アトラス文京小石川【重厚さと趣を兼ね備えたエントランス】7階60㎡10,098万円(坪単価558万円)

続けて、アトラス文京小石川。

設計は風光舎、施工は馬淵建設です。

30~70㎡台の総戸数47戸という小ぶりな物件ですし、用途地域(高さ制限)が影響し、建物は15階建ながら西側の部分が4階建とせざるをえなかったことから凹凸も目立ちます。
前回の記事で述べたように周囲には同じような高さの建物が多いですし、全体的に開口部が小さな設計のため、中・上層部のデザインという点でもそれほど目立つものではありません。

ただ、デザインに力を入れるアトラスシリーズゆえにエントランスを中心とした基壇部のデザインは流石でしょう。
大庇が迎えてくれるエントランスは屋敷の軒をモチーフとしており、壁の一部は築地塀の技法に学び有田焼の瓦を小端積みにするという繊細さも見られます。

エントランス外壁にはザ・パークハウス自由が丘ディアナガーデンなどデザインに富んだ高額物件(モリモトのディアナコートが多いです)でお目にかかることの多い織部製陶のクレイマイスターライトを採用、さらに、エントランスホール壁面には石垣をモチーフにした大きな石積みの壁面を設けるなど、小ぶりなスケールを感じさせない重厚、かつ、趣豊かな共用空間を実現しています。

前回のアトラス文京小石川

公式ホームページ
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お部屋は60㎡の2LDK、南東角住戸です。南は小さ目の4階建を挟み13階建のベイフィールド小石川、東は細い道路を挟みフォルム小石川及びコスモ小石川というかなり囲まれ感の強いポジションになります。むろん低層階に比べればマシですが、中層階でも視界的な圧迫感は避けられませんし、冬場は日照もほぼ得られないでしょう。

間取りは四捨五入すると60㎡にはなるものの、ギリギリ60㎡には満たないタイプになります。
ただ、2LDKとしてはむしろ大きな方ですし、先ほどのプランに比べれば柱の食い込みはマシ(それでも3本が食い込んでいますが…)、また、廊下がこれ以上ないぐらい短く出来ているので、2LDKとしてゆとりがある方なのは確かでしょう。
角住戸ながら洋室2室共にリビングインなのは好みの分かれるところですね。

また、LDの10.5畳は50㎡台中盤の一般的な2LDKと比べ気持ち大きい程度ですが、キッチンや洋室1には明確にゆとりを感じることが出来ますし、50㎡台だと昨今は1317の浴室が多いため1418はゆとりの表れの1つではあるでしょう。

そのように視界面が芳しくないとはいえ、南面ワイドスパンで、LDが角位置でないながらもしっかりとした開口部幅を確保しているので採光面に不安はありません。

坪単価は558万円。先ほど取り上げた南西角住戸のような視界抜けの得られる西側上層階と比べると控えめな設定で、当物件の平均に近い水準になります。

ただ、そのように中層階でも視界・日照面に難がありますので、さらに差が設けられていてもおかしくなかった印象ではありますかね。
そのように専有面積なりのゆとりを感じることが出来はするのですが、2LDKとしては結構大きな方でグロス価格が嵩んでいるのも気になります。

設備仕様面は、小ぶりな物件とはいえ70㎡台もそこそこあり、価格は1億中盤までありますのでディスポーザーがないのは残念ですね。食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンの水回り天板などは備わっていますので大きな違和感まではありませんが…。

管理費は492円/㎡。ディスポーザーはありませんが、内廊下の小規模物件(スケールメリットが得られない)のためかかなり高いですね。
昨今の強烈なインフレが加味された水準ではあるのでしょうが、70㎡ともなるとかなりの負担感がありますし、もう少し抑えて欲しかったところでしょう。

なお、駐車場はありません(外来者用平置1台のみ)。

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