ブランズ千代田富士見【替えの効かない立地とデザイン】110㎡39,800万円(坪単価1,201万円)

ブランズ千代田富士見。

所在地:東京都千代田区富士見1-18-2(地番)
交通:九段下駅徒歩5分、飯田橋駅徒歩8分(東西線は徒歩6分)
用途地域:第一種住居地域
階建・総戸数:地上18階地下1階建、69戸

富士見1丁目の二合半坂沿い、北に暁星小、西に暁星中・高、南にお茶の水小(仮校舎。旧九段中学校)という文教エリアの真っ只中に誕生する物件です。
最大の注目ポイントはやはり隈研吾デザインではあるのですが、その起用・デザインに至ったのもこの珍しい立地条件があったからこそなのかなと。

プラウドタワー千代田富士見パークコート千代田富士見ザ・タワーなどに代表されるように富士見アドレスの物件(マンション)というと飯田橋駅前の富士見2丁目のイメージがあり、こちらの文教色が強まる富士見1丁目側には分譲マンションはほぼ存在していません。飯田橋駅寄り、1丁目の入口付近にプラウドタワー千代田富士見レジデンスがあるぐらいですかね。

当物件は飯田橋駅よりも九段下駅が近いことからもお分かりのように、暁星隣接などといった特殊事情を抜きにしても”他の富士見物件”とは一味違った珍しい立地に位置していると言えるでしょう。暁星中・高やフィリピン大使館の敷地のあたりがヒルトップ(標高約25m)であり、こちらの標高約19mは"トップ"でこそありませんが、富士見の名に恥じない高台の一角で、そういった点も駅前物件とは違いますね。

駅前の商業地域とは異なり住居系地域ながら、そのようにあまりにも学校に囲まれておりいわゆる住宅街ではないため、平日の朝夕は賑やかという点には注意が必要ではあるでしょう。

また、高台な分、標高の低い九段下・飯田橋駅へのアプローチはどちらも顕著な起伏が伴いますし、JRの飯田橋駅は徒歩8分とけして近い距離感ではないことからも利便性に重きを置く方向けの物件とは言えないでしょうね。

買物便は、スーパーで言うとまいばすが徒歩6分、三徳と成城石井が徒歩7分、東急ストアプレッセ飯田橋デリマーケット徒歩8分、三浦屋徒歩9分と悪くはありませんが、やはり起伏が伴いますし高台なりのアクセス性ではあるでしょう。

通学区は、富士見小学校で徒歩6分です。その暁星小学校徒歩2分の他、白百合学園小学校徒歩8分ということでお受験組にとっての魅力は小さくありません。

公式ホームページ
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お部屋は110㎡の3LDK、南東角住戸です。同第一種住居地域(住居系地域)で21階建を実現していたプラウドタワー千代田富士見レジデンスほどの高さはありませんが、こちらも住居系地域では非常に珍しい18階建で、日照はもちろんのこと視界は非常に魅力的なものになります。この中層階でも南と東の両面(南東はホテルグランドパレス跡地に高層建物が立つ見込み)に視界抜けが望めるのはもちろんですが、16~18階のプレミアムフロア(ブランズザ・ハウス一番町などと同様にお得意様向けに水面下の第1期で供給済)になると北の丸公園や千鳥ヶ淵方向も見えてくるスペシャルな眺望ですね。
南側はお茶の水小学校の仮校舎としての役目が終わった先のことは決まっていませんが、千代田区が土地を売却する可能性は限りなく低く、公的な何らかの用途として今後も利用されるのではないでしょうか(こういった高い建物になる可能性は低いのではないでしょうか)。

間取りはプレミアムフロア(16~18階)の全戸210㎡(1フロア2戸×3)に比べると小さくはなりますが、スーペリアフロア(2~15階)の中では大きく優に100㎡を超えるため各所にゆとりを感じることが出来ますね。

ただ、ベッドルームを6~10.5畳、そして収納も充実させたためかLDが15.7畳というのは100㎡超としては少々物足りない印象ですし、キッチンがLD側に向かってオープンなタイプではないため空間的な広がりも得にくくなっているのは気になります。

ベッドルーム3室すべてをノンリビングインとした独立性の高い設計であり、それなりの大きさの角住戸でもリビングインの居室があるのが当たり前な近年のトレンドとは異なるものになっていることに悪い印象はないのですが、そうであればLDはもう少し大きな方が良かったのかなと。

また、ダブルボウルは良いのですが、入口がかなり玄関に近い洗面室も気になりますね…。う~ん…。

一方で、三次元構造はこの価格帯に恥じない優秀なもので、最大天井高は2.75m、下り天井高も約2.3mあります。サッシ幅は今1つですし、LDコーナー部や玄関横に柱がガッツリ食い込んでしまっているのはちょっと残念ですけど…。

坪単価は1,201万円。16~18階のプレミアムフロア210㎡を初めとした39戸はお得意様及び三越経由により水面下で供給済で、残りの30戸が今回の第2期以降での供給になります。

こちらのお部屋はスーペリアフロアとはいえ上層階にあたるため第2期以降では最高水準になるようですね。
100㎡超という立派な面積がありながらそのように間取り面(特に二次元面)でちょいちょい気になるところがありますし、貴重な立地の隈デザイン物件とはいえ、交通便やスケールは特筆すべきものではありませんので少々立派な水準に感じてしまうところはありますね。富士見アドレスではありませんが、直近2020年分譲のアルビオザ・タワー千代田飯田橋(飯田橋駅徒歩3分)が約630万円という水準でしたので平均でも優に1,000万円を超える当物件の単価はその後の相場上昇を鑑みても驚きの水準でしょう。昨年より分譲中の番町のザ・パークハウスグラン三番町26でも平均940万円(暫定)ほどですからね。

とはいえ、立地とデザインという大きな2つの要素が非常に替えが効きづらいものとなった物件ですので、価格の妥当性はあってないようなものだとも思います。それぐらい芯の通った物件で、東急不動産と隈氏に心からの拍手を贈りたくなる物件であることは確かです。

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