2022年間取り部門①【金賞はどれも驚いた物件】

本日はいよいよ2022年間取り部門の発表です。
(※念のため毎年毎度言っておりますが、私モモレジの独断と偏見のみで受賞物件を決めております(笑)。対象となる物件は2022年において(おそらく)第1期を行っている物件で、私が知っている物件になります。

ちなみに、間取り部門の選考基準(選考単位)は、基本的に「マンション全体(物件単位)」であり、マンション内の特定のプランだけが素晴らしいなどのケースは基本的に「対象外」としています(全てでなくとも中心になるような多くのプランが素晴らしいのであればOKという感じ)。

また、以下は昨年以前の記事からの抜粋で、このような点を意識しながら当部門を見ていただくとより興味深い内容になるのではないかとも思っております。

【当部門のポイント(以前の記事から抜粋)】
余談的なところで言うと「マンション全体として良い間取り」を実現するのはデベロッパーの意識(採算面も含む)や設計者の技量によるところももちろんありますが、それ以上に影響を及ぼす要素として「敷地形状や周囲の建物(接道条件含む)との関係」があると思っています。
すなわち、敷地形状や周囲の建物との関係が芳しくないといくらデベロッパーや設計者が頑張ったところで「全体的」に魅力あるプランを実現するのは難しく(採算を「完全に度外視」すればある程度やりようがありますが、それを言うのはナンセンスでしょう…)、間取りに魅力がある物件というのは様々な要素が上手いこと(運良く)組み合わさったがゆえの産物であることを意識していただくとマンションを吟味する際の視野が広がるのではないでしょうか。

【金賞】(順不同)
アトラス青山レジデンシャル
プラウドタワー目黒マーク
リビオタワー羽沢横浜国大
クレヴィア三軒茶屋

【銀賞】(順不同)
ザ・パークハウス戸越公園タワー
クレヴィア新御徒町
クレヴィア新宿中落合イースト・ウエスト
ヴィークコート荻窪四丁目
ザ・パークハウス南麻布
グランドメゾン目白坂テラス

【銅賞】(順不同)
イニシア東葛西テラス
イニシア町田
クリオレジダンス川崎南幸町
クリオ学芸大学ザ・クラシック
バウス平塚
バウス上中里
ザ・パークハウス大宮吉敷町翠邸
シエリア幕張
シティハウス西横浜
プラウド立川錦町
リーフィアレジデンス麻生五月台
アルファステイツ熊谷末広
オープンスクエア南栗橋

まずは【金賞】から解説していきます。

1つ目のアトラス青山レジデンシャルは他2物件とは違い階建もスケール(総戸数)も一般的な物件なのですが、14階建のPRC構造により柱・梁の凹凸のない美しい間取りが素晴らしいですね。
14階建での壁式構造は非常に珍しいですし、北側(玄関側)にも窓を設けるなど壁で支えつつも(ある程度の壁量は必須)開口部を充実させようとしていたあたりも好印象でした。
サッシ高に関しては残念な思いもありますけど…。

お次のプラウドタワー目黒マークは分かりやすいでしょう。
読者の方はご存じの通り私は「最大天井高」よりもむしろ「下り天井高(最大天井高とのギャップの小ささ)」や「サッシ高」が空間を豊かにすると思っている(実体験から感じている)ので、それ自体はそこまで高い評価をしているわけではないのですが、一般フロア(スーペリア)でも最大天高2.75mというのは凄いことですし、サッシ高も約2.2m(下り天高はそれよりも気持ち低い程度)を確保した豊かな三次元構造を実現した物件になります。「斜めスラブ」の採用が肝でしたね。

高層階でもダイレクトサッシを用いていないフルバルコニー物件なのは”タワマンの魅力”を生かすという点では疑問が残るものの、ラウンド状のバルコニーに面したコーナーサッシ周りや柱のきれいなアウトフレームという点も大きな魅力でした。

そしてリビオタワー羽沢横浜国大は、プラウドタワー目黒マークとは異なり最大天井高は2.5m(最上階だけは2.7m)とごくごく一般的な水準です。
しかしながら、梁の凹凸を抑えることで高い下り天井高を確保し、サッシ高は最上階以外でも2.19m(掃き出し窓※コーナーサッシは2.26m)という素晴らしき水準を実現しており驚かされました。

プラウドタワー同様に柱もきれいにアウトフレーム化されており、プラウドとは異なり”一般的な価格帯の物件(都心部の富裕層向け物件ではない)でのパフォーマンス”という点でも非常に好感の持てる物件、より価値を感じる物件でした。

最後のクレヴィア三軒茶屋は、トーヨーキッチンの「パラレロ(大型3Dシンク+可動するプレート&まな板など)※プランにもよるがアイランドキッチン」、そしてアステック社の「WABURO(框に檜を用いた拘りの空間)」を採用するという水回りに異常なぐらい力を入れた物件というだけでなく、逆梁工法を採用した2.4mのサッシ高もとっても良かったですね。クレヴィアは【銀賞】物件にも2つ入っており、近年は「デザイン」と「プラン」という2つを主軸とした特色ある物件を生み出してくれることが少なくありません。

【銀賞】【銅賞】は次の記事でどうぞー。

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