ルジェンテ上野松が谷【この動線部は勿体ないが、控えめな価格設定】2階36㎡4,290万円(坪単価390万円)

続けて、ルジェンテ上野松が谷。

設計は秀研設計、施工は古久根建設、デザイン監修はカーサデザインコンサルタントです。

前回の記事でも述べたように敷地面積250㎡ほどの小さな物件で、空地らしい空地は見当たりません。

ただ、かっぱ橋本通り沿いに設けられたエントランスは小ぶりながらも上品なデザインですね。風除室の手前をゲート状に囲い、かつ、庇部分を1.5フロア相当の高さにしたことで、スケール感・存在感も演出出来ています。

ゲートを構成するマテリアルは質感豊かなので高級感もありますし、小規模ながらも瀟洒な佇まいと言えるでしょう。
外観に関しても、外壁タイルに複数パターン設けたことで動きがありますし、バルコニー形状やマリオンなどによってバルコニー周りにあえて凹凸を施しているあたりも良い材料になります。

超小規模物件らしくエントランスホール自体は非常にこじんまりとしていますし、特筆すべき高級感もないものの、この単価帯なりに押さえるべきところを押さえた印象ではありますかね。先ほどのプランもしかりで間取り面でももう少し頑張って欲しかった感はありますけど…。

前回のルジェンテ上野松が谷

公式ホームページ
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お部屋は36㎡の1LDK、北東角住戸です。東側は2階建、北側かっぱ橋本通りの向かいも2~3階建の商店(兼個人宅)になりますので、低層階でも悪いポジションではないのですが、このポジションであればもう少し北側の開口部を確保出来ていると良かったようには思いますね。

間取りは30㎡台中盤のオーソドックスな面積帯の1LDKなのですが、効率性が厳しいですね。

こういった面積帯だと奥行(玄関~バルコニーまでの距離)が長くなりがちで、それに伴い廊下が長くなるものですが、そういったケースの多くは、動線上(廊下の途中)にキッチンを設けることで"純粋な廊下"を削減し効率性を高めるのが通例です。
しかしながら、こちらはそういった設計を採用しておらず(ウォークインクローゼットのところの戸境をもう少し調整したらそのようにすることは可能だったでしょう)、キッチンがLD側に大きく侵食したことで、純粋なLDがかなり小さくなってしまっています。

オープンキッチンとなったことでの魅力があるのは確かですけど、LD扉のところからキッチンに至るまでのスペースがLDにカウントされているわけで、この空間は流石に勿体ないですね…。

この面積帯ならば玄関~廊下にかけてクランクさせプライバシー性を高めるよりも一直線として効率性を重視することで玄関収納を大きくすることも出来たでしょうし、これでは一般的な30㎡台前半と同等程度の使い勝手しかないように思います。

坪単価は390万円。前回の記事で名前を挙げた2021年分譲のブランズ浅草寿の30㎡台の低層階がこちらと同程度でしたし、このご時世の30㎡台が300万円台というのは現実的な設定と言えるでしょう。視界や眺望との兼ね合いもあるのでしょうが、50~60㎡台との単価差がほとんど感じられないあたりからもそのようなことが言えます。

ただ、お隣のBタイプ(33㎡東向き中住戸)もしかりで、間取り(柱の食い込みはともかく、動線部の面積消費がかなり勿体なく感じる)による影響は小さくないでしょうね。こちらの36㎡が一般的な33㎡相当(の使い勝手)とみなした場合、坪単価430万円と計算され、それでもまだこのご時世としては若干控えめだとは思いますが…。

設備仕様面は、小規模ですのでディスポーザーはありませんが、食洗機、トイレ手洗いカウンター、そして、お掃除浴槽搭載がポイントになるでしょう。

管理費は385円/㎡。ディスポーザーはありませんが、小規模な内廊下物件なりに高いですね。スケールメリットに欠ける超小規模物件の宿命です。

駐車場は1台のみで平置になります。

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