プラウドシティ小竹向原【既存樹を生かしたランドプラン×ネクストアーキテクトデザイン】3階71㎡8,648万円(坪単価404万円)
続けて、プラウドシティ小竹向原。
設計はネクストアーキテクト&アソシエイツ、施工は長谷工ですが普通に二重床が採用されています。
長谷工が関わる分譲マンションでは設計・施工共に感覚的に99%超が長谷工になっているのですが、こちらはネクストアーキテクト&アソシエイツが関与した稀有なケースになります。「プラウドシティ」の名前からは分かりませんが当物件は野村不動産に加え旭化成不動産レジデンスも携わっているからですね。
「建替プロジェクト」と言えば旭化成であり、有名な同潤会江戸アパートメントの建替であるアトラス江戸川アパートメントやアトラス調布などでもその手腕をふるっていたのがこのネクストアーキテクト&アソシエイツなのです。
こういった中層の多棟型大規模物件(語弊があるかもしれませんが、別の言い方をすると"設計・施工に長谷工を起用するのがコスト上ベスト"な類の物件)のデザインは淡泊になりがちなのですが、当物件は棟ごと、いや棟の中でも部分部分によってバルコニー周りの設えを細やかに変えていますし、前回の記事で取り上げたプランなどに採用されているコーナーサッシも外観にアクセントを与えてくれています。デザインに力を入れる傾向のある旭化成とネクストアーキテクトならではの繊細さとセンスの良さが随所に窺えますね。
また、ランドプランという点では従前の向原第二住宅から受け継いだ樹齢50年を超える既存樹を可能な限り生かした計画になっているのが素晴らしいですね。
敷地の外周部ほぼ全てが緑で覆われていること自体も凄いのですが、さらに敷地中央部に約2,500㎡の中庭、さらに敷地南東部にはツナグヒロバを設けるなど"内外"が緑で溢れています。
敷地中央部に緩やかな丘の庭園(共用棟の上部)を設けた三田ガーデンヒルズのような"驚き(異端さ)"こそありませんが、内にも外にも良い影響を与える見事なランドプランだと思います。
“視界抜け”を重視するのであれば真西向きの棟などを設けた方が有効だったようにも思いますが、中庭を挟みG2棟との離隔を確保したこのG1棟の配置はアリでしょう。
中庭はそのように大きな空間とはいえ四方(特に南東・南西は12階建のB2棟が塞がる)を囲まれたポジションであり、日照がほとんど得られないのは残念ですけど…。奇遇にも約18,000㎡という大きな敷地面積を有したプラウドシティ東雲キャナルマークスはオーバル状の配棟でその中央にやはり中庭が設けられていたのですがあちらは約4,000㎡とさらに大きく高さの違い(あちらは15階建、こちらは12階建)を鑑みてももうちょい余裕があると良かったですね。
※あちらは敷地中央のガーデンを重視していたが、こちらはフロントコートとの間や外周部などにもかなり力を入れた分、中庭を突出した豊かなものには出来ていません。まぁ、こちらも東雲のものなどと比べさえしなければ十分豊かなんですけど…。
デザイン面ではグランドコートのB2棟の中央部に設けられたグランドエントランスが圧巻です。2層吹抜のその豊かな空間からは大きな窓面を通しその中庭が望めるようになっており、天然石や木質素材のマテリアル、そしてヘリンボーン貼のアクセントフローリングも彩る上質な空間になります。
水盤などの水物の設えがあるとより”高級感”のある演出になったのかなという思いもなくはないのですが、従前の緑を可能な限り生かした真っすぐなプロジェクトという印象ですので悪い気はしないですね。
グランドエントランスの目の前には半円状の雰囲気の良い車寄せもしっかりと設けられています。
共用施設としては、フォレストラウンジ、パーティラウンジ、ワークラウンジ、プライベートブース、そして子供向けのライブラリー・スタディスペースであるキッズライブラリーも備わっています。驚くような施設こそありませんが、キッズルーム、ゲストルーム、コミュニティルームなどもあり大規模物件らしい充実したものとなります。
前回のプラウドシティ小竹向原。
公式ホームページ

お部屋はG1棟の71㎡の3LDK、南東向き中住戸です。A敷地北側に位置するG1棟の西側部分で南東正面方向にその中庭を望みます。ただ、中庭の先にはG2棟がありますので、視界抜けは得られませんし、G2棟は12階建のためこのような低層階だと日照への影響も生じてしまうでしょう。
間取りは一般的な大きさの3LDKで居室配置もごくごく普通の田の字タイプになります。
しかしながら、スパン目一杯に開口部を設けた「連窓サッシ×ウォールドア」設計は大きなポイントの1つで、同設計を採用したケースでもここまでの幅となっているケースは多くありません。
ウォールドアの方立てが少々大きなものとなってしまっているのは残念ではあるのですが、LD側だけでもしっかりとした幅があり、採光豊かな気持ちの良いプランと言えるでしょうね。
なお、そこそこ立派な価格帯の物件にはなりますので共用廊下側の柱のアウトフレームはもう少し頑張って欲しかった点でしょう。
玄関及び洋室3側を共用廊下からセットバックすることで玄関前にアルコーブ的なスペースを確保してはいるようですが、セットバックするケースでは洋室3のところの柱が完全にアウトフレームするところまでセットバックされていることが多く、その場合、アルコーブスペースもさらに豊かなものになるのです。
坪単価は404万円。こういった中庭向きのお部屋などに関しては当初の予定価格からお値段が下がったものが少なくなく、こちらも下がってはいるのですが、やはりG2棟の圧迫感は少なからずありますし、こういった低層階は日照への影響もありますのでG2棟(特に南西向きや南東向きのプラン)の低層階と大差ないお値段設定というのは少々違和感がありますよね。
総戸数500戸あっても大半が70㎡以上のプランとなるためグロスが嵩むお部屋は多いですし、もう少しポジションによって単価幅を設けて欲しかったという思いはありますね。
第1期は110戸を供給することですし、この水準でもそこそこの期間では売り切れるとは思うのですが、来年4月の完成まではもう1年ほどしかないですし、こういった"背後の低層階"はもうワンパンチあると…。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、水回りの天然石天板仕様はもちろんのこと、キッチンタッチレス水栓、浴室調光機能付ダウンライト、玄関電気錠なども備わっています。
それなりの価格帯の物件ですし床快フルなどが導入されていると面白かったようには思いますけど、そもそも旭化成とのJVですし建替プロジェクトで地権者さんもガッツリいますから無理というものでしょう。
管理費は267円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付ですので違和感はありません。超大規模なりのスケールメリットを鑑みればもっと安くとも…という印象もなくはないのですが、このランドプランだと植栽管理コストも相当なものになるでしょう。
駐車場は全129台で、身障者用を含む6台が平置、残りの123台が機械式になります。駐車場は敷地北東部や北西部など隅の方に分割されている感じで超大規模物件とはいえ、アクセスの良いものとは言えません。敷地中央部に駐車場を設けなかったからこそ豊かな中庭などが実現しているのは事実ですが、もうちょっと上手に共存して欲しかったところですかね。
設計はネクストアーキテクト&アソシエイツ、施工は長谷工ですが普通に二重床が採用されています。
長谷工が関わる分譲マンションでは設計・施工共に感覚的に99%超が長谷工になっているのですが、こちらはネクストアーキテクト&アソシエイツが関与した稀有なケースになります。「プラウドシティ」の名前からは分かりませんが当物件は野村不動産に加え旭化成不動産レジデンスも携わっているからですね。
「建替プロジェクト」と言えば旭化成であり、有名な同潤会江戸アパートメントの建替であるアトラス江戸川アパートメントやアトラス調布などでもその手腕をふるっていたのがこのネクストアーキテクト&アソシエイツなのです。
こういった中層の多棟型大規模物件(語弊があるかもしれませんが、別の言い方をすると"設計・施工に長谷工を起用するのがコスト上ベスト"な類の物件)のデザインは淡泊になりがちなのですが、当物件は棟ごと、いや棟の中でも部分部分によってバルコニー周りの設えを細やかに変えていますし、前回の記事で取り上げたプランなどに採用されているコーナーサッシも外観にアクセントを与えてくれています。デザインに力を入れる傾向のある旭化成とネクストアーキテクトならではの繊細さとセンスの良さが随所に窺えますね。
また、ランドプランという点では従前の向原第二住宅から受け継いだ樹齢50年を超える既存樹を可能な限り生かした計画になっているのが素晴らしいですね。
敷地の外周部ほぼ全てが緑で覆われていること自体も凄いのですが、さらに敷地中央部に約2,500㎡の中庭、さらに敷地南東部にはツナグヒロバを設けるなど"内外"が緑で溢れています。
敷地中央部に緩やかな丘の庭園(共用棟の上部)を設けた三田ガーデンヒルズのような"驚き(異端さ)"こそありませんが、内にも外にも良い影響を与える見事なランドプランだと思います。
“視界抜け”を重視するのであれば真西向きの棟などを設けた方が有効だったようにも思いますが、中庭を挟みG2棟との離隔を確保したこのG1棟の配置はアリでしょう。
中庭はそのように大きな空間とはいえ四方(特に南東・南西は12階建のB2棟が塞がる)を囲まれたポジションであり、日照がほとんど得られないのは残念ですけど…。奇遇にも約18,000㎡という大きな敷地面積を有したプラウドシティ東雲キャナルマークスはオーバル状の配棟でその中央にやはり中庭が設けられていたのですがあちらは約4,000㎡とさらに大きく高さの違い(あちらは15階建、こちらは12階建)を鑑みてももうちょい余裕があると良かったですね。
※あちらは敷地中央のガーデンを重視していたが、こちらはフロントコートとの間や外周部などにもかなり力を入れた分、中庭を突出した豊かなものには出来ていません。まぁ、こちらも東雲のものなどと比べさえしなければ十分豊かなんですけど…。
デザイン面ではグランドコートのB2棟の中央部に設けられたグランドエントランスが圧巻です。2層吹抜のその豊かな空間からは大きな窓面を通しその中庭が望めるようになっており、天然石や木質素材のマテリアル、そしてヘリンボーン貼のアクセントフローリングも彩る上質な空間になります。
水盤などの水物の設えがあるとより”高級感”のある演出になったのかなという思いもなくはないのですが、従前の緑を可能な限り生かした真っすぐなプロジェクトという印象ですので悪い気はしないですね。
グランドエントランスの目の前には半円状の雰囲気の良い車寄せもしっかりと設けられています。
共用施設としては、フォレストラウンジ、パーティラウンジ、ワークラウンジ、プライベートブース、そして子供向けのライブラリー・スタディスペースであるキッズライブラリーも備わっています。驚くような施設こそありませんが、キッズルーム、ゲストルーム、コミュニティルームなどもあり大規模物件らしい充実したものとなります。
前回のプラウドシティ小竹向原。
公式ホームページ

お部屋はG1棟の71㎡の3LDK、南東向き中住戸です。A敷地北側に位置するG1棟の西側部分で南東正面方向にその中庭を望みます。ただ、中庭の先にはG2棟がありますので、視界抜けは得られませんし、G2棟は12階建のためこのような低層階だと日照への影響も生じてしまうでしょう。
間取りは一般的な大きさの3LDKで居室配置もごくごく普通の田の字タイプになります。
しかしながら、スパン目一杯に開口部を設けた「連窓サッシ×ウォールドア」設計は大きなポイントの1つで、同設計を採用したケースでもここまでの幅となっているケースは多くありません。
ウォールドアの方立てが少々大きなものとなってしまっているのは残念ではあるのですが、LD側だけでもしっかりとした幅があり、採光豊かな気持ちの良いプランと言えるでしょうね。
なお、そこそこ立派な価格帯の物件にはなりますので共用廊下側の柱のアウトフレームはもう少し頑張って欲しかった点でしょう。
玄関及び洋室3側を共用廊下からセットバックすることで玄関前にアルコーブ的なスペースを確保してはいるようですが、セットバックするケースでは洋室3のところの柱が完全にアウトフレームするところまでセットバックされていることが多く、その場合、アルコーブスペースもさらに豊かなものになるのです。
坪単価は404万円。こういった中庭向きのお部屋などに関しては当初の予定価格からお値段が下がったものが少なくなく、こちらも下がってはいるのですが、やはりG2棟の圧迫感は少なからずありますし、こういった低層階は日照への影響もありますのでG2棟(特に南西向きや南東向きのプラン)の低層階と大差ないお値段設定というのは少々違和感がありますよね。
総戸数500戸あっても大半が70㎡以上のプランとなるためグロスが嵩むお部屋は多いですし、もう少しポジションによって単価幅を設けて欲しかったという思いはありますね。
第1期は110戸を供給することですし、この水準でもそこそこの期間では売り切れるとは思うのですが、来年4月の完成まではもう1年ほどしかないですし、こういった"背後の低層階"はもうワンパンチあると…。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、水回りの天然石天板仕様はもちろんのこと、キッチンタッチレス水栓、浴室調光機能付ダウンライト、玄関電気錠なども備わっています。
それなりの価格帯の物件ですし床快フルなどが導入されていると面白かったようには思いますけど、そもそも旭化成とのJVですし建替プロジェクトで地権者さんもガッツリいますから無理というものでしょう。
管理費は267円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付ですので違和感はありません。超大規模なりのスケールメリットを鑑みればもっと安くとも…という印象もなくはないのですが、このランドプランだと植栽管理コストも相当なものになるでしょう。
駐車場は全129台で、身障者用を含む6台が平置、残りの123台が機械式になります。駐車場は敷地北東部や北西部など隅の方に分割されている感じで超大規模物件とはいえ、アクセスの良いものとは言えません。敷地中央部に駐車場を設けなかったからこそ豊かな中庭などが実現しているのは事実ですが、もうちょっと上手に共存して欲しかったところですかね。
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