港区・千代田区・中央区のマンション市況【2022年市場動向フィードバック②】
2022年市場動向フィードバックの第2回では港区・千代田区・中央区の都心3区の詳細な分析を行います。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご覧ください。
⇒2022年全国マンション市場動向①【高価格帯エリアでの供給が低調】
⇒2022年全国マンション市場動向②【デベロッパー別発売戸数ランキング】
⇒2022年市場動向フィードバック①【都心区から外周区へ、東から西へ】
不動産経済研究所によると3区の数字はこちらになります。
(「順位」や「前年比」などについては私が計算したものになります。)

また、2006年以降の平均単価の推移は以下になります。

※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。
・港区【戸数大幅減、価格も低調】
港区は平均坪単価のトップ3の常連で、例年は渋谷区や千代田区とトップ争いをすることが多いのですが、2022年に関しては港区の中でも高額なエリアの供給が少なかったため、低調な数字が並びましたね。
供給戸数自体が前年の約4割ほどの541戸と少ない中で、湾岸エリアのプラウドタワー芝浦(2022年だけで183戸供給)、ブランズタワー芝浦(同99戸)の2物件で全体の半数程度を供給したことで、平均坪単価はおとなしいものとなりました。
グラフで平均坪単価の推移をご覧いただくとお分かりのように港区に限っていえば結果として2015年~2022年までの長いスパンで見ても明確には上がっていないかのような推移となっており、少々不思議な結果になっていますね。
3年間の平均で計算している平均坪単価の過去比での上昇率も23区中18位に甘んじおり、”感覚”とはちょっと異なる結果になってしまっています。
2023年は三田ガーデンヒルズ(約1,330万円)とワールドタワーレジデンス(約1,145万円)というスケールある超高額物件がガッツリ供給されていますので、ここ数年を取り戻すかのようなとんでもない数字になりそうですけどね…。
中央区は2022年もハルミフラッグが幅を利かせたため地味な数字ですが、千代田区がかなり目立つ数字になっているように港区も2022年と2023年の数字を均すことで千代田区と同程度かそれ以上の数字になる可能性が高いです。
23区の中でトップを争う価格帯であることに違いはないでしょうね。
参考)2022年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)
プラウドタワー芝浦(約515万円)
ブランズタワー芝浦(約525万円)
リビオレゾン三田(約610万円)
ブリリアタワー浜離宮(約660万円)
・千代田区【番町物件で2年連続トップ】
2021年はパークコート千代田四番町、そして2022年はザ・パークハウスグラン三番町26という高額番町物件が強く影響し、平均坪単価は2年連続でトップになりました。
ただ、ザ・パークハウスグラン三番町26の2022年の供給は58戸と、昨年のパークコートほどのインパクトはないため、平均での824万円というあたりからは千代田区全体の顕著な単価上昇を感じずにはいられません。
2020年がかなり低調な水準だったことが影響し、過去比での単価上昇率169%は23区中6位とそこまで目立ちはしないですし、千代田区は例年供給戸数が少な目なので特定の物件の影響を受けやすいためなんとも言えないところはあるものの、やはり渋谷区・港区と共に例年トップを窺うポテンシャルがあることは言うまでもないでしょう。
過去や前年に比べると小さくなってはいるものの、平均専有面積も65㎡超と23区内では大きな方で、やはりエリア的に面積を絞らずとも単価が伸びる(伸び悩まない)エリアですね。
参考)2022年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)
ザ・パークハウス麹町レジデンス(約740万円)
ザ・パークハウスグラン三番町26(約935万円)
・中央区【ほぼほぼ「ハルミフラッグ」と「パークタワー勝どきサウス」】
2022年の中央区は全体で1,449戸が供給されましたが、なんとハルミフラッグが917戸、パークタワー勝どきサウスが464戸ということで、2物件で約95%を占めているという特異な年になりました。
