2022年11月の首都圏マンション発売戸数
本日は毎月恒例のこちらの市況分析をお送りします。
昨年末がいつも以上に慌しく、取り上げるタイミングが遅れてしまっておりました。
不動産経済研究所の発表によると2022年11月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,866戸(前年同月比47.4%減)
1戸あたり価格6,035万円(前年同月比1.4%ダウン)
契約率69.4%(前年同月比10.5ポイントダウン)
とのことです。
前月の記事において、
来月11月は不動産経済研究所によると4,500戸が見込まれており、昨年11月の約5,500戸には及ばないものの、2018~2020年の11月の2,000~3,000戸台に比べかなり大きな数字ですね。
来月11月にかけてはハルミフラッグのパークビレッジとサンビレッジの2期2次の計185戸(119戸+66戸)が行われ、その他ブリリア目黒大橋(第1期1次36戸)、ルジェンテ上野黒門町(全戸一括37戸)あたりもありはしますが、タワマンなど超大型物件の新規供給はないはずですので秋商戦が本格化する時期とはいえどもそんなに多くはならないのかなと。
と言及させていただいていた通りで随分と多く見込まれているんだなぁ…と思っていたのですが、やっぱり少なかったですね。
ハルミフラッグの185戸があっても3,000戸にすら満たず、秋商戦真っ只中としてはかなり低調な数字です。最終的には12月の数字がモノを言う(12月は1年で最も多くの供給がなされるのが通例)とはいえ、市況は弱含みに感じますね。
契約率も相変わらず100%のハルミフラッグ185戸を除くと67%ほどになってしまいますし、平均価格の6,035万円も2022年で最も低い水準ということになります。
平均価格の低下は、相対的に価格の高い23区のシェア(11月は約33%)が低下したことによる影響が大きいとは言え、そもそも23区内の供給数の減少自体が23区内の高額物件の引き合いが弱くなっていることを端的に表しているとも言えますからね(現状ではまだ確かなことは言えませんが…)。
契約率自体は秋商戦による回復傾向が見られはするのですが、このような低調な発売戸数においてのものですし、発売戸数、価格、契約率の全てが低水準というあたりから市場は盛り上がりに欠けていると感じますし、そのように12月の結果次第にはなりますが、気温と共に冷え込んできているのかもしれません。
先日から申し上げている通り、ついに日銀の金融政策に変更が生じ、住宅ローン金利の上昇など、ここ2~3年とは明らかに異なる動きが出てきているので不動産価格(不動産の動向)に懸念が生じるのは至極当然のことですしね。
ちなみに、11月末の在庫数は5,079戸で前月末比134戸の増加となっていますが、新築に関しては依然として少ない状況になります。
なお、不動産経済研究所によると、12月は約7,000戸の発売が見込まれています。
7,000戸は12月としては平均的な水準で、11月が少なかっただけにそれ相応の反動も期待出来るため、十分に達成可能な数字という印象になるでしょうか。
ただ、主な供給物件として挙げられるのは、ブリリア自由が丘(第1期1次31戸)、グランリビオ浜田山(第1期1次32戸)、メイツザ・マークス新横浜(第1期53戸)、パークタワー東中野グランドエア(第1期1次57戸)、パークホームズ杉並久我山(第1期35戸)、グランドメゾン溝の口の杜(第1期68戸)といったところで、タワマンなどの大型物件の大量供給(初回)があるわけではないので塵積的にどこまで伸びるか不透明なところがありますね。
年末には住不の大量供給が行われることも少なくありませんが…。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの11月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
2,797件(前年同月比-18.1%)
69.69万円/㎡(前年同月比+14.4%)
4,417万円(前年同月比+13.1%)
専有面積63.38㎡(前年同月比-0.9%)
築年数24.00年(前年同月23.39年)
9月69.10万円/㎡、10月69.40万円/㎡、そして11月が69.69万円/㎡ということで、今月もを若干ながらも最更新し、ジリジリと押し上げられてしまった形ですね。
今月も件数が前年同月比で大きく減少していますし、いつ下がってもおかしくない印象ではあるものの、参加登録単価・在庫単価共に高止まりしており、未だに若干ながら"売り手優勢"の状況ではあるようです。
しかしながら、新築のところで述べたように日銀の金融政策変更、金利上昇による不動産市場への懸念が生じてきていますし、ここ数ヶ月ずっと述べているように、中古市場においては在庫が急激に増えてきているため、再度インフレが強まるようなことがない限りは近いうちに頭打ち、そして"調整"に入るのではないでしょうか。
11月末の在庫は10月末に比べ800戸以上増え、直近半年で4,000戸以上も増加しています。
コロナ突入後最も少なくなった2021年6月の33,600戸ほどに対し、現在は41,100戸ほどと大分増え、コロナ禍前の2020年1~2月の47,000戸台も大分近づいてきましたね。
新規登録単価は5ヶ月連続の72万円台、在庫単価も4ヶ月連続の73万円台ということで高値推移という形なのですが、どちらも頭打ち感が結構あって、特に在庫単価は今年の2~3月あたりの72万円台から大きな変動がない状況が続いているあたりを見ると今の高騰する価格に抵抗のある方が多いんだろうなぁ…というのが少なからず窺えますよね。
中古は新築とは異なり12月に成約件数が多くなるということはなく、焦点はその後の年度末1~3月になるのでそこで在庫がどのように推移するか次第ではあるものの、外部環境(経済・金融情勢、金利など)を鑑みても一旦"調整"するのが有力なのかなと。
