ワールドタワーレジデンス【この価格帯の物件にしては意外と…】15階60㎡18,590万円(坪単価1,020万円)
続けて、ワールドタワーレジデンス。
設計・施工は売主にも名を連ねる鹿島建設で、制震構造が採用されています。
低層部のオフィス部分はCFT造(鉄骨造・コンクリート充填鋼管柱)を採用した物件で(中高層のマンション部分は普通にRC造)、制震とは言いつつも制震部材(HiDAX-e)はオフィス部分にしか入っていません。
制震構造を謳う物件の多くが中層部までのダンパーとなっていることが多いため、この物件も意外ではなかったのですが、46階建で12階までしか入っていないというのはちょっと…。埋め立て地ではないため直接基礎を採用出来た地盤が安定したエリアの物件ですし、結局は”揺れの程度”でしかないのですが、4分の1程度の制震の効果ってどんなもんなんでしょうね???
共用部デザイン監修はパトリシア・ウルキオラ(建築家・デザイナー)、世界的な実績のある女性建築家になります。
2023年ちょっと気になるマンションで述べたように、単刀直入に言ってしまうと中層階でも1,000万円前後になる超高級マンションにしては平凡な印象すら受けてしまう物件なのですが、ウルキオラ氏が携わっているのは共用部の内装のはずで、当物件はそもそもの"外観デザイン"や共用部の"空間設計(配置・ゆとり)"などが地味に感じてしまうんですよね。
外観に関してはシックなトーンなのは良いのですが、鹿島らしい柱・梁が主張し過ぎな印象で、前回のコーナー部のダイレクトサッシも幅・高さ共に特筆すべきレベルにはないので外観的なインパクトも高くはありません。
共用部に関しては2,000㎡もの駅前広場直結のメインエントランスの先に3階から2階に渡る2層吹抜カフェラウンジ、2階にはコワーキングスペース(ブース2室だけ)、3階にゲストラウンジ、ダイニングスペース(パーティルーム)、13階にコミュニケーションラウンジ、フィットネスルーム、ゲストルーム2室、パーティルーム、バー、インナーテラス、ゴルフラウンジと、数としては充実しているのですが、1つ1つはけして大きなものではないですし、そのウルキオラ氏による内装デザインはともかく、ワールドクラス(?)の超高級マンションとして特筆すべきインパクトのある空間は見当たりません。
価格帯もさることながら、ワールドタワーレジデンスを名乗るぐらいですので”目から鱗”の豊かな空間設計や外観フォルムにお目にかかりたかったというのが正直な思いになります。
共用施設の有無という点で言うと、北側と東側の視界が妨げられていることもあるのでしょうが、北東側には本館と南館の間に旧芝離宮の庭園が望めるわけですし、そこそこの高層階(30階とか)に共用施設(ラウンジ)だったり、屋上テラス(全方位ビュー)があると良かったのではないかなと。
前回のワールドタワーレジデンス。
公式ホームページ

お部屋は60㎡の2LDK、西向き中住戸です。芝公園との間には普通に10階以上の高さの建物がボチボチありますので、この階(12階以下はオフィスフロアで階高が高いため一般的なマンションの15階よりは高いです)だと東京タワーの足元までは見えないですし、芝公園などの緑はほぼお目にかかれないでしょう。ただ、それでもこのポジションは東京タワービューの特等席と言えると思います。
※前回の記事で述べたように、芝パークビルやメルパルクのあたりが再開発されることで特にこういった中層階では将来的な影響が出てくる可能性は小さくないようにも思いますが、現状では何かが決まっているわけではありません。
間取りは60㎡に乗せた2LDKで、高額物件らしいゆとりある設計です。
二次元でのポイントはワイドスパンでしょう。全室をバルコニー側に設計出来た内廊下タワマンではそうは実現しない中住戸プランになります。