2019年と2021年もハルミフラッグの影響がかなり大きかったため、平均坪単価が上がっておらず、中央区に関しては他区との比較にほとんど意味がない状況と言えるでしょう。
ただ、五輪延期でハルミフラッグの供給がなかった2020年の平均坪単価が約466万円、2021~2022年にかけてバンバン売れているパークタワー勝どきサウスの平均坪単価が約490万円といった感じですし、昨年の同記事でも述べたように、基本的には新宿区や文京区と近似した水準・傾向があります。
2022年の新宿区、文京区は平均坪単価500万円台中盤~後半という水準にまで上昇しており、中央区も供給物件次第で500万円台中盤になることは十分にあるでしょう。
2023年もハルミフラッグSKYDUOが幅を利かせまくるのでそうはならないのですが…。
参考)2022年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)
ハルミフラッグ(約300万円)
パークタワー勝どきサウス(約490万円)
◎港・千代田・中央の総評
2022年はそのように港区が低調で、中央区もハルミフラッグの影響があまりに大きかったため、都心3区全体としてはあまり目立たない結果(感覚的には都心がさらに高騰している感がある中でちょっと地味な印象)とも言えるのですが、千代田区自体は800万円超で23区トップの平均坪単価を記録していますし、2023年は確実に港区が凄まじい数字を記録するはずです。
ハルミフラッグを除外した場合のこれら都心3区の実質的な過去比水準は160%程度にはなると思われ、この後に取り上げる渋谷区・新宿区・目黒区・文京区には及ばないまでもそれに匹敵するぐらいの価格上昇になるでしょうね。
港区・千代田区は価格に糸目をつけない超富裕層ニーズのあるエリアが少なくなく他区とは異なり価格に上限らしい上限がないため、供給物件次第で平均坪単価もまだまだ上昇する余地もあるでしょう。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご覧ください。
⇒2022年全国マンション市場動向①【高価格帯エリアでの供給が低調】
⇒2022年全国マンション市場動向②【デベロッパー別発売戸数ランキング】
⇒2022年市場動向フィードバック①【都心区から外周区へ、東から西へ】
不動産経済研究所によると3区の数字はこちらになります。
(「順位」や「前年比」などについては私が計算したものになります。)

また、2006年以降の平均単価の推移は以下になります。

※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。
・港区【戸数大幅減、価格も低調】
港区は平均坪単価のトップ3の常連で、例年は渋谷区や千代田区とトップ争いをすることが多いのですが、2022年に関しては港区の中でも高額なエリアの供給が少なかったため、低調な数字が並びましたね。
供給戸数自体が前年の約4割ほどの541戸と少ない中で、湾岸エリアのプラウドタワー芝浦(2022年だけで183戸供給)、ブランズタワー芝浦(同99戸)の2物件で全体の半数程度を供給したことで、平均坪単価はおとなしいものとなりました。
グラフで平均坪単価の推移をご覧いただくとお分かりのように港区に限っていえば結果として2015年~2022年までの長いスパンで見ても明確には上がっていないかのような推移となっており、少々不思議な結果になっていますね。
3年間の平均で計算している平均坪単価の過去比での上昇率も23区中18位に甘んじおり、”感覚”とはちょっと異なる結果になってしまっています。
2023年は三田ガーデンヒルズ(約1,330万円)とワールドタワーレジデンス(約1,145万円)というスケールある超高額物件がガッツリ供給されていますので、ここ数年を取り戻すかのようなとんでもない数字になりそうですけどね…。
中央区は2022年もハルミフラッグが幅を利かせたため地味な数字ですが、千代田区がかなり目立つ数字になっているように港区も2022年と2023年の数字を均すことで千代田区と同程度かそれ以上の数字になる可能性が高いです。
23区の中でトップを争う価格帯であることに違いはないでしょうね。