昨年末がいつも以上に慌しく、取り上げるタイミングが遅れてしまっておりました。
不動産経済研究所の発表によると2022年11月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,866戸(前年同月比47.4%減)
1戸あたり価格6,035万円(前年同月比1.4%ダウン)
契約率69.4%(前年同月比10.5ポイントダウン)
とのことです。
前月の記事において、
来月11月は不動産経済研究所によると4,500戸が見込まれており、昨年11月の約5,500戸には及ばないものの、2018~2020年の11月の2,000~3,000戸台に比べかなり大きな数字ですね。
来月11月にかけてはハルミフラッグのパークビレッジとサンビレッジの2期2次の計185戸(119戸+66戸)が行われ、その他ブリリア目黒大橋(第1期1次36戸)、ルジェンテ上野黒門町(全戸一括37戸)あたりもありはしますが、タワマンなど超大型物件の新規供給はないはずですので秋商戦が本格化する時期とはいえどもそんなに多くはならないのかなと。
と言及させていただいていた通りで随分と多く見込まれているんだなぁ…と思っていたのですが、やっぱり少なかったですね。
ハルミフラッグの185戸があっても3,000戸にすら満たず、秋商戦真っ只中としてはかなり低調な数字です。最終的には12月の数字がモノを言う(12月は1年で最も多くの供給がなされるのが通例)とはいえ、市況は弱含みに感じますね。
契約率も相変わらず100%のハルミフラッグ185戸を除くと67%ほどになってしまいますし、平均価格の6,035万円も2022年で最も低い水準ということになります。
平均価格の低下は、相対的に価格の高い23区のシェア(11月は約33%)が低下したことによる影響が大きいとは言え、そもそも23区内の供給数の減少自体が23区内の高額物件の引き合いが弱くなっていることを端的に表しているとも言えますからね(現状ではまだ確かなことは言えませんが…)。
契約率自体は秋商戦による回復傾向が見られはするのですが、このような低調な発売戸数においてのものですし、発売戸数、価格、契約率の全てが低水準というあたりから市場は盛り上がりに欠けていると感じますし、そのように12月の結果次第にはなりますが、気温と共に冷え込んできているのかもしれません。
先日から申し上げている通り、ついに日銀の金融政策に変更が生じ、住宅ローン金利の上昇など、ここ2~3年とは明らかに異なる動きが出てきているので不動産価格(不動産の動向)に懸念が生じるのは至極当然のことですしね。
ちなみに、11月末の在庫数は5,079戸で前月末比134戸の増加となっていますが、新築に関しては依然として少ない状況になります。
なお、不動産経済研究所によると、12月は約7,000戸の発売が見込まれています。
7,000戸は12月としては平均的な水準で、11月が少なかっただけにそれ相応の反動も期待出来るため、十分に達成可能な数字という印象になるでしょうか。
ただ、主な供給物件として挙げられるのは、ブリリア自由が丘(第1期1次31戸)、グランリビオ浜田山(第1期1次32戸)、メイツザ・マークス新横浜(第1期53戸)、パークタワー東中野グランドエア(第1期1次57戸)、パークホームズ杉並久我山(第1期35戸)、グランドメゾン溝の口の杜(第1期68戸)といったところで、タワマンなどの大型物件の大量供給(初回)があるわけではないので塵積的にどこまで伸びるか不透明なところがありますね。
年末には住不の大量供給が行われることも少なくありませんが…。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの11月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
2,797件(前年同月比-18.1%)
69.69万円/㎡(前年同月比+14.4%)
4,417万円(前年同月比+13.1%)
専有面積63.38㎡(前年同月比-0.9%)
築年数24.00年(前年同月23.39年)
9月69.10万円/㎡、10月69.40万円/㎡、そして11月が69.69万円/㎡ということで、今月もを若干ながらも最更新し、ジリジリと押し上げられてしまった形ですね。
今月も件数が前年同月比で大きく減少していますし、いつ下がってもおかしくない印象ではあるものの、参加登録単価・在庫単価共に高止まりしており、未だに若干ながら"売り手優勢"の状況ではあるようです。
しかしながら、新築のところで述べたように日銀の金融政策変更、金利上昇による不動産市場への懸念が生じてきていますし、ここ数ヶ月ずっと述べているように、中古市場においては在庫が急激に増えてきているため、再度インフレが強まるようなことがない限りは近いうちに頭打ち、そして"調整"に入るのではないでしょうか。
11月末の在庫は10月末に比べ800戸以上増え、直近半年で4,000戸以上も増加しています。
コロナ突入後最も少なくなった2021年6月の33,600戸ほどに対し、現在は41,100戸ほどと大分増え、コロナ禍前の2020年1~2月の47,000戸台も大分近づいてきましたね。
新規登録単価は5ヶ月連続の72万円台、在庫単価も4ヶ月連続の73万円台ということで高値推移という形なのですが、どちらも頭打ち感が結構あって、特に在庫単価は今年の2~3月あたりの72万円台から大きな変動がない状況が続いているあたりを見ると今の高騰する価格に抵抗のある方が多いんだろうなぁ…というのが少なからず窺えますよね。
中古は新築とは異なり12月に成約件数が多くなるということはなく、焦点はその後の年度末1~3月になるのでそこで在庫がどのように推移するか次第ではあるものの、外部環境(経済・金融情勢、金利など)を鑑みても一旦"調整"するのが有力なのかなと。
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