ザ・パークハウス鷺沼【個性豊かな4棟構成、北は異例の全面ダイレクトサッシ】2階70㎡6,598万円(坪単価311万円)

続けて、ザ・パークハウス鷺沼。

設計・施工は木内建設で、直床になります。高さ制限が厳しい第2種高度地区(最高高さ15m制限×斜線制限)で、地上5階地下1階建となった半地下住戸が存在する構成でもあることから階高を確保しづらいという事情があったのだとは思いますが、物件コンセプト(秀逸なデザインに加え、ゆったり目の面積帯)や価格帯とのギャップを感じてしまうところはありますね。

ただ、そういった高さ制限の厳しい住居系地域ながら眺望的な魅力の高いお部屋も用意されたランドプランはかなり興味深いものです。敷地面積約3,900㎡のスケールと共に、扇形の形状、既存擁壁(※北側の既存の間知ブロック積擁壁の一部については新たに積み直されます)上部の北傾斜というのが当敷地の最大のポイントにはなるのですが、北向き以外の棟も含めそれぞれに個性を感じることが出来ます。

当物件は4棟で構成されており、GRACIOUSは南(南東寄り)に小台北公園が隣接する南向き、COMFYは南向き(南西寄り)であると同時に西側(北西寄り)は高台ならではの眺望を両立、SPACIOUSはGRACIOUSの背後(北側)ながら少しずらした配棟により南東方向からの日照・採光を確保、そしてPANORAMICは眺望を最大限に生かした擁壁上部に聳え立つ北向きということで、大規模とまでは言えない総戸数105戸でここまで個性を際立たせているのはお見事でしょう。

デザイン的にもその北側に大々的に設けられた擁壁を生かした重厚な設えで、中でも贅沢に石貼りを施したエントランス周りの意匠にはグッときますね。
エントランスホール自体は普通に1層なのですが、その手前の風除室は石貼りの2層吹抜なので非常に見栄えするものですし、エントランスホールにも大判石壁が採用されているので高級感はかなりのものです。

共用施設としては、ホールを抜けた先に独立したラウンジがある程度にはなってしまうのですが、景石のある中庭を望む趣深いスペースですね。

外観デザインに関しても先ほど取り上げたCOMFY棟の角住戸のダイレクトサッシ、さらにPANORAMIC棟は以下のように中住戸にも大々的にダイレクトサッシ(ハーフバルコニーなどではない全面ダイレクトは異例のこと)を用いており、その透明感や煌きも外観の大きなアクセントになっています。

デザイン監修はSKM設計計画事務所で、担当の桐本氏はザ・パークハウス渋谷南平台ザ・パークハウス自由が丘ディアナガーデンザ・パークハウス高輪松ヶ丘と、近年だけでも錚々たる物件を手掛けています。ザ・パークハウス超高額ラインならではの起用なのでこれ1つだけでもこの物件の”立ち位置”が分かるというものでしょう。

前回のザ・パークハウス鷺沼

公式ホームページ
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お部屋はPANORAMICの70㎡の3LDK、北向き中住戸です。建築基準法上の1階にはなりますが(エントランスフロアが地下1階なのでその1つ上)、その既存擁壁上部ですので、車両基地の管理建物の影響はあれど視界抜けも出てくるポジションになります。

やはり方角的に日照がほとんど得られないのはファミリータイプとして悩ましいところではあるのですが、良好な視界あってのものですし、三菱地所レジデンスも携わっていたASUKAYAMARESIDENCE(飛鳥山レジデンス)のエアリーコートと共通するところもあるでしょうね。そして、飛鳥山レジデンスは普通にフルバルコニーでしたが、こちらは間取り面にも特徴があるのが凄いところです。

最大の特徴はやはりフルのダイレクトサッシでしょう。逆梁工法によるカウンターがあるため、サッシ高はそれほどではないのですが、よくあるハーフバルコニープラン(半分程度がダイレクトサッシ)とは違うワイドなダイレクトサッシは圧巻です。
バルコニーが全くないのはやはりネックにはなるのでしょうが、洋室3にはホスクリーンを設けているので室内干しもしやすいですね。個人的にはバルコニーに出て気分転換などをすることがあるのでバルコニーが全くないのはちょっとやり過ぎな印象もあるのですが、洗濯物に関してはそもそも外干ししないご家庭増えてますし(浴室乾燥など)、あまり気にはならないですね。
ちなみに、近年はガス衣類乾燥機「乾太くん」を標準搭載する分譲マンションもボチボチ出てきています。

また、玄関周りにも特徴がありますね。柱の完全アウトフレームに加え、門扉付のポーチまで備わった優秀なものです。

坪単価は311万円。物件内には300万円を切るぐらいのものもあり、下限の少し上にはなるものの、こちらは視界抜けも出てくるお部屋になりますので、"バルコニーなしの北向き"に抵抗のない(ライフスタイル的に全く問題がない)方にとっては魅力を感じやすい水準でしょう。

前回の記事で述べたように、物件自体が直近の価格高騰の影響を感じにくいお値段設定ですし、上述のようにかなりデザインなどに力を入れた物件における300万円そこそこですからね。
総戸数105戸のうち第1期で72戸を供給するあたりからもそういったことが言えるのではないでしょうか。

設備仕様面は、スケールなりのディスポーザーはもちろんのこと、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンター、クオーツストーンの水回り天板、さらに、カップボード、お掃除浴槽まで備わっています。近年のこの単価帯の物件では珍しい充実したものですね。

管理費は250円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザーが付いての水準ですので違和感はないでしょう。

駐車場は全43台で、身障者用を除く42台が機械式になります。
ちなみに、駐輪場は134台しかなく、起伏豊かなエリアとはいえ、戸あたり2台分(ファミリータイプ中心の物件の一般的な水準)を大きく下回っているのは気になりますね。

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