参考)2022年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)
プラウドタワー芝浦(約515万円)
ブランズタワー芝浦(約525万円)
リビオレゾン三田(約610万円)
ブリリアタワー浜離宮(約660万円)
・千代田区【番町物件で2年連続トップ】
2021年はパークコート千代田四番町、そして2022年はザ・パークハウスグラン三番町26という高額番町物件が強く影響し、平均坪単価は2年連続でトップになりました。
ただ、ザ・パークハウスグラン三番町26の2022年の供給は58戸と、昨年のパークコートほどのインパクトはないため、平均での824万円というあたりからは千代田区全体の顕著な単価上昇を感じずにはいられません。
2020年がかなり低調な水準だったことが影響し、過去比での単価上昇率169%は23区中6位とそこまで目立ちはしないですし、千代田区は例年供給戸数が少な目なので特定の物件の影響を受けやすいためなんとも言えないところはあるものの、やはり渋谷区・港区と共に例年トップを窺うポテンシャルがあることは言うまでもないでしょう。
過去や前年に比べると小さくなってはいるものの、平均専有面積も65㎡超と23区内では大きな方で、やはりエリア的に面積を絞らずとも単価が伸びる(伸び悩まない)エリアですね。
参考)2022年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)
ザ・パークハウス麹町レジデンス(約740万円)
ザ・パークハウスグラン三番町26(約935万円)
・中央区【ほぼほぼ「ハルミフラッグ」と「パークタワー勝どきサウス」】
2022年の中央区は全体で1,449戸が供給されましたが、なんとハルミフラッグが917戸、パークタワー勝どきサウスが464戸ということで、2物件で約95%を占めているという特異な年になりました。
2019年と2021年もハルミフラッグの影響がかなり大きかったため、平均坪単価が上がっておらず、中央区に関しては他区との比較にほとんど意味がない状況と言えるでしょう。
ただ、五輪延期でハルミフラッグの供給がなかった2020年の平均坪単価が約466万円、2021~2022年にかけてバンバン売れているパークタワー勝どきサウスの平均坪単価が約490万円といった感じですし、昨年の同記事でも述べたように、基本的には新宿区や文京区と近似した水準・傾向があります。
2022年の新宿区、文京区は平均坪単価500万円台中盤~後半という水準にまで上昇しており、中央区も供給物件次第で500万円台中盤になることは十分にあるでしょう。
2023年もハルミフラッグSKYDUOが幅を利かせまくるのでそうはならないのですが…。
参考)2022年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)
ハルミフラッグ(約300万円)
パークタワー勝どきサウス(約490万円)
◎港・千代田・中央の総評
2022年はそのように港区が低調で、中央区もハルミフラッグの影響があまりに大きかったため、都心3区全体としてはあまり目立たない結果(感覚的には都心がさらに高騰している感がある中でちょっと地味な印象)とも言えるのですが、千代田区自体は800万円超で23区トップの平均坪単価を記録していますし、2023年は確実に港区が凄まじい数字を記録するはずです。
ハルミフラッグを除外した場合のこれら都心3区の実質的な過去比水準は160%程度にはなると思われ、この後に取り上げる渋谷区・新宿区・目黒区・文京区には及ばないまでもそれに匹敵するぐらいの価格上昇になるでしょうね。
港区・千代田区は価格に糸目をつけない超富裕層ニーズのあるエリアが少なくなく他区とは異なり価格に上限らしい上限がないため、供給物件次第で平均坪単価もまだまだ上昇する余地もあるでしょう。
関連記事
- 台東区・江東区・荒川区・墨田区のマンション市況【2022年市場動向フィードバック④】
- 渋谷区・新宿区・目黒区・文京区のマンション市況【2022年市場動向フィードバック③】
- 港区・千代田区・中央区のマンション市況【2022年市場動向フィードバック②】
- 2022年市場動向フィードバック①【都心区から外周区へ、東から西へ】
- 2022年全国マンション市場動向②【デベロッパー別発売戸数ランキング】