2023年3月の首都圏マンション発売戸数
本日は毎月恒例の市況分析をお送りします。
不動産経済研究所の発表によると2023年3月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,439戸(前年同月比2.1%減)
1戸あたり価格14,360万円(前年同月比120.3%アップ)
契約率79.5%(前年同月比4.3ポイントアップ)
とのことです。
前月の記事において、
1億を超えるのも初めてのことなのですが、遥かに超えた14,000万円超には流石に驚いた方も少なくないのではないでしょうか。さらに言えば、それらがさらに大きな影響を与えた23区平均は21,750万円ですし、マンションに普段あまり興味がない方からすると今回のニュース(※価格が価格だけにいつも以上にニュースなどで取り上げられていました)は「まさにバブル!!!」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、結論から言ってしまうといわゆるバブルとは違っていて”年に1つ出るか出ないかという立地の超高額物件”の第1期が2つも同月にカウントされたことで生まれた結果に過ぎません。
それぞれの物件の内容(パフォーマンス)については個別記事をご覧いただければよいのでここでは詳細は述べませんが、プラン(住戸)ごとの優劣(割安・割高)はあれどそれら2物件は国内富裕層(投資家)はもちろんのこと、海外投資家などにとっても”1つは持っておきたい”と考えるのが当然と言えるぐらい話題性・注目度の高い物件でしたので(ワールドタワーレジデンスの50~60㎡台などはバルク買いも多々入っていたようです)、バブルとかではないのです。
まぁ、169戸が即日完売となったワールドタワーレジデンスの平均4.8倍/最高81倍には驚きましたけどね…。グロスの平均が約25,000万円となる物件でこの倍率ってどんだけ~。
そんなこんなで今月は価格のお話でお腹一杯になりそうなのですが、それらがあった23区の84.5%の契約率だけでなく、都下・神奈川県・千葉県なども契約率76%台を記録、さらに、在庫数も前月末(2月末)に比べ263戸減少しているなど、投資家が多数参戦するそういった超高額物件に限らない”実需でのニーズ”がしっかりとしているのは見逃せない点でしょう。
中でも千葉駅徒歩5分のメイツ千葉ザ・ミッドの第1期40戸は即日完売しており、平均3倍/最高12倍といった高倍率をたたき出しています。昨今の相場からすれば駅徒歩5分で平均坪単価289万円というのは目に優しいと感じる方が多かった結果なのだと思いますが、わりと面積帯にゆとりのある物件のため平均価格は6,200万円超というしっかりとしたもので、23区外でも6,000~7,000万円台のものが”実需として普通に売れている”現状は2~3年前ではちょっと想像しにくいものです。
なお、恒例の億ション比率は案の定31.2%というすんごい数字になっています。億ションの発売戸数は762戸なのですが、うちワールドタワーレジデンスが169戸、三田ガーデンヒルズが400戸で、それらを除くと平均的な億ション比率になるんですけどね…。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの3月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,442件(前年同月比+1.1%)
69.83万円/㎡(前年同月比+6.8%)
4,441万円(前年同月比+6.8%)
専有面積63.59㎡(前年同月比+0.0%)
築年数23.33年(前年同月23.24年)
成約単価は、昨年9月~12月の69万円台/㎡に対し、今年1~2月は68万円台/㎡と、若干の頭打ちというか”調整段階”にあったのですが、やはりというかなんというか再度69万円台(しかも70万円に肉薄)になってしまいました。
ただ、前月の記事で、
これだけだと70万円超えは時間の問題という感じではあるのですが、今月も在庫がわりと増えて45,000戸超にまで増えてきていますし、4月は新年度に向けた引越しニーズが落ち着いてきますので踏みとどまる可能性もけして小さくはないでしょう。
また、3月は新規登録単価が大きく下落しており、それも価格上昇へのハードルとなります。
1~2月の74万円台/㎡に対し、3月は72.38万円/㎡まで下落しており、昨年7~12月(いずれも72万円台)の水準に戻りましたね。
2~3月は前年同月比で成約件数が増加してきていますし、日常生活からコロナの存在が薄れてきていることを考えると新年度になっても中古ニーズが引き続き盛況となる可能性があるでしょう(もちろん同時に売り物件も増える可能性があります)。需要の勢いの方が上回るようだとやはり70万円台が現実味を帯びてきてしまうのですが、成約件数が特段伸びるようなことがなく、昨年5月以降から続く一貫した在庫件数の増加が続く限り価格上昇のハードルは高いように思いますね。
さて、新築に話を戻して4月の発売戸数は不動産経済研究所によると2,000戸が見込まれています。
4月の主な供給としては、パークタワー西新宿の第1期(116戸)、ブリリア聖蹟桜ヶ丘ブルーミングテラスの第1期(100戸)、後はクラッシィタワー新宿御苑の第1期(4月下旬予定)といったところでしょうか。
パークタワーに加え、クラッシィタワーも入ってしまうと3月ほどではないにしろ平均価格は高くなるでしょうね。上述のように中古とは異なり新築の在庫は低水準ですし、日銀総裁交代による政策変更(金融政策引き締め)が見られない限り下落することは考えにくい状況です。
なお、中古に関しては、そのように在庫や新規登録単価など中古市場にかかる数字だけを見ると上昇の余地がなさそうに見えるのですが、やはり中古は新築の価格に引っ張られるのが世の常なので新築において多くのエリアでさらなる上昇傾向が出てくると中古も上がってしまうでしょうね…。
不動産経済研究所の発表によると2023年3月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,439戸(前年同月比2.1%減)
1戸あたり価格14,360万円(前年同月比120.3%アップ)
契約率79.5%(前年同月比4.3ポイントアップ)
とのことです。
前月の記事において、
3月は、そのワールドタワーレジデンス(第1期169戸)の他、プラウドタワー平井(第1期80戸)、プラウドシティ小竹向原(第1期110戸)、プラウド向ヶ丘遊園(第1期81戸)などのプラウドの勢いが凄いですし、価格はもちろんのこと戸数や契約率もそこそこの数字になるのではないでしょうか。
と述べていたように、ワールドタワーレジデンスの第1期1次169戸の平均坪単価1,143万円が大きな影響を与えたのももちろんですが、本来ならば2月にカウントされるはずだった三田ガーデンヒルズの第1期1次321戸(+1期2次79戸)も3月に入ってきており、かつてない平均価格になってしまいましたね。1億を超えるのも初めてのことなのですが、遥かに超えた14,000万円超には流石に驚いた方も少なくないのではないでしょうか。さらに言えば、それらがさらに大きな影響を与えた23区平均は21,750万円ですし、マンションに普段あまり興味がない方からすると今回のニュース(※価格が価格だけにいつも以上にニュースなどで取り上げられていました)は「まさにバブル!!!」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、結論から言ってしまうといわゆるバブルとは違っていて”年に1つ出るか出ないかという立地の超高額物件”の第1期が2つも同月にカウントされたことで生まれた結果に過ぎません。
それぞれの物件の内容(パフォーマンス)については個別記事をご覧いただければよいのでここでは詳細は述べませんが、プラン(住戸)ごとの優劣(割安・割高)はあれどそれら2物件は国内富裕層(投資家)はもちろんのこと、海外投資家などにとっても”1つは持っておきたい”と考えるのが当然と言えるぐらい話題性・注目度の高い物件でしたので(ワールドタワーレジデンスの50~60㎡台などはバルク買いも多々入っていたようです)、バブルとかではないのです。
まぁ、169戸が即日完売となったワールドタワーレジデンスの平均4.8倍/最高81倍には驚きましたけどね…。グロスの平均が約25,000万円となる物件でこの倍率ってどんだけ~。
そんなこんなで今月は価格のお話でお腹一杯になりそうなのですが、それらがあった23区の84.5%の契約率だけでなく、都下・神奈川県・千葉県なども契約率76%台を記録、さらに、在庫数も前月末(2月末)に比べ263戸減少しているなど、投資家が多数参戦するそういった超高額物件に限らない”実需でのニーズ”がしっかりとしているのは見逃せない点でしょう。
中でも千葉駅徒歩5分のメイツ千葉ザ・ミッドの第1期40戸は即日完売しており、平均3倍/最高12倍といった高倍率をたたき出しています。昨今の相場からすれば駅徒歩5分で平均坪単価289万円というのは目に優しいと感じる方が多かった結果なのだと思いますが、わりと面積帯にゆとりのある物件のため平均価格は6,200万円超というしっかりとしたもので、23区外でも6,000~7,000万円台のものが”実需として普通に売れている”現状は2~3年前ではちょっと想像しにくいものです。
なお、恒例の億ション比率は案の定31.2%というすんごい数字になっています。億ションの発売戸数は762戸なのですが、うちワールドタワーレジデンスが169戸、三田ガーデンヒルズが400戸で、それらを除くと平均的な億ション比率になるんですけどね…。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの3月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,442件(前年同月比+1.1%)
69.83万円/㎡(前年同月比+6.8%)
4,441万円(前年同月比+6.8%)
専有面積63.59㎡(前年同月比+0.0%)
築年数23.33年(前年同月23.24年)
成約単価は、昨年9月~12月の69万円台/㎡に対し、今年1~2月は68万円台/㎡と、若干の頭打ちというか”調整段階”にあったのですが、やはりというかなんというか再度69万円台(しかも70万円に肉薄)になってしまいました。
ただ、前月の記事で、
先月に続き新規登録単価は、昨年7~12月の72万円台よりも大分上昇した74万円台の過去最高水準で、今月はそういったもののシェアが高まったことで在庫単価もついに74万円台に乗ってしまいましたので、成約単価の70万円超も現実味を帯びてきましたよね…。
と述べていたように、前月までの流れを鑑みれば70万円超(最高値(12月の69.94万円)更新)とならなかっただけマシ(?)という感じですかね。これだけだと70万円超えは時間の問題という感じではあるのですが、今月も在庫がわりと増えて45,000戸超にまで増えてきていますし、4月は新年度に向けた引越しニーズが落ち着いてきますので踏みとどまる可能性もけして小さくはないでしょう。
また、3月は新規登録単価が大きく下落しており、それも価格上昇へのハードルとなります。
1~2月の74万円台/㎡に対し、3月は72.38万円/㎡まで下落しており、昨年7~12月(いずれも72万円台)の水準に戻りましたね。
2~3月は前年同月比で成約件数が増加してきていますし、日常生活からコロナの存在が薄れてきていることを考えると新年度になっても中古ニーズが引き続き盛況となる可能性があるでしょう(もちろん同時に売り物件も増える可能性があります)。需要の勢いの方が上回るようだとやはり70万円台が現実味を帯びてきてしまうのですが、成約件数が特段伸びるようなことがなく、昨年5月以降から続く一貫した在庫件数の増加が続く限り価格上昇のハードルは高いように思いますね。
さて、新築に話を戻して4月の発売戸数は不動産経済研究所によると2,000戸が見込まれています。
4月の主な供給としては、パークタワー西新宿の第1期(116戸)、ブリリア聖蹟桜ヶ丘ブルーミングテラスの第1期(100戸)、後はクラッシィタワー新宿御苑の第1期(4月下旬予定)といったところでしょうか。
パークタワーに加え、クラッシィタワーも入ってしまうと3月ほどではないにしろ平均価格は高くなるでしょうね。上述のように中古とは異なり新築の在庫は低水準ですし、日銀総裁交代による政策変更(金融政策引き締め)が見られない限り下落することは考えにくい状況です。
なお、中古に関しては、そのように在庫や新規登録単価など中古市場にかかる数字だけを見ると上昇の余地がなさそうに見えるのですが、やはり中古は新築の価格に引っ張られるのが世の常なので新築において多くのエリアでさらなる上昇傾向が出てくると中古も上がってしまうでしょうね…。
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