2022年全国マンション市場動向②【デベロッパー別発売戸数ランキング】

お次は、不動産経済研究所発表の2022年の全国マンション市場動向における、デベロッパー別の発売戸数を見ていきましょう。

2022年全国マンション市場動向①

1位:野村不動産 4,240戸(前年1位)
2位:プレサンスコーポレーション 3,760戸(前年3位)
3位:三井不動産レジデンシャル 3,420戸(前年2位)
4位:住友不動産 3,109戸(前年6位)
5位:エスリード 2,214戸(前年7位)
6位:三菱地所レジデンス 2,153戸(前年5位)
7位:タカラレーベン 2,134戸(前年13位)
8位:大和ハウス工業 2,022戸(前年4位)
9位:オープンハウス・ディベロップメント 1,870戸(前年17位)
10位:日鉄興和不動産 1,850戸(前年10位)

前年4位だった大和ハウス工業は8位、前年5位だった三菱地所レジデンスは6位にランクダウンしていますが、1~3位の顔ぶれは昨年同様ですし、年間2,000戸超を供給する8位以上の顔ぶれに大きな変化はありません。

傾向としては2021年同様で、野村・三井・住友・三菱のBIG4はともかく、それ以外で上位に入っているデベロッパーは”首都圏や近畿圏以外での供給が豊富”というのが特徴になります。コロナ禍が始まった2020年もそうだったのですが、首都圏・近畿圏以外のエリア(以下、「その他エリア」とします)のシェアが高まっており、それ以前から地方都市での実績が豊富で首都圏だけでなくその他エリアでの供給も多い野村不動産や大和ハウス工業、そして、その他エリアでの供給を主とするプレサンス、エスリード、タカラレーベンが上位にランクインする流れとなっています。

タカラレーベンは昨年の13位から大きくランクアップしており、首都圏での供給はわずか126戸ながら「その他エリアで2,008戸」ということで、地方都市を主戦場としたことでかなり戸数を増やしましたね。年によってプロジェクトの大小があるのは当然で年によってのバラツキはあるものですが、2021年のタカラレーベンは首都圏933戸に対しその他エリアで649戸でしたので地方に重きを置くようになったのは間違いないでしょう。

第11位のあなぶき興産もその他エリアで1,618戸を供給し、昨年の8位に続き上位にランクインしましたね。

反面、そのようにその他エリアでの供給がモノを言う中で、首都圏での供給を主としながら上位にランクインしたデベロッパーに、オープンハウス・ディベロップメント(9位)、日鉄興和不動産(10位)、新日本建設(14位)といったところがあります。

「東京に家を持とう!」のオープンハウスに関しては、当ブログの読者の方ならばよ~くお分かりのように小ぶりでクセのある物件が多いながらも首都圏(多くが東京)で本当に数多くの物件を供給しています。

ただ、オープンハウスはその他エリアでも780戸を供給しているからこその9位であり、日鉄興和不動産は首都圏のランキングで言うと6位、新日本建設はBIG4に次ぐ5位ということでオープンハウス以上に高い存在感を放っていると言えるでしょう。

日鉄興和不動産はリビオタワー羽沢横浜国大大宮スカイ&スクエアザ・タワー、新日本建設はエクセレントシティ船橋グランライズやエクセレントシティ立川ザ・グラン(※新日本建設は初回に「全戸一括供給」という形をとっているため契約率は必ずしも高くありません)といったあたりが目立ちますが、物件数自体もかなりのもので、オープンハウスも含めた3社はBIG4と上手に棲み分けを図っていると感じますね。

さて、そんなBIG4比率ですが、2022年は17.7%ということで昨年に比べると少し上がりましたね。
ただ、BIG4比率の推移は「24.2%(2013年)⇒25.3%⇒23.4%⇒22.9%(2016年)⇒24.8%⇒24.2%⇒21.7%⇒19.0%⇒16.0%(2021年)」ということで大きな流れとして減少傾向にあるのは確かで、昨年があまりに低すぎただけでしょう。

いずれにしろマンション分譲事業以外の収入源が多々ある大手デベロッパーは採算的に厳しい物件を無理して供給する必要はなく、地方都市での供給を増やすにも限界があるので今後もこの傾向は続きそうです。

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