との間に吹抜を多用することで吹抜側に開口部(ベッドルーム)を設計出来ますし、不可能ではないのですが…)、多くの住戸の玄関前から中庭が望めるのは気持ちが良いでしょう。
前回のグランリビオ浜田山。
公式ホームページ

お部屋は71㎡の3LDK、南向き中住戸です。敷地南端に東西に広がった南向きの棟の中央やや西寄りに位置しており、前方は戸建になります(南西方向には3階建の寮があり、戸建に比べると高め)。建築基準法上の地下1階住戸で、半地下などではなくガッツリ地下にはなりますが、テラスには十分な奥行がありますので太陽高度の低い冬場の一時期を除けば日照が得られるぐらいになるでしょう。南側が接道していればより良かったのは間違いありませんが、この敷地形状であれば敷地南端に南向きが配棟されるのは当然のことですし、奥行のあるテラスで前建との離隔を確保したことで日照が得やすくなっています。
また、共用廊下の一部は上部中庭方向に向かって吹抜設計になっているため、地階ながらも多少の風抜け(共用廊下側の窓を開けた場合の話)が期待できますし、地下住戸の中では"良い方"と言えると思いますね。
間取り的には田の字ベースではあるものの、共用廊下側の柱の食い込みが抑えられていますし、LD~洋室3にかけて幅のある「連窓サッシ×ウォールドア設計」が実現しているため、地階でも採光面は期待できそうです。
最大天井高は2.45m(全フロア)と低めではあるものの、そのようにサッシ高を2.2m確保しているため一般的な物件と比べサッシ幅・高さ共に高いパフォーマンスにあります。
※最高高さ10m制限の地上3階建ですので階高は十分とれるはずで、最大天井高はもう少し高く出来そうなものですが、常々言っているように最大天井高よりも目線が近い下り天井高が高く出来ている方が室内の広がりを感じやすいもので、こちらの扁平梁により下り天井高・サッシ高を高くした構造は好感の持てるものです。
70㎡に乗せた上で効率性も高いため、近年のトレンドにおいてはそこそこのゆとりを確保した中住戸と言えますし、2WAYのマルチクロークも使い勝手がよさそうですね。
坪単価は415万円。前回取り上げた最上階角住戸は大きなプレミアムが乗っていて突出した単価設定になっていましたが、中層階南向き中住戸は400万円台中盤で、地階にはこういった400万円そこそこのお部屋が多く存在しているので平均は460~470万円ぐらいになるでしょうか。
近隣供給事例としては、ここ2~3年に供給がなくちょっと前のものになってしまうのですが、ヴェレーナグラン浜田山(2018年分譲/駅徒歩9分/約410万円)、ザ・パークハウス浜田山季の杜(2016年分譲/駅徒歩7分/約385万円)、ディアナコート浜田山(2016年分譲/駅徒歩10分/約360万円)といったところで、やはりここ2~3年の相場高騰の影響が色濃く出た水準にはなってしまいますね。
ただ、2018年のヴェレーナグランから15%ほどの上昇に過ぎないですし、上述のような共用部の存在感の高さを鑑みれば400万円台中盤程度までのお部屋のコスパは悪くないように思いますね。
外廊下設計の田の字プランですので地味っちゃ地味ではあるのですが、中住戸は効率性も高いですからね。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗い器、フィオレストーンの水回り天板とこのスケール・単価帯の物件として大きな違和感のないものはそろっていますが、LDビルトインエアコンなどとりわけ高級感のあるものなどはなく、特に坪単価600万円台以上の高額住戸ともなると残念な印象になってしまいますね(そういったお部屋はいわゆる「プレミアム住戸」としてワンランク上の仕様を目指して欲しかったですね)。
なお、ゼッチの基準を満たすべくベッドルーム1室に床暖房が付いているのは良い点ですし、ゼッチ×低炭素認定という断熱やエコ性能の高さは魅力でしょう。
管理費は308円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での水準ですので大きな違和感はありません。植栽も充実した物件ですのでそれ相応の維持管理コストがかかるでしょうしね。
駐車場は全23台で来客用2台・身障者用1台を含む8台が平置、残りの15台が機械式になります。
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