1つ1つの開口部は一般的なサッシ2枚分に過ぎず、LDからいずれかのベッドルームに向かって連窓サッシ(+ウォールドア)設計になっていたら随分と印象は変わったと思いますけど…。
なお、こちらは中住戸なので角住戸周りほど梁の存在感が高くないのは良いですね。洗面所の洗濯機置場やトイレは2.1mの下り天井になりますが、玄関はそこを回避した2.4mですし、北西部の柱と北東部の柱をつなぐライン上にも梁による下り天井は生じていません(角住戸付近だけを"チューブ構造"のようにすることで耐震性を高めているのではないでしょうか)。
※前回の記事でも述べたように当物件は珍しいほど”プランによっての下り天井の強弱”がありますので、しっかりと図面を読み込んでお部屋を選んで欲しい物件です。
坪単価は1,020万円。当タイプは29階まであり、そういった東京タワーが足元付近まで望めるお部屋でも1,100万円ほどですのでその差は大きくありません。
同15階の同面積帯の南向き中住戸は961万円で、この小さな単価差こそが前回の記事で述べた世にも不思議な価格設定になります。こちらの60㎡は南向きも西向きもスーペリアグレードで差がないのですが、57㎡のタイプは西向きだけがスーペリア、南向きはスタンダードと"グレード差が大きな中での小さな単価差"ということでさらに不可解ですね(汗)。
ちなみに、40~50㎡台はクレアタワーが壁になる北向きがほとんどでそちらは全てスタンダードグレードになっています。1期1次では供給されない(価格も明らかになっていない)そういったお部屋の価格が南向きや西向きに近い水準で分譲される可能性は十分にありますので、結局は南向きもお買い得(?)だったということは十分にありうることではあるのですが、坪単価約1,000万円のスタンダードグレードは痺れます(笑)。
"立地・交通アクセスを買う"という感じではあるのでしょうが、渋谷駅ヒカリエデッキ直結の宮益坂ビルディングザ・渋谷レジデンス4~5億(坪単価1,100~1,200万円台)のお部屋が2021年頃からずうっと売れ残っているのを見ても改めて"マンションは立地だけじゃなくトータルで判断すべきもの"と思うわけで、共用部・専有部共に価格帯なりにもう少し頑張って欲しかったという思いがないと言えば嘘になるのです。
パークコート浜離宮ザ・タワー(2016年分譲/駅徒歩5分/約580万円)が中古市場において800~900万円台中心で成約するインフレ真っ只中の時代ですので、スペシャルな立地の当物件の平均が1,100万円台中盤(ぐらい?)になるのも仕方のないことだとは思うのですが、価格に見合っていないと感じてしまう部分が少なからず存在しているのは残念ですね。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、スタンダードでもカップボードが付くなど一般的な分譲マンションであればけして悪くはないのですが、1,000万円でこの感じは世知辛い…。
スーペリア(50~80㎡台※50㎡台でもそのようにスタンダード、70~80㎡台でもプレミアムがあり微妙な線引きになっている)になると、廊下・洗面室・トイレ床のタイル貼(スタンダードはフローリングやビニル床)、タイルや天然石を用いた日ポリの浴室になりますので印象は大分変わります。スタンダードでも24時間換気が全熱交換型になっているのは嬉しいですけど、スタンダードとスーペリアの差はなかなかに大きいですね。
なお、プレミアムになると廊下・洗面室・トイレ床がタイルではなく天然石貼、さらにLDも天然石貼、ペントハウスは水回りなどがさらにグレードアップするのはもちろんのこと、廊下壁に突板パネル、バルコニーウッドデッキなど、上には上があります。
管理費は734円/㎡。ディスポーザー、内廊下、各階ゴミ置場、コンシェルジュサービスはもちろん、当然に24時間有人管理でもありますので500円前後であればやむなしなのですが、700円超???
坪単価1,000万円超がほとんどとなる超高額物件ですのでこの程度は誤差の範囲内なのかもしれませんが、三田ガーデンヒルズのようなガーデンや共用施設・サービスがあるわけではないですし、コスパ悪過ぎません???富裕層って案外ケチな人いますよ…。
駐車場は119台で機械式になります。デッキ直結物件で1階(地上階)の重要性が低い分、1階からアプローチできる利便性の高いタイプになります。
設計・施工は売主にも名を連ねる鹿島建設で、制震構造が採用されています。
低層部のオフィス部分はCFT造(鉄骨造・コンクリート充填鋼管柱)を採用した物件で(中高層のマンション部分は普通にRC造)、制震とは言いつつも制震部材(HiDAX-e)はオフィス部分にしか入っていません。
制震構造を謳う物件の多くが中層部までのダンパーとなっていることが多いため、この物件も意外ではなかったのですが、46階建で12階までしか入っていないというのはちょっと…。埋め立て地ではないため直接基礎を採用出来た地盤が安定したエリアの物件ですし、結局は”揺れの程度”でしかないのですが、4分の1程度の制震の効果ってどんなもんなんでしょうね???
共用部デザイン監修はパトリシア・ウルキオラ(建築家・デザイナー)、世界的な実績のある女性建築家になります。
2023年ちょっと気になるマンションで述べたように、単刀直入に言ってしまうと中層階でも1,000万円前後になる超高級マンションにしては平凡な印象すら受けてしまう物件なのですが、ウルキオラ氏が携わっているのは共用部の内装のはずで、当物件はそもそもの"外観デザイン"や共用部の"空間設計(配置・ゆとり)"などが地味に感じてしまうんですよね。
外観に関してはシックなトーンなのは良いのですが、鹿島らしい柱・梁が主張し過ぎな印象で、前回のコーナー部のダイレクトサッシも幅・高さ共に特筆すべきレベルにはないので外観的なインパクトも高くはありません。
共用部に関しては2,000㎡もの駅前広場直結のメインエントランスの先に3階から2階に渡る2層吹抜カフェラウンジ、2階にはコワーキングスペース(ブース2室だけ)、3階にゲストラウンジ、ダイニングスペース(パーティルーム)、13階にコミュニケーションラウンジ、フィットネスルーム、ゲストルーム2室、パーティルーム、バー、インナーテラス、ゴルフラウンジと、数としては充実しているのですが、1つ1つはけして大きなものではないですし、そのウルキオラ氏による内装デザインはともかく、ワールドクラス(?)の超高級マンションとして特筆すべきインパクトのある空間は見当たりません。
価格帯もさることながら、ワールドタワーレジデンスを名乗るぐらいですので”目から鱗”の豊かな空間設計や外観フォルムにお目にかかりたかったというのが正直な思いになります。
共用施設の有無という点で言うと、北側と東側の視界が妨げられていることもあるのでしょうが、北東側には本館と南館の間に旧芝離宮の庭園が望めるわけですし、そこそこの高層階(30階とか)に共用施設(ラウンジ)だったり、屋上テラス(全方位ビュー)があると良かったのではないかなと。
前回のワールドタワーレジデンス。
公式ホームページ

お部屋は60㎡の2LDK、西向き中住戸です。芝公園との間には普通に10階以上の高さの建物がボチボチありますので、この階(12階以下はオフィスフロアで階高が高いため一般的なマンションの15階よりは高いです)だと東京タワーの足元までは見えないですし、芝公園などの緑はほぼお目にかかれないでしょう。ただ、それでもこのポジションは東京タワービューの特等席と言えると思います。
※前回の記事で述べたように、芝パークビルやメルパルクのあたりが再開発されることで特にこういった中層階では将来的な影響が出てくる可能性は小さくないようにも思いますが、現状では何かが決まっているわけではありません。
間取りは60㎡に乗せた2LDKで、高額物件らしいゆとりある設計です。
二次元でのポイントはワイドスパンでしょう。全室をバルコニー側に設計出来た内廊下タワマンではそうは実現しない中住戸プランになります。
1つ1つの開口部は一般的なサッシ2枚分に過ぎず、LDからいずれかのベッドルームに向かって連窓サッシ(+ウォールドア)設計になっていたら随分と印象は変わったと思いますけど…。
なお、こちらは中住戸なので角住戸周りほど梁の存在感が高くないのは良いですね。洗面所の洗濯機置場やトイレは2.1mの下り天井になりますが、玄関はそこを回避した2.4mですし、北西部の柱と北東部の柱をつなぐライン上にも梁による下り天井は生じていません(角住戸付近だけを"チューブ構造"のようにすることで耐震性を高めているのではないでしょうか)。
※前回の記事でも述べたように当物件は珍しいほど”プランによっての下り天井の強弱”がありますので、しっかりと図面を読み込んでお部屋を選んで欲しい物件です。
坪単価は1,020万円。当タイプは29階まであり、そういった東京タワーが足元付近まで望めるお部屋でも1,100万円ほどですのでその差は大きくありません。
同15階の同面積帯の南向き中住戸は961万円で、この小さな単価差こそが前回の記事で述べた世にも不思議な価格設定になります。こちらの60㎡は南向きも西向きもスーペリアグレードで差がないのですが、57㎡のタイプは西向きだけがスーペリア、南向きはスタンダードと"グレード差が大きな中での小さな単価差"ということでさらに不可解ですね(汗)。
ちなみに、40~50㎡台はクレアタワーが壁になる北向きがほとんどでそちらは全てスタンダードグレードになっています。1期1次では供給されない(価格も明らかになっていない)そういったお部屋の価格が南向きや西向きに近い水準で分譲される可能性は十分にありますので、結局は南向きもお買い得(?)だったということは十分にありうることではあるのですが、坪単価約1,000万円のスタンダードグレードは痺れます(笑)。
"立地・交通アクセスを買う"という感じではあるのでしょうが、渋谷駅ヒカリエデッキ直結の宮益坂ビルディングザ・渋谷レジデンス4~5億(坪単価1,100~1,200万円台)のお部屋が2021年頃からずうっと売れ残っているのを見ても改めて"マンションは立地だけじゃなくトータルで判断すべきもの"と思うわけで、共用部・専有部共に価格帯なりにもう少し頑張って欲しかったという思いがないと言えば嘘になるのです。
パークコート浜離宮ザ・タワー(2016年分譲/駅徒歩5分/約580万円)が中古市場において800~900万円台中心で成約するインフレ真っ只中の時代ですので、スペシャルな立地の当物件の平均が1,100万円台中盤(ぐらい?)になるのも仕方のないことだとは思うのですが、価格に見合っていないと感じてしまう部分が少なからず存在しているのは残念ですね。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、スタンダードでもカップボードが付くなど一般的な分譲マンションであればけして悪くはないのですが、1,000万円でこの感じは世知辛い…。
スーペリア(50~80㎡台※50㎡台でもそのようにスタンダード、70~80㎡台でもプレミアムがあり微妙な線引きになっている)になると、廊下・洗面室・トイレ床のタイル貼(スタンダードはフローリングやビニル床)、タイルや天然石を用いた日ポリの浴室になりますので印象は大分変わります。スタンダードでも24時間換気が全熱交換型になっているのは嬉しいですけど、スタンダードとスーペリアの差はなかなかに大きいですね。
なお、プレミアムになると廊下・洗面室・トイレ床がタイルではなく天然石貼、さらにLDも天然石貼、ペントハウスは水回りなどがさらにグレードアップするのはもちろんのこと、廊下壁に突板パネル、バルコニーウッドデッキなど、上には上があります。
管理費は734円/㎡。ディスポーザー、内廊下、各階ゴミ置場、コンシェルジュサービスはもちろん、当然に24時間有人管理でもありますので500円前後であればやむなしなのですが、700円超???
坪単価1,000万円超がほとんどとなる超高額物件ですのでこの程度は誤差の範囲内なのかもしれませんが、三田ガーデンヒルズのようなガーデンや共用施設・サービスがあるわけではないですし、コスパ悪過ぎません???富裕層って案外ケチな人いますよ…。
駐車場は119台で機械式になります。デッキ直結物件で1階(地上階)の重要性が低い分、1階からアプローチできる利便性の高いタイプになります。
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