プレミスト大倉山【デザインはやや地味でも豊かなガーデン×プロムナード】2階76㎡7,580万円(坪単価328万円)

続けて、プレミスト大倉山。

設計・施工はファーストコーポレーション、デザイン監修は入江三宅設計事務所、外構空間・ランドスケープ監修はタウンスケープ研究所になります。

こういったタイプの大規模物件は長谷工設計・施工であることが多いものですが、ファーストコーポレーションも着々と実績を積み重ねていると感じますね。同時期分譲で今を時めく立地条件のレ・ジェイド新横浜もファーストコーポレーション設計・施工です。
※ファーストコーポレーションは長谷工と同じで特命受注を行う大規模マンション(タワマン除く)に積極的なゼネコンです。

なお、直床が採用された物件なのですが、敷地の多くを占める第一種住居地域は最高高さ20m制限の第4種高度地区に指定されており、7階建だと直床にならざるを得ません。常々言っているので読者の方であればお分かりかとは思いますが、6階建で同容積率を実現し空地率を下げるよりも7階建とし上層階住戸率を高めると共に空地率も高まる方がデベロッパーにとってだけでなく購入者にとってもメリットになりやすいでしょう。

そして、当物件の最大のポイントとなるのはやはりスケールです。総戸数241戸、敷地面積約8,300㎡は菊名・大倉山エリア随一のものになります。
7階建で高さが出せないエリアにはなるため空地率は約48%と低めではあるものの、流石にこれだけの敷地面積があるとランドプラン面での特長は少なくありません。

1つ目のポイントはABINC認証を受けた豊かな緑で、センターフォレスト、アブルームガーデン、ボタニックガーデンなど、通常ならば閉塞感が強まるはずの"棟間のスペース"を少しでも良いものとする取り組みが行われています。

また、空間的な広がりという点で目を惹くのは敷地北側道路沿いに大々的に設けられたノースプロムナードで、こちらはいい意味で植栽を抑えたことで明るく気持ちの良い空間を実現出来ているように思います。

ガーデンやノースプロムナード周りのデザインはやや淡泊な印象で、意匠性の高いオブジェやベンチ、はたまた水盤だったりがあると高級感が増したようにも思うのですが、グランドエントランスがこのプロムナード経由になっているのは魅力の1つでしょう。

敷地西側綱島街道沿いにはキャレッジエントランスがあることで菊名駅側への高いアクセス性、さらに、キャレッジエントランスには大きな車寄せが設けられているあたりも大規模物件ならではの魅力ですね。

また、センターフォレストに面した位置には独立した共用棟があり、キッチン付きのパーティ&キッズスペース、リンクラウンジ、ワーキングスペース(1人用3室、2人用1室)、そしてゲストルームも備えるなど総戸数241戸なりの充実した共用施設も実現しています。

共用部のデザインは、基本的にナチュラルな感じなので高級感はさほどなく、建物のデザインという点でも若干の古めかしさを感じるなど全体的に"もう少し分かりやすい高級感や特色"があると良かった印象ではあるのですが(前回の記事で書いたように駅距離のわりに便利な立地ではあるのですが、立地的な点での高級感があるわけではないので尚更)、そもそも総戸数200戸超というスケールだけで十分な存在感を放てるという"デベロッパーの思惑"も影響しているように思います。

そうであれば尚更、菊名駅(特急停車駅)の徒歩11分×大規模を最大のウリにすべきだった気もしますけど…(「大倉山」で勝負する物件ではなかった気がする…)。

前回のプレミスト大倉山

公式ホームページ
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お部屋はD棟76㎡の3LDK、北東角住戸です。前回の記事で述べたように、A・B棟の背後(北側)にC~Fの4棟が並んでおり、西側からC・D・E・Fの順になります。
C(西向き)とD(東向き)は背中合わせになっており、こちらD棟の東方向はE棟(西向き。F棟は東向きでEとFも背中合わせ)とお見合いになりますね。

ただ、この北東角住戸は北端なので南東側のB棟の影響を受けにくくなりますし、D棟との間にそのセンターフォレストを挟んでいるという点も魅力になるでしょう。
一方で、エントランス周りも含め住民の行き来が多いポジションにはなるのでそのあたりは気になる点の1つ、また、北西方向には高圧線が通っているのも若干のネガティブポイントにはなりますかね。

間取りは先ほどの80㎡台中盤(4LDK)ほどは大きくないものの、こちらは3LDKですのでこのご時世としては意外にもしっかりとした面積が確保されていると感じます。

総戸数241戸のスケールを有した物件ですので、当初は50㎡台(2LDK)などもあるのだろうと思っていたぐらいなのですが、最低でも68㎡(3LDK)ということで全体的にゆったりとしたプランニングが採用されていますね。

こちらは角住戸ながら田の字ベースのシンプルな設計、また、柱の食い込みも少々目立ちはするものの、田の字で玄関をくぼんだ位置に設計出来ているがゆえに廊下が短く(効率的)、収納が充実しているあたりからは76㎡なりの豊かさを感じることが出来ますので悪くはないでしょう。

坪単価は328万円。南向きではない低層階ということで物件内では控えめな水準になります。C~F棟の南端(※A・B棟の影響が強い部分)の低層階には300万円そこそこのものもあるので"下限"という感じではないのですが、そういったかなり苦しい条件のお部屋と比べると一般的なタイプ、かつ、角住戸でもありますのでこのご時世として悪くはないでしょう。
前回の記事で述べたように、菊名駅がほぼフラットな徒歩10分ほどで利用できる交通便はかなり珍しいのです。

ちなみに、第1期1次は80戸と進捗率で言うと目立つものではありませんが、最低でも6,000万円台中盤(68㎡)となる中での供給ですので思っていたよりも多かったですね(むろん契約率次第ではある)。

設備仕様面は、スケールを生かしディスポーザー付、また、食洗機、トイレ手洗い器も備わっています。ゼッチ・マンションで主寝室に床暖房(ゼッチ基準を満たしやすくなるため導入されやすい)が付いているあたりもポイントになるでしょう。
なお、6~7階住戸及び一部の高額角住戸は「グレードアッププラン」という位置づけになっており、キッチン天板、キッチン水栓、ガスコンロ、レンジフード、リビングダイニング扉などが少しグレードの高いものになります。

管理費は218円/㎡。外廊下ですがディスポーザー付ですのでスケールメリットを感じることが出来るでしょう。ちなみにエレベーターは3基(基あたり約80戸)かと思いきや4基ですので多い方ですね。

駐車場は全91台で身障者用1台以外は機械式になります。別途来客用とカーシェア用(共に1台)がありますね。

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