2023年4月の首都圏マンション発売戸数
本日は毎月恒例の市況分析をお送りします。
不動産経済研究所の発表によると2023年4月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数1,690戸(前年同月比30.3%減)
1戸あたり価格7,747万円(前年同月比23.1%アップ)
契約率73.7%(前年同月比5.9ポイントダウン)
とのことです。
異常値となった3月の平均価格14,000万円超に比べると半減しましたが、前月を除けば2021年4月以来の高値で、パークタワー西新宿の第1期116戸、そして前月の立役者(?)である三田ガーデンヒルズの1期3次やワールドタワーレジデンスの1期2次などの影響もあってのものになるでしょう。
4月の発売戸数は前月の発表時点で2,000戸が見込まれており、もう少し全体の戸数が伸びていればそういった”特別な物件(特に三田ガーデンヒルズやワールドタワーレジデンス)”の影響も緩和されるものですが、この全体戸数では億ション比率は約16.7%、2億以上の比率ですら約4.0%もありますので、平均価格ではあっても”平均的な物件の価格が上昇している”ということにはならないですね。
前月の記事で書いたように、”年に1つ出るか出ないかという立地の超高額物件”が2つ同時期に分譲されたことによる結果でしかありません。
パークタワー西新宿も平均坪単価650万円ほどで116戸ですので、それなりのインパクトはありますけど、先行する近隣のシティタワー新宿に比べると大分控えめなお値段設定で大半は1億台ですからね(2億超は高層階角住戸などほんの一部)。
なお、発売戸数が例年同月よりも少ない中で契約率も下がっているような状況、さらに言えば東京23区の契約率が最も高い79.2%となっていることからもお分かりのように、そのような超高額物件(目玉物件)の契約率の高さが全体の契約率を引き上げた上での水準になりますので”市況が良い”とまでは言えないでしょう。
しかしながら、そういった超高額物件の検討者(実需)を除けば7月頭に控えるハルミフラッグSKYDUOの第1期に備えている方々は本当にたくさんいらっしゃいますし(「倍率優遇」や「登録戸数制限」をした程度ではたかが知れており、またまた凄い倍率になってしまうのでしょう…)、そういった影響もありつつの7割超と考えると全然悪い数字という印象はないですね。
3ヶ月連続で契約率7割超になっているように、むしろ需要は旺盛に感じるぐらいですし(神奈川県と千葉県単体での契約率も70%台になっています※神奈川に至っては79%)、在庫も前月末から200戸以上減った4,983戸で昨年10月以来再び4,000戸台に突入していることからもそのようなことが言えるでしょう。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの4月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
2,954件(前年同月比-4.5%)
70.17万円/㎡(前年同月比+2.1%)
4,486万円(前年同月比+2.8%)
専有面積63.92㎡(前年同月比+0.7%)
築年数24.02年(前年同月22.77年)
前月の記事で、
成約単価70万円に乗るか否かの攻防は数ヶ月前から続いており、十分に乗っかってくる可能性はあったものの、新年度に向けて需要が増える2~3月を越え、前年同月比でも成約件数減となった4月のこのタイミングなんですね…。
前月は69.83万円と70万円に肉薄していましたし、購入する方はむろん平均価格などではなくその物件単体の価格を見て判断しているだけですので、前月からの変動は”誤差”、”たまたま”、と言えなくもないのですが、平均築年数が前月に比べ随分と大きくなった中での70万円超ですし、これだけ在庫が増えてきても未だ売手優位の市場なんでしょうね。
1~2月の74万円台/㎡に対し、3月は72.38万円/㎡まで下落していた新規登録単価は73.75万円/㎡まで再上昇したあたりからも売り手の楽観的な姿勢がみてとれます。
新規登録件数も相変わらず多いですし、在庫件数も昨年6月から11ヶ月連続増加している状況に変わりはないので顕著な上昇は難しいはずですが、世界的なインフレ基調に未だ変調は見られず、売手の楽観姿勢(新築物件におけるデベロッパーの姿勢含む)が続く限り買い手にとっては厳しい状況が続きそうです。
さて、新築に話を戻して5月の発売戸数は不動産経済研究所によると2,000戸が見込まれています。
主だった供給は、クラッシィタワー新宿御苑(第1期96戸)、レ・ジェイド新横浜(第1期59戸)、プレミスト大倉山(第1期80戸)、ヒルズグランデ稲毛パークフロント(第1期100戸)といったあたりでしょうか。
話題のクラッシィタワーがあるので今月のように全体戸数が伸び悩むと平均へのインパクトが大きくはなりそうですが、それ以外はエリア的に一般的なニーズが旺盛な価格帯の物件で、そういったものが多くなる中でどの程度の契約率が維持出来るかといった点に注目したいですね。
不動産経済研究所の発表によると2023年4月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数1,690戸(前年同月比30.3%減)
1戸あたり価格7,747万円(前年同月比23.1%アップ)
契約率73.7%(前年同月比5.9ポイントダウン)
とのことです。
異常値となった3月の平均価格14,000万円超に比べると半減しましたが、前月を除けば2021年4月以来の高値で、パークタワー西新宿の第1期116戸、そして前月の立役者(?)である三田ガーデンヒルズの1期3次やワールドタワーレジデンスの1期2次などの影響もあってのものになるでしょう。
4月の発売戸数は前月の発表時点で2,000戸が見込まれており、もう少し全体の戸数が伸びていればそういった”特別な物件(特に三田ガーデンヒルズやワールドタワーレジデンス)”の影響も緩和されるものですが、この全体戸数では億ション比率は約16.7%、2億以上の比率ですら約4.0%もありますので、平均価格ではあっても”平均的な物件の価格が上昇している”ということにはならないですね。
前月の記事で書いたように、”年に1つ出るか出ないかという立地の超高額物件”が2つ同時期に分譲されたことによる結果でしかありません。
パークタワー西新宿も平均坪単価650万円ほどで116戸ですので、それなりのインパクトはありますけど、先行する近隣のシティタワー新宿に比べると大分控えめなお値段設定で大半は1億台ですからね(2億超は高層階角住戸などほんの一部)。
なお、発売戸数が例年同月よりも少ない中で契約率も下がっているような状況、さらに言えば東京23区の契約率が最も高い79.2%となっていることからもお分かりのように、そのような超高額物件(目玉物件)の契約率の高さが全体の契約率を引き上げた上での水準になりますので”市況が良い”とまでは言えないでしょう。
しかしながら、そういった超高額物件の検討者(実需)を除けば7月頭に控えるハルミフラッグSKYDUOの第1期に備えている方々は本当にたくさんいらっしゃいますし(「倍率優遇」や「登録戸数制限」をした程度ではたかが知れており、またまた凄い倍率になってしまうのでしょう…)、そういった影響もありつつの7割超と考えると全然悪い数字という印象はないですね。
3ヶ月連続で契約率7割超になっているように、むしろ需要は旺盛に感じるぐらいですし(神奈川県と千葉県単体での契約率も70%台になっています※神奈川に至っては79%)、在庫も前月末から200戸以上減った4,983戸で昨年10月以来再び4,000戸台に突入していることからもそのようなことが言えるでしょう。
続いて、中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの4月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
2,954件(前年同月比-4.5%)
70.17万円/㎡(前年同月比+2.1%)
4,486万円(前年同月比+2.8%)
専有面積63.92㎡(前年同月比+0.7%)
築年数24.02年(前年同月22.77年)
前月の記事で、
70万円超えは時間の問題という感じではあるのですが、今月も在庫がわりと増えて45,000戸超にまで増えてきていますし、4月は新年度に向けた引越しニーズが落ち着いてきますので踏みとどまる可能性もけして小さくはないでしょう。
また、3月は新規登録単価が大きく下落しており、それも価格上昇へのハードルとなります。
1~2月の74万円台/㎡に対し、3月は72.38万円/㎡まで下落しており、昨年7~12月(いずれも72万円台)の水準に戻りましたね。
2~3月は前年同月比で成約件数が増加してきていますし、日常生活からコロナの存在が薄れてきていることを考えると新年度になっても中古ニーズが引き続き盛況となる可能性があるでしょう(もちろん同時に売り物件も増える可能性があります)。需要の勢いの方が上回るようだとやはり70万円台が現実味を帯びてきてしまうのですが、成約件数が特段伸びるようなことがなく、昨年5月以降から続く一貫した在庫件数の増加が続く限り価格上昇のハードルは高いように思いますね。
と述べました。また、3月は新規登録単価が大きく下落しており、それも価格上昇へのハードルとなります。
1~2月の74万円台/㎡に対し、3月は72.38万円/㎡まで下落しており、昨年7~12月(いずれも72万円台)の水準に戻りましたね。
2~3月は前年同月比で成約件数が増加してきていますし、日常生活からコロナの存在が薄れてきていることを考えると新年度になっても中古ニーズが引き続き盛況となる可能性があるでしょう(もちろん同時に売り物件も増える可能性があります)。需要の勢いの方が上回るようだとやはり70万円台が現実味を帯びてきてしまうのですが、成約件数が特段伸びるようなことがなく、昨年5月以降から続く一貫した在庫件数の増加が続く限り価格上昇のハードルは高いように思いますね。
成約単価70万円に乗るか否かの攻防は数ヶ月前から続いており、十分に乗っかってくる可能性はあったものの、新年度に向けて需要が増える2~3月を越え、前年同月比でも成約件数減となった4月のこのタイミングなんですね…。
前月は69.83万円と70万円に肉薄していましたし、購入する方はむろん平均価格などではなくその物件単体の価格を見て判断しているだけですので、前月からの変動は”誤差”、”たまたま”、と言えなくもないのですが、平均築年数が前月に比べ随分と大きくなった中での70万円超ですし、これだけ在庫が増えてきても未だ売手優位の市場なんでしょうね。
1~2月の74万円台/㎡に対し、3月は72.38万円/㎡まで下落していた新規登録単価は73.75万円/㎡まで再上昇したあたりからも売り手の楽観的な姿勢がみてとれます。
新規登録件数も相変わらず多いですし、在庫件数も昨年6月から11ヶ月連続増加している状況に変わりはないので顕著な上昇は難しいはずですが、世界的なインフレ基調に未だ変調は見られず、売手の楽観姿勢(新築物件におけるデベロッパーの姿勢含む)が続く限り買い手にとっては厳しい状況が続きそうです。
さて、新築に話を戻して5月の発売戸数は不動産経済研究所によると2,000戸が見込まれています。
主だった供給は、クラッシィタワー新宿御苑(第1期96戸)、レ・ジェイド新横浜(第1期59戸)、プレミスト大倉山(第1期80戸)、ヒルズグランデ稲毛パークフロント(第1期100戸)といったあたりでしょうか。
話題のクラッシィタワーがあるので今月のように全体戸数が伸び悩むと平均へのインパクトが大きくはなりそうですが、それ以外はエリア的に一般的なニーズが旺盛な価格帯の物件で、そういったものが多くなる中でどの程度の契約率が維持出来るかといった点に注目したいですね。